【第52回全日本選手権SP_Vol.6】JPBA女子トップランカー No.3
11月18日(月)より開催される『第52回 全日本選手権大会 ?仁親王牌』。長い1年の締めくくりである本大会は、国内で唯一にして最高峰の『SG1』グレードの大会で、頂点に立つことを誰もが一度は憧れ、夢見る舞台でもある。そこで今回は全日本の舞台で活躍が期待される男女JPBAランキングトップ5をご紹介していきたい。
9月末時点のランキングで3位にランクインしているのは2420ptで平口結貴となっており、同ランキング4位の梶谷景美とは370ptの差が付いている。ちなみに梶谷が370ptを覆すには『全日本』で準優勝以上の成績を残さなければいけない。北海道出身でプロ入りは’16年のJPBA50期生、国内最年少の女子プロ。アマチュア時代にも数々の実績を残しており、’13年、平口が高校1年生の時に『ジュニア世界選手権』で準優勝。その後、現所属の『VIVA POOL』にてJPBAプロの鳴海大蔵がコーチとなり、’15年に『アマナイン』L級優勝(最年少優勝)、’16年にプロ転向直前となった『第8期 女流球聖位決定戦』で最年少女流球聖位となり、同年7月1日よりプロ入りを果たした。
ジャパンオープン優勝を決めた直後の大きなピース
プロとして大きく環境・立場が変わった中でも平口は物怖じすることなく、プロ3日目の『関東レディースオープン』、翌年の『ジャパンオープン』でどちらも国内女子最年少優勝記録を更新した。ランキングも初年度を除き、’17年から現在まで4位→2位→3位とトップ5以内を維持しており、現在では河原千尋、栗林美幸と並ぶ女子プロの3強となっている。
今季の成績は『全日本女子プロツアー第2戦』優勝、『関東レディースオープン』、『CPBAクイーンズオープン』、『大阪クイーンズオープン』、『東海レディースグランプリ』、『九州レディースオープン』準優勝と、6度も決勝の舞台に立っている。
今年も日本にやってくる”世界最強”陳思明。全日本の舞台で平口は借りを返せるか
平口の『全日本』最高成績は’16年、’17年の5位タイ。プロ入り初参戦となった’16年大会を振り返ると、ベスト32で土屋純子、ベスト16で谷山和子と先輩プロを連破してベスト8へ進出。そこで待ち受けていたのは’11年『女子ナインボール世界選手権』優勝、同年に10代にしてWPAランキング1位となった中国の陳思明。”世界最強”と呼ばれている選手を相手に、一時は7-4とリードを奪うなど健闘を見せていた。しかし、第12ラックで?のシュートがまさかのミスとなり、リーチとなるはずだったラックを落とすと、ここから陳は本領発揮し、1点も平口に与えること無く5ラック連取で試合を終わらせた。本誌連載の『平口結貴のやる気!元気!結貴!』でこの試合について「陳選手と私の間に感じる差はメンタル。(中略)あの場面からきっちり追い付いてくるところに強さを感じました。」と語っていた。
2019年。平口は更なる技術の向上と精神面を鍛えるべく、中国のランキングツアー戦である『CBSAツアー』へと積極的に参戦。すでに2回出場しており、1回目は6月に行われた『泰順戦』、2回目は10月に行われた『北京・密雲戦』。どちらも世界のトップ選手が多く参戦している大会だったが、平口は名前負けすることなく、堂々としたプレーでトーナメントを勝ち進み、両大会共に3位入賞を果たしている。特に『泰順戦』は3位決定戦が行われ、’09年の『女子ナインボール世界選手権』で最年少世界チャンピオン(当時16歳)であり、’14年・’15年には同大会連覇を果たしている劉莎莎(中国)に勝利しての銅メダル獲得となった。
今年は女子もWPAランキング対象戦となり、海外勢も上位に入るべくより気合いを入れて臨んでくるだろう。海外戦等で培ってきた経験を武器に、最終日に平口の大きなピースが見られることを期待するばかりだ。