【プレイヤーズボイス】青木知枝、NISHIKIを語る〜第2回〜
驚愕のルーティーン「2年間タップを変えない」理由
前回のインタビューで、道具選びにおける独自の「合理性」を語ってくれた青木知枝プロ。しかし、彼女の口から飛び出した次の言葉は、多くのプレイヤーの常識を覆すものだった。連載第2回は、その驚愕のルーティーンを語っていただいた。
■交換サイクルは「2年に1度」
——メンテナンスのお話を伺いたいのですが、青木プロはどれくらいの頻度でタップを交換されていますか。
青木:重田代表にも「言っていいよ」と言われているのでお話ししますが……実は2年に1回です。
——2年ですか! プロプレイヤーとしては、かなり異例のスパンではないでしょうか。
青木:そうですよね。でも、撞いている量で言えば、通常のプロの数ヶ月分が私の2年分くらいには相当すると思うので、自分の中ではそこまで異常だとは感じていなかったんですけど。
——いや、それでも2年は驚きです。交換のタイミングも決まっているのですか。
青木:はい。愛知で開催される『東海レディースグランプリ』という試合で、2年おきに大会から帰ってきた翌日に変えています。スパンも完璧に「東海から東海へ」の2年間なんです。
東海レディースでは2022年と2024年に優勝
——2年後の同じイベントで交換する。非常に明確なサイクルですね。
青木:たまたまそうなっちゃったんですけどね。でも、その間、タップの状態が本当に変わらないんですよ。
■「横が出ない」――NISHIKIが支える究極の安定性
——2年間も使い続けて、形が崩れる(横に膨らむ)といった不具合は出ないものなのですか。
青木:それが、出ないんです。NISHIKIに変えてから一番驚いたのは、とにかく「横が出ない」こと。
——積層タップにありがちな「膨らみ」がほとんどない、と。
青木:はい。以前のタップだと、硬いものでも多少は膨らんでくるので削る必要がありましたが、錦はそれがない。この2年間で形を整えるために削ったことも、ほとんど記憶にないくらいなんです。
——それはタップの品質として特筆すべき点ですね。
青木:それと、打感が「硬化」しすぎないのも凄いです。使い込んでいくうちに馴染んでいく感覚があって、主人(青木亮二プロ)などは「最初より柔らかくなってるんじゃない?」と言うくらいです。
——馴染んで、自分の感覚にフィットしていく。それが2年使い続けられる秘訣なんですね。
■「終わり際」に宿るショットの確信
——2年も使うと相当薄くなりますが、R(アール)の調整はどうされていますか。
青木:整形らしい整形は一切しません。私、チョークを凄くたくさん塗る方なので、その摩擦で自然に削れていくんです。
——チョークによる摩耗が、自然なメンテナンスになっている、ということですか。
青木:そうです。自分の手の癖と、チョークの付け方が合っているのか、自然に良い形になっていくんです。それで2年経つと、もう先角(コツ)を傷つけそうなくらい薄くなるんですけど。
取材当時に青木プロが使用中だったブラックH
——そこまで薄くなると、さすがに変えたくなりませんか。
青木:いえ、実はその「終わり際」が一番好きなんです。
——その薄さが「最高」だと感じる。
青木:音が最高に良くなるんです。行ける気もするし、球が入る気もする。キューが可哀想、と思うギリギリの厚みの時が、一番パフォーマンスが出る気がして。
——極限の状態にこそ、研ぎ澄まされた打感があるということですね。
写真提供:NISHIKI BRAND、On the hill!
取材協力:Link和光市店













