【ビリヤードプレイヤー・ファイル】JPBA河原千尋プロ編_02
2025年の海外戦で景色と、ワールドトップへの手応え
2025年シーズン、国内外で目覚ましい活躍を見せた日本女子ビリヤードをその実力で牽引する『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属の河原千尋(FR:753※2025年末時点)。国内では3年連続となるMVPを獲得し、海外戦では悲願のビッグタイトル『チャイナオープン』を制覇。FargoRate(ファーゴレート)750オーバーという世界的トップスターの領域に足を踏み入れた彼女に、激動の1年を振り返ってもらった全3回のインタビューをお届けする。
●プロフィール
名前:河原千尋(かわはら ちひろ)
生年月日:1985年1月5日(41歳)
プロ入り年:2005年(39期生)
出身地:大阪府
JPBA公式戦優勝数:46
スポンサー:MEZZ、EXCEED、斬TIP、BANDEL、Roi Marketing Design
第2回は2025年の海外参戦について。WPAランキング上昇を目標に掲げ、アメリカ、そして世界へと飛び出した河原プロ。PBSのシュートアウト、WPBAの完全ダブルイリミネーションなど、日本とは異なるタフな環境やフォーマットで世界の強豪と渡り合う中で変化していった心境と、確かな手応えに迫る。
●それを聞いた瞬間から、極力エイトボールも練習するようにしました
——次に2025年の海外戦についてですが、先程伺ったようにWPAのランキングを上げるという目標を持って、最初の遠征が2月末の『ラスベガスオープン』でしたね。男子と違ってトップスターがかなり揃ったフィールドでベスト8でした。
河原:中国、フィリピン以外はほぼ今のトッププレイヤーですね。その中でベスト8に残っているのですごく良かったですし、フォーマットが味方した部分もあったと思います。
——PBSの種目はテンボールで、予選が1セット4ラック先取、2セット先取、決勝が3セット先取ですよね。
河原:そしてシュートアウトがポイントの1つで、この試合では上手く勝てていました。PBSがあのフォーマットになった時から格上に対しては、とりあえずシュートアウトを目指して、シュートアウトになったら絶対勝つという戦い方をしていました(シュートアウトのルールはこちら)。
——そうだったんですか!
河原:はい、シュートアウトになったら後は入れるだけ、シュートの戦いだけになるので、それならチャンスはあるかなと。1年前までは、やはり技術面でトップ選手にはまだまだ劣ってるなということは感じていました。
——ではPBSのあのフォーマット自体は嫌いじゃないと。
河原:嫌いではないですけど、1年前に比べるとシュートアウトに対する考え方は変わってきました。今は怖さが分かってきたというか、シュートアウトが一番心拍数が上がるんですよね。逆に言えば「これで勝負が決まるのか」という考えも出てきてて、シュートアウトに持ち込まないようにいかに勝てるかという方向性になってきてますね。
——それは強くなったからですね。
河原:確かに。自分がレベルアップしていて、トッププレイヤー相手に自分のプレーが通用するようになってきているのを感じているのもあると思います。
2025年の海外初戦は5位タイ発進
——実際トップ選手はこのフォーマットがあまり好きではない場合が多くて、だけど、それに挑む側は「いいじゃんシュートアウト、勝てるかも」みたいなマインドが多いですよね。だから河原さんが格上になってきたってことだと思います。
河原:そうだったらいいんですけど(笑)。そう言えば昨年はPBSのフォーマットでやることが多かったですけど、チャイナオープンで久々にラック先取の試合をして、私自身はこちらのフォーマットの方が整えやすいなとは思いました。
——整えやすいというのは?
河原:ラック先取では自分の取った1点が絶対無駄にならないですよね。プレデターのあのフォーマットは、頑張って頑張って取ったラックが無駄になってしまう結果もあり得るのでちょっと試合の流れやメンタルの浮き沈みが大きくなってしまうっていうのもあります。
——通常のフォーマットだとそれが追い上げの1点なのか、同点に追いつくのか、引き離すのか、どちらにしても意味ある1点ですよね。
河原:PBSでは1セット目を取って、2セット目も先にリーチかけたとしても、その最後の1点を取らなければ点数が無効になってしまい振り出しに戻ってしまうので、気合いの入れ所が今ひとつ難しいですね。でも今年もこれが多いわけですから気に入っていかないといけませんね。
——そして海外2戦目はWPAのランキング対象試合にもなっている6月のWPBAでした。この試合は今では珍しくなった完全ダブルイリミネーション(※プレーオフなし)ですね。
河原:はい、今はナインオンフット、ブレイクボックスなしのフォーマットで、8ラック先取で決勝に行くまで完全ダブルという、めちゃくちゃタフな試合なのですが、私はかなり好きでこのフォーマットで優勝したいなとは思っています。
——この試合では13位タイでしたが、河原さんのWPBAでの最高成績は?
河原:確か最高は4位です。
——その後は7月にWPBAが運営を担当した女子エイトボール世界選手権でした。この試合は9位タイフィニッシュでしたが、エイトボールどうですか?
河原:エイトボールもやはり入れ合いというより、いろいろな技術、そして戦略が必要になるので好きですし、この大会でも勝ちたいと思っています。
——普段はなかなかプレーしないゲームですが大会前はかなり準備したんでしょうか?
河原:はい、この試合は確か1年弱くらい前から、来年開催しますとアナウンスされていたので、それを聞いた瞬間から、極力エイトボールも練習するようにしました。確かに普段あまりプレーしていなかったので、自分よりエイトボールへの理解が深い方に一緒に撞いてもらって、教えてもらってという感じでした。ただやはり練習頻度でいうとそこまで高くなかったので、それだけでは足りていなかった感じでした(以下次回に続く)。












