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【第52回全日本選手権SP_Vol.12】男子の海外勢注目選手?

2019.11.12
JPBA勢の前に立ちはだかるワールドクラスの選手達

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これまで『全日本選手権SP』では活躍が期待されるJPBAの男女ランキングトップ5(9月末時点)の選手を紹介してきたが、今回から第3回に渡り、『全日本』のタイトルを求めてはるばる日本へとやってくる海外有力選手達をご紹介していきたい。

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“撞球王子”柯秉逸(台湾)

毎年多くの選手が来日してくるお隣の台湾勢。やはりその中でも多くの注目を集めるのは柯秉逸、柯秉中のビリヤード界最強の兄弟だ。兄の柯秉逸は『撞球王子』というニックネームで知られ、ジュニア時代には’07年に『ジュニア世界選手権』で優勝を果たしている。『全日本』はこれまで’11年(?珈慶との同級生対決)、’13年(張榮麟との台湾トップ対決)と2度制している。’15年には『テンボール世界選手権』と『ナインボール世界選手権』の同時獲得を果たし、一躍ワールドスターの仲間入りとなった。今季はまだ国際大会での優勝は無いが、日本人選手達に取って脅威であることには変わりない。

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テンボール世界選手権にて。優勝直後の柯秉中(台湾)

一方、弟の柯秉中は未だ『全日本』制覇は無いものの、’10年に準優勝、’18年に3位タイの成績を残している。特に’10年は大会史上最年少ファイナリストとなる中学生で決勝の舞台に立った。そして今年は7月上旬に行われた『アジア選手権』の決勝で、兄の柯秉逸との兄弟対決を制して初のアジア王者となり、同月下旬には吉岡正登が3位となった『テンボール世界選手権』で、現WPAランキング1位のヨシュア・フィラー(ドイツ)に勝利し、優勝。たった一月足らずでアジア王者とテンボール世界王者の2冠を達成した。WPAランキングも7月以降一気に上昇し、11月12日時点で柯秉逸は9位なのに対し、柯秉中はフィラー、シェーン・バン・ボーニング(アメリカ)に次ぐ3位に位置している。

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アジア選手権では柯秉中に軍配が上がった

そして今年は3兄弟の末っ子である柯秉漢(カーピンハン)もエントリーしている。センスは兄弟の中で1番という声もあり、現在2人の兄と共に、原石からダイヤへと進化を遂げるべく、多くの国際大会で経験を積んでいる最中だ。柯秉漢にもぜひ注目してみて欲しい。

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カルロ・ビアド(フィリピン)

続いて台湾と並び、多くの選手を送り込んでくるのがフィリピンだ。今回は3選手をご紹介しよう。先ず1人目は’17年のナインボール世界王者のカルロ・ビアド。ビアドは’15年まで『全日本』の他にも『ジャパンオープン』や『関東オープン』にも出場していた日本に馴染みの深い選手だ。しかし近年は国際大会に多く出場しており、日本でビアドの姿を見ることができるのは『全日本』のみとなっている。直近の目立った成績で言えば’17年の世界選手権に加え、’15年には『テンボール世界選手権』で準優勝、’17年には『2017ワールドゲームズ』の準決勝で大井直幸を破り、決勝でジェイソン・ショウ(スコットランド)を撃破して優勝している。『全日本』は意外にも昨年の3位タイが最高成績となっている。

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レイモンド・ファロン(フィリピン)

2人目はレイモンド・ファロン。’14年に大井の『全日本』初制覇の夢を打ち砕いた選手で、’15年には『ジャパンオープン』にも出場しており5位タイの成績を収めている。今年は『USオープン』の前哨戦として開催された『WPAプレイヤーズチャンピオンシップ』にて、決勝トーナメントのベスト32で地元アメリカのスターであるコーリー・デュエルに勝利し、9位タイとなっている。

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ジェフリー・イグナシオ(フィリピン)

3人目はジェフリー・イグナシオ。未だ国際舞台でのタイトルは無いが、’14年に『チャイナオープン』準優勝、日本では’16年に土方隼斗を破って『関東オープン』優勝を果たしている。これまでの『全日本』では’13年・’14年に2年連続で5位タイとなっており、その後は’17年にも5位タイとなっている。今年の最高成績は『ラスベガスオープン』の敗者8回戦で、アレックス・パグラヤン(カナダ)に勝利し、7位タイ。イグナシオの最大の特徴はショット時の素振りの少なさにあり、1ショット平均1~2回ほどしかしない。そういった日本の選手には無い特徴やプレーを見ることができるのも『全日本』の魅力だ。

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‘トーステン・ホーマン(ドイツ)

最後はヨーロッパ。今回は”ヒットマン”と呼ばれているドイツのトーステン・ホーマンをご紹介しよう。ホーマンは言うまでもなく世界的名手であり、’03年に初の『世界選手権』優勝を果たすと、’06年には現在は行われていないが『14-1世界選手権』、’09年には『チャイナオープン』、’11年に『ワールドカップオブプール』(ペアはラルフ・スーケー)、’13年に2度目の『世界選手権』、’15年には『USオープン テンボール』優勝と、この他にも挙げきれぬ程のタイトル獲得・入賞を果たしている。『全日本』は’10年に、先ほどもご紹介した当時中学生の柯秉中に勝利し念願の初優勝を果たしている。この年は?仁親王殿下のご臨席を賜り、ホーマンは?仁親王牌を殿下から直々に授与された。

次回は女子の海外有力選手をご紹介したい。女子は台湾・中国からの参戦が主で、現WPAランキング1位の選手や、JPBAプロの紹介に何度も出てきた”世界最強の女”など、世界で名を馳せるアジアの超強力な選手が目白押しとなっている。そちらも合わせてチェックして頂きたい。

全日本選手権の組合せはコチラ

写真提供:On the hill! / JP Parmentier / CSI 2019

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