ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

【ビリヤードプレイヤー・ファイル】JPBA小西さみあプロ編_01

2025.12.25

アートの道とプロの世界。小西さみあがキューを選んだ日

Billiard Web CUE’Sがピックアップした、今年活躍したプロプレイヤー、将来が期待される注目プレイヤーのインタビューをお届けしていく「ビリヤードプレイヤー・ファイル」。その2人目は、2025年はランキング対象公式戦3勝、11月には日本最高峰のビリヤードトーナメントである全日本選手権を初制覇し、名実ともに日本のトップ女子の1人となった『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属の小西さみあ。

●プロフィール
名前:小西さみあ(こにし さみあ)
生年月日:1994年1月18日(31歳)
所属(プロ入り年):2018年(JPBA52期生)
出身地:東京都
JPBA公式戦優勝数:9
スポンサー:日勝亭、BRUNSWICK、斬tip、MEZZ、EXCEED、肉球会、Zeke

2024年に年間3勝を挙げトップランカーとしての地位を確立した小西プロ。幼い頃からキューを握り、ジュニア時代から海外でも活躍した経歴を持つ彼女だが、プロの道を歩むと決めるまでには様々な想いがあった。今回は彼女のビリヤード人生の原点、そしてプロの道を選ぶまでの軌跡を辿る。

●勝ち負けよりは「上手くなりたい」という方に興味があった

——まずは小西プロがビリヤードを始めた年齢ときっかけを教えてください。
小西:10歳ぐらいの時に、初めてビリヤードに触れました。父がちょうど学生の頃が四つ玉などが流行っていた世代で、遊びでやったことがあったらしいんです。私がビリヤードとは関係ない、アイススケートやテニスなどが入っているスポーツ施設で遊んでいたら、たまたまビリヤードもありまして。私がスケートなどで遊んでいる間に、両親が「ちょっとやってみるか」となり、そこに途中から参加させてもらって「やってみよう」ということになったのが一番最初です。

——ご両親もプレイヤーという訳ではなく、あくまで趣味で楽しまれていたのですね。
小西:父だけですね。母親も私と同じ時に初めてやったみたいでした。

——初めて触れてみて、どんどんのめり込んでいったのですか?
小西:本当に最初は遊び感覚でやっていました。そのうちにビリヤードはやらない兄が「近くに山水ビリヤードというビリヤード場があるよ」と教えてくれて、遊びに行ったら、その時スタッフだった女性が松野(剛明/JPBA)プロやお店の方々を紹介してくださったりして、だんだんとプレーするようになりました。

——では、その時から割と好きになったというか、面白いと思ったということですか?
小西:いえ、全然好き嫌いの感情とかはまだ無かったです。松野プロに習う前に、ビッグボックスにもまだビリヤードがあった頃に、グループ レッスンを開催していて、それを父に勧められて、習い事感覚で通い始めました。「週のこの日はビリヤードを習う日」みたいな感じで始めたので、まだ好き嫌いが出る頃ではありませんでした。

松野プロからは現在も定期的にフォームチェックを含めアドバイスをもらっている

——その気持ちが変わったきっかけは、やはり松野プロにレッスンを受けるようになった頃からですか?
小西:そうですね。それと、C級戦やB級戦といったハウストーナメントに出て、試合が楽しかったり、勝てたら嬉しかったりしたこともきっかけですね。もともと集中して何かをやっていくことは好きで、松野プロも、小学生の自分でも理解できるようにかなり根気強く教えてくださったので、ちょっとずつ楽しくなってきた感じですね。

——中学に入ってからは、より競技として意識するように?
小西:はい、その頃からはレッスンも毎週やりながら、試合に出て頑張れるようになっていこうかなと思い始めました。勝ち負けよりは「上手くなりたい」という方に興味があったので、そちらを重視して練習していこうという感じになりました。

——その頃は、まだ「好き」という感覚ではなかったですね?
小西:「好きだったか?」と聞かれたら、まだそこまでなっていなかったと思います。はっきりとは多分言えなかったと思いますね。同世代も全然いなかったですし、あとは環境的にまだ喫煙がOKだったりとか、そういう面でちょっと厳しかった時はありました。

——そして、中学3年生の時には世界ジュニアで銀メダルを獲得されるなど、本格的に競技者としての道を歩み始めます。
小西:そのくらいからは、世界戦に向けて本格的に練習を始めて、この頃に今の自分の基礎になっている強いブレイクなども教わったりしました。

2008年、日本のジュニア女子プレイヤーとして初めてのメダルを獲得(写真提供:NBA

——その頃、プロになろうという目標はありましたか?
小西:それはもう全然思っていませんでした。やはり「学業を優先で」ということを松野プロからも、両親からも言われていました。もちろんビリヤードだけの道もあったとは思うんですが「学業を終えてから将来のことを考えても全然遅くないよ」ということだったので、両立させながらという感じでした。なので、上手くなりたい、試合に出たら頑張って自分の球を撞けたらいいな、という気持ちでしたね。本当にビリヤードが好きになったのは高校生くらいからだと思います。

——その後、大学に進学されても学業を大事にされていたんですね。
小西:そうですね。美術も好きだったので、そっちの絵を描いたりとかCGの勉強とかも大学で専攻していました。本当に卒業するまでは全然プロになるとか、どうしようかとかはあまり考えてなくて。卒業する前に、みんなが就活を始める頃に考えて、ちょっと長い間悩みながら過ごしてました。

2014年、大学在学中にはチョークのみで作品を作るCUE’S誌上企画に協力していただいた(作品『撞く人』はこちら

——プロ入りが2018年、24歳の時です。その頃はお仕事もされていました。
小西:はい、今も同じ会社に務めています。2018年だと社会人2年目ですね。アマチュアの公式戦にも出ながら、自分でも生活の基盤を作っていく、自立できるように練習もしながら仕事をしてっていう感じでした。

——最終的にプロになろうと決めたきっかけは何だったのですか?
小西:アマチュアの全国タイトルである全日本アマチュアナインボール選手権での2度目の優勝と、全国アマチュアポケットビリヤード都道府県選手権を連覇ができたのが2017年で、その時にしっかり区切りをつけてプロになってみようと前向きに考えられるようになりました。区切りをつけるなら、行ける所までやってみようということで決めました。

2017年、全国アマチュアポケットビリヤード都道府県選手権で連覇を達成

●アマ時代の主な戦績:『2008年世界ジュニア選手権 女子の部』銀メダル、『2014年全日本アマチュアナインボール選手権』優勝、『2017年全日本アマチュアナインボール選手権』優勝、『2016年アマチュアビリヤード都道府県選手権大会』優勝、『2017年アマチュアビリヤード都道府県選手権大会』優勝(連覇)

——ただし、それは仕事もしながら、というのが前提だったんですね。
小西:そうですね、決めてました。お店をやっていたわけでもないですし、所属として勤めていたわけでもなかったので。あと、ビリヤード以外のことも自分の中では結構大事にしていきたいなという想いもありました。今の仕事でもある編集とか、美術に関わることをちゃんと続けていきたいなと。ちょっと欲張りなんですけど、色々な所で人生経験を積みながらビリヤードをしたいなと思っていました(次回に続く)。

ページトップへ
×

― ビリヤード関連組織・団体 ―