【ビリヤードプレイヤー・ファイル】JPBA小西さみあプロ編_02
これからという時期のコロナ禍、そして覚悟を決めた初優勝
Billiard Web CUE’Sがピックアップした、今年活躍したプロプレイヤー、将来が期待される注目プレイヤーのインタビューをお届けしていく「ビリヤードプレイヤー・ファイル」。その2人目は、2025年はランキング対象公式戦3勝、11月には日本最高峰のビリヤードトーナメントである全日本選手権を初制覇し、名実ともに日本のトップ女子の1人となった『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属の小西さみあ。
●プロフィール
名前:小西さみあ(こにし さみあ)
生年月日:1994年1月18日(31歳)
所属(プロ入り年):2018年(JPBA52期生)
出身地:東京都
JPBA公式戦優勝数:9
スポンサー:日勝亭、BRUNSWICK、斬tip、MEZZ、EXCEED、肉球会、Zeke
2018年にプロ入りし、翌年には早々に初優勝と順風満帆なスタートを切ったかに見えた小西プロだが、ここから成績は伸びず、その後に突然のコロナ禍という逆境も訪れる。しかし公式戦のない2年以上の日々を乗り越え、トーナメント復活の2023年開幕戦で2度目の勝利を挙げる……。今回は、彼女のプロとしての地力が養われた重要な時期を振り返る。
【ビリヤードプレイヤー・ファイル】JPBA小西さみあプロ編_01
●今勝たないで、いつ勝つんだろう
——プロになって、同じ土俵で戦うようになって、初めて感じたことは何かありますか?
小西:そうですね、難しいんですけど、プロになる直前に色々な方に相談した時に「なってみないとわからないことがあると思う」と言われていました。実際なってみると、まず「プロ」と付くだけで周りの見方が、アマチュアで好きでやってる人から、プロとして仕事としてしっかりやる人、という目線に変わるプレッシャーもありましたし、自分自身も「ちゃんとプロらしくあらねばいけないな」というのを考えながら試合に出ていたりしたので、ちょっとテンパっていたりとかもあったんですが、身はしっかり引き締まって試合に臨めていたなとは思います。
——プロ入りした時に何か目標はありましたか?
小西:それまでは「上手くなりたい」がベースだったんですけど、「勝つこと」を目標にするようになりました。ランキングなどもつきますし、数字に出る部分が色々あるので、そういうところを重視した考え方をするようになりました。「やっぱりプロなら上を目指さないと」と思いながら目標を立ててやっていました。
——そしてプロ2年目の2019年に、全日本女子プロツアー第1戦で早々の初優勝を飾られました。初優勝までの道のりはどうでしたか?
小西:はい、優勝は早いうちにしたいという気持ちはありました。早めに実績がある方が自信がつくかなというイメージがあったので。1年目はデビュー戦(全日本女子プロツアー第1戦)ともう1試合(全日本女子プロツアー第3戦)で3位タイに入ったんですが、決勝に進めなかったのが結構焦りというか……。まだまだ全然焦る立場でもないんですが、自分の中で厳しいなと感じたり、「勝たなきゃいけない」と少し張り詰めすぎてしまったりしました。そんなことを感じながら1年間やって結局優勝はできずで、やっと2年目に、運気も回ってきてチャンスが巡ってきて結果が出てくれて、一安心しました。
2019年、プロ入り2年目で初優勝(写真提供:On the hill!)
——初ファイナルでの初優勝、そしてこの年はランキングを6位に上げましたが、翌年にコロナ禍で試合がなくなってしまいました。
小西:そうですね、初優勝した京都の『POOL BLOW』さんで2020年も全日本女子プロツアーをやる予定だったのですが、ちょうど直前で無くなってしまったりしました。
——その時はモチベーションの維持も大変だったのでは。
小西:はい、ちょっと燃え尽き感がありました。「試合、なくなっちゃったな」と、モチベーションがなかなか上がりませんでした。
——試合のない期間は長かったですが、どのように過ごされていましたか?
小西:最初の時期は本当に自粛していました。丸2ヵ月くらいは全く撞かなかったですし、外にも出ないようにしていました。仕事も完全リモートに移行したので、ずっと家にいました。時にはビリヤード動画を見たりしていましたが、その後JPLのチーム戦を開催してくださったり、女子もYouTubeイベントという形で試合を2、3試合開催してくれたりしましたので、その辺りからやっと元気が出るようになってきました。本当にコロナ期間中は不安でしたけど、きっといつかできると思いながら、徐々に自分のモチベーションも上げていけたかなと思っています。
2021年、JPBA有志とその協力者によって立ち上げられた団体リーグ戦『JAPAN POOL LEAGUE』に参加
——そしてトーナメントがようやく完全復活した2023年からは勝利が増えていきましたね。まず4年ぶりの優勝となったシーズン開幕戦の関西レディースオープンは、どのような気持ちで臨まれたのでしょう。
小西:前回優勝してからだいぶ時間が空いて、優勝した安心感からなのかはわからないですけど、1回優勝した後に成績があまり良くなくて、何かグッと行き切れない感じの中でコロナになってしまったので、関西レディースには、自分の中で「今勝たないで、いつ勝つんだろう」という決意というか、しっかり腹を括って臨めたかなと思っています。
2023年、シーズン開幕戦で4年ぶり2度目の優勝を果たす(写真提供:On the hill!)
——その「腹を括った」というのは具体的には?
小西:「プロだからこう見られないといけない」みたいな、自分の中での余分な部分を捨てて、「ちゃんと球に向き合おう、初心に戻ろう」と。そういう気持ちで始められたのが、結果的に良かったのかなと思います(以下次回に続く)。












