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JCLがファーゴレートでナインボール

2024.04.24

2024 SAKURA シングルス@東京・サンビリ荻窪店

アマチュア最高レベルのナインボールバトルである『第32回球聖戦 球聖位決定戦』、Bクラス限定の『第1回オールジャパンスプリングカップ』が行われた4月21日(日)、東京・荻窪の『サンビリ荻窪店』を会場に、『Fargo Rate』(ファーゴレート、以下FR)を使ったハンデ設定と独自のルールで、初心者から上級者までがクラス関係なしに同じ土俵で競い合う初めてのトーナメントが開催された。

この大会を主催したのは、アメリカを中心に展開している『USA Pool League』(USAPL)の日本最初の地域リーグとして昨年6月にスタートを切った『JAPAN CSI POOL LEAGUE』(JCL)。現在JCLは日本で唯一、FRでハンデを設定したポイント制のエイトボールを種目にリーグ戦を行っているが、今回JCL初の個人戦ではナインボールが採用された。

大会には上級者から初心者までの72名が出場した

JCLナインボールの基本的なルールは、エイトボールと同じくポイント制で、①〜⑧までが1点、⑨は14点で計算される。そのラックで⑨を落とされた側のプレイヤーには、そこまでにポケットしたボールの点数が入り、⑨をポケットしたプレイヤーには⑨の14点だけが入るというもので、ラックの敗者が⑧までを入れて⑨をミスしてしまった場合には8点が入り、そのラックは14-8となる。

試合は、対戦者同士のレーティング差によって算出されるそれぞれの目標点に先に達したプレイヤーが勝者となる。例えばFR:569 vs FR:578なら目標点は39 vs 41と拮抗し、FR:590 vs FR:250のような上級者と初心者の対戦の場合は41 vs 15とかなりのハンデとなり、FR:250のプレイヤーは⑨を1回ポケットし、後1個入れれば目標点に達することとなる。

大会で使われたスコアシート。目標点数14点のプレイヤーが⑨を入れて勝利

今回のトーナメントに出場したのは、FR:184〜FR:668までの72名で、まずは4名×18組に分かれて総当りのリーグ戦を行い、各組上位2名が勝者側のトーナメントに進み、下位2名は敗者側のトーナメントに進むフォーマットで戦われた。

上級者にはかなり厳しいハンデは、言い換えれば初心者にも十分に優勝のチャンスがあるということで、実際、今回勝者側のベスト8に残ったプレイヤーの最高FRは518で最低が307と初級者から中級者が勝ち上がる結果となった(ベスト8は以下)。

優勝:Takayuki Kawamoto(518)
準優勝:Yukie Minowada(476)
3位タイ:Kousuke Kidou(384)
3位タイ:Jin Minowada(339)
5位タイ:Yusuke Tanaka(307)
5位タイ:Kaori Matsuura(367)
5位タイ:Eisuke Tsuda(449)
5位タイ:Yuri Fukuoka(431)

優勝:Takayuki Kawamoto

準優勝:Yukie Minowada(476)

3位タイ:Jin Minowada(339)

3位タイ:Kousuke Kidou(384)

現在日本で最も浸透しているプレイヤーのクラス分けは「SA→A→B→C→ビギナー」の5段階で、例えばハウストーナメントの「ABC戦」では、A5、B4、C3といったようにクラス毎にラックハンデを採用するのが一般的だが、同じAクラス、Bクラスといっても実際にはそのレベルの幅は広い。

この点で、今回のFRを使った2024 SAKURA シングルスは、レベルの違うプレイヤーが対戦する際、レーティング差を基準に「自分と相手」との細かな適正ハンデが設定できるため、結果を見てもわかる通り、完全な競技志向の大会とはまた違った、誰もが優勝を狙え、試合で勝つ喜びを感じられるトーナメントとなっていた。

JCL代表の関浩一氏によれば、現在JCLをプレーした経験を持ち、自身のFRを持つプレイヤーは500名ほどだと言う。また、日本や海外での試合結果が自動的に収集されているJPBAプロや独自に登録しているアマプレイヤーを含めても、まだまだ国内では自身のレーティングを持つプレイヤーは少ないのが現状だ。だが今大会の取材を通じて、トッププロからビギナーまで、全世界のプレイヤー共通の指標として機能しているFRは、活用次第でジャパンプールの活性化を助ける大きなツールとなる可能性があると感じられた。

写真提供/JCL

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