【第52回全日本選手権SP_Vol.7】JPBA男子トップランカー No.3
11月18日(月)より開催される『第52回 全日本選手権大会 ?仁親王牌』。長い1年の締めくくりである本大会は、国内で唯一にして最高峰の『SG1』グレードの大会で、頂点に立つことを誰もが一度は憧れ、夢見る舞台でもある。そこで今回は全日本の舞台で活躍が期待される男女JPBAランキングトップ5をご紹介していきたい。
男子のランキング3位は2040ptで川端聡。大阪府出身でプロ入りは’96年の29期生。20年以上に渡ってトップランカーとして戦い続けており、スピーディーなプレースタイルと迫力のあるショットから『ダイナマイトレフティー』の異名を持っている。川端の活躍は国内に留まらず、’98年にタイの首都バンコクで行われた『アジア競技大会』のエイトボールダブルスで銅メダル、’06年にカタールのドーハで行われた同大会ではエイトボールシングルスで日本史上初の金メダルを獲得。さらにその翌年には『第2回 ワールドカップオブプール』で大井直幸とペアを組み3位タイ入賞を果たしている。
9月末の『西日本グランプリ第5戦』優勝によって前身の『西日本プロツアー』から数えて西ツアー通算19勝目を記録した
今季の主な成績は『全日本14-1オープン選手権』・『西日本グランプリ第5戦』優勝、『北海道オープン』準優勝。これまでの『全日本』最高成績は’01年と’08年の5位タイ。’08年大会ベスト8で川端の前に立ちはだかったのは’01年に『世界選手権』優勝、’04年~’05年には『全日本』連覇、’08年に『USオープン』を優勝などの実績を持つフィンランドのミカ・イモネン。ちなみにニックネームは出身が北欧の国であることから『アイスマン』と呼ばれているが、プレー中に時折、顔を朱に染めてヒートアップしたりするなど、感情的な一面を持っている。
“アイスマン”ミカ・イモネン(フィンランド)。’08年は川端を撃破した後、準決勝で大井直幸も破り、日本勢を全滅させた
試合に話を戻すと、川端は「自分のできることを目一杯やるだけです」と意を決して、ワールドスターであるイモネンに真っ向勝負を挑んだ。しかし、序盤からイモネンのショットが冴え渡り、瞬く間に4-10とリーチをかけられ絶体絶命のピンチに。しかし次の第15ラックでイモネンがブレイクスクラッチとなり、九死に一生を得た川端はここから観客の声援を力に変え、取り切りから3ラック連取など持ち味の攻撃力が爆発。気付けばカウントは9-10。その頃には会場は川端ムード一色となっていたが、第20ラックで川端の?セーフティーをイモネンが縦バンクで沈めると、雰囲気は一変。その後は落ち着いて時間を使いながら残りの球を取り切り、11-9でイモネンの勝利。川端の逆転劇はあと一歩のところで叶わなかった。今年こそは自身最高成績を更新するベスト4以上を目指し、日本に川端ありということを示してもらいたい。
たくさんの応援を背に、今年もダイナマイト炸裂なるか
本誌’17年3月号のインタビューで川端は「たくさん応援に来てもらって、あれは本当に励みになります。(中略)声も拍手も聞こえていて、あれほど心強いことはありません。」と語っていたように、観客の拍手や声援は間違いなく選手達のもとへと届いており、長時間の戦いを乗り切る為のパワーとなっている。当日観戦に行かれる方は日本勢の躍進を願い、熱い応援を送って頂きたい。