世界からトップスターが集うビリヤード競技がスタート
第12回ワールドゲームズ 2025 成都大会情報③

8月7日(木)、中国・成都を舞台にした『第12回ワールドゲームズ』が開幕した。4年に一度、夏季オリンピックの翌年に開催されるこの大会は、オリンピックに採用されていない競技種目による国際総合競技大会で、今回は約100の国と地域から集った約4,000名アスリート達により、34の競技でメダルが争われる。
ビリヤードスポーツについては、2001年の第6回秋田大会で採用されて以来、これまで6回連続で正式競技となっており、今回も『世界ビリヤードスポーツ連合』(WCBS)が統括し、10日〜14日(日〜木)の5日間の日程でキャロム(男子、女子)、プール(男子、女子)、ヘイボール(男女混合)、スヌーカー(男子、女子)の4種目7カテゴリーでメダルが争われる。
●プール(男女テンボール)
男女ともに出場選手は以下の12名で種目はテンボール、男子は9ラック先取、3名×4組に分かれた予選リーグを行い、各組上位2名が勝ち上がり、8名による決勝トーナメントが行われるフォーマットとなっている。今回は残念ながら日本代表の出場はないが、FargoRate世界ナンバーワンプレイヤーのジョシュア・フィラー(ドイツ)を始め、FR800overプレイヤーが8名参戦している。なお、本来ならメダル争いの中心となる存在だった、先日急逝した台湾の張榮麟(FR:837)に替わる選手には、謝佳臻が選ばれている。

一方7ラック先取で行われる女子は、最強国フィリピンのツートップ、ルビレン・アミット & チェスカ・センテノ、地元中国の韓雨 & 劉莎莎、そして昨年の女子テンボール世界選手権で初の世界タイトルを獲得したクリスティーナ・トカチがメダル争いの中心となるだろう。

韓雨には地元の期待が集まる
●ヘイボール(男女混合)
今大会で初めて採用された注目の種目の出場選手は男女16名となっており、予選ラウンドは5ラック先取、ダブルイリミネーションで戦われ、勝者側4名、敗者側4名の計8名が5ラック先取、シングルイリミネーションの決勝トーナメントを戦うフォーマットとなっている。
開催国である中国からはヘイボールのスペシャリストである石漢青、劉鑫、唐春暁、張泰藝といったプレイヤー4名が出場しメダル独占を狙う状況となっているが、wnt.プロでもあり、ヘイボールトーナメントにも積極的に参戦しているジャスティン・サジッチ(オーストラリア)、プールを主戦場とするアメリカ代表のコリー・デュエルとエイプリル・ラーソンらがどのような戦いを見せるかも注目ポイントだ。

男女混合で争われるヘイボール、その中で唐春暁は堂々のメダル候補だ
●キャロム(男女スリークッション)
先日『第12回ワールドゲームズ 2025 成都大会情報②』でお伝えした通り、8名が出場する女子スリークッションには唯一の日本代表として、『日本プロビリヤード連盟』(JPBF)所属の宮下綾香が出場する。

12名が出場し、40点ゲームで戦われる男子スリークッションは、予選リーグ、決勝トーナメントともに男子テンボールと同様のフォーマットで戦われる。ここにはスリークッション世界選手権を5度制覇しているディック・ヤスパース(オランダ)を筆頭に、韓国のチョ・ミョンウ、ベトナムのトラン・クイェット・チエン、トルコのタイフン・タスデミールらのトッププレイヤーが揃い、彼らを中心にしたハイレベルなメダル争いが予想される。

60歳となった今もワールドトップスターとして活躍するヤスパース
●スヌーカー(男15レッド、女子6レッド)
男子12名、女子8名が出場するスヌーカーは、男女ともに2フレーム先取で、男子はキャロム、男子テンボールと、女子は女子スリークッションと同様のフォーマットで戦われる。
この種目にはワールドスヌーカーで活躍するトップスターは出場しないが、『国際ビリヤードスヌーカー連盟』(IBSF)が主催する『スヌーカー世界選手権』で4度の優勝を誇るムハンマド・アシフ(パキスタン)、『女子スヌーカー世界選手権』を9度制覇しているウェンディ・ヤンス(オランダ)、2024年、2025年の世界スヌーカー女王である白雨露(中国)などトッププレイヤーが多数参戦している。

中国の新星、21歳にしてトップスターとなっ白雨露は
写真提供:WCBS