【ブランド・ストーリー003】Naolly(ナオリー)
結実したプロの感性と革への深い造詣。そして「純粋な一撃」の追求へ
Billiard Web CUE’S Special Edition第13弾「これがビリヤードワールドだ! 2026年夏!」の中で、国内外の有力ブランドが持つ独自の哲学や製品開発の裏側にスポットを当てる「素晴らしきビリヤードアイテムブランド!」。その第3回に登場するのは、プレイヤーに寄り添う独自のプロダクト展開で国内外のユーザーから支持を集める「Naolly(ナオリー)」。
キューグリップ用の革専門店として産声を上げて以来、タップ、チョーク、そしてキュー、カーボンシャフトと、プレイヤーのフィーリングに直結するパーツから着実にその領域を広げてきた、気鋭のジャパニーズブランドだ。
■プレイヤーの指先を知る、革のスペシャリストの視点
Naollyのプロダクトの根底に流れるのは、代表である井上直美さんの稀有なバックグラウンドだ。井上さんはJPBAの女子プロプレイヤーとして公式戦3勝を挙げた戦績を持ち、現在も国内トップアマの1人としてプール、キャロム両方のトーナメントにも積極的に出場。同時に長年にわたり多種多様な革の素材に触れ、その目利きから加工までを熟知してきた、文字通りの「革のスペシャリスト」でもある。
当初、グリップレザーの専門店としてスタートした際も、良質な革を見極める確かな目と、プレイヤーとしての鋭い感性を融合。厳選された最良の部位のみを使用するその不変のスタイルは、瞬く間に国内のトッププレイヤーたちの間で評判を呼んだ。
Naolly tipは開発にじっくりと時間をかけて登場
さらに昨年は最新作として「Crest」を発表
その後、素材の選定から加工、タップ製作に至るまでの全てを国内で完結させる「メイド・イン・ジャパン」の積層タップ「Naolly Tip」の開発に着手。開発段階から北谷好宏・英貴兄弟や栗林達・美幸夫妻といった、ビリヤード界を代表するトッププレイヤー(Naollyライダー)たちによるテストとフィードバックが繰り返された。こうして誕生したプロダクトは、現在では国内外の多くのプレイヤーが厚い信頼を寄せる「武器」となっている。
■誤差を排除し、”純粋な一撃”を実現する独自の設計思想
Naollyのものづくりは、パーツの提供に留まらず、2025年にはキューそのものを開発する「Naolly evolution」へと結実した。
そのコンセプトは、「パフォーマンスを阻害するあらゆる無駄を削ぎ落とし、”純粋な一撃”を実現すること」。インパクト時に発生する微細な振動のムラやエネルギーの伝達ロスを徹底的に排除するための構造を追求。最新のカーボンシャフトが主流となりつつある現代において、あえて高密度の「スーパーエリート材」を用いた木製シャフトを世に送り出すなど、素材の特質を最大限に活かしたプロダクトは業界に新たな風を吹き込んでいる。
Naolly evolutionを使用するプレイヤーは増加中
現在Naolly evolutionはオーダーも受け付けており、国内だけでなく海外からの注文で製作されたモデルもプレイヤーから高い評価を受けている。
<4月にはアメリカの『Super Billiards Expo』に参加
5月には参加3年目となる中国・広州で開催された世界最大のビリヤード見本市『GBE 2026』で過去最大規模のブースを出展
■「勝利」の前に「勝てる状態」を。Bectorに込めた想い
そんなNaollyの最新作がカーボンシャフト「Bector」。航空機に使用されるハイクオリティなカーボン素材を使用した新シャフトは、グローブ要らずのプレイヤーファースト設計であり、名称が「Vector(V)」ではなく「Bector(B)」であることにも、ブランドの哲学が色濃く反映されている。
ここにある「B」は、Before(積み重ねてきた時間)、Build(磨き続ける技術)、Base(揺るがない土台)の3つを指す。「最初からVictory(勝利)を掲げるのではなく、まずは勝てる状態をつくることを大切にしたい」。この真摯なメッセージこそが、Naollyがプレイヤーに愛される本質的な理由と言えるだろう。
道具を単なる消耗品ではなく、勝利を積み重ねるための確かな「Base」として定義するNaolly。その探求の軌跡は、日本のビリヤードシーンをより豊かで情熱的なものへと変えようとしている。













