男子は内垣建一、女子は丸岡文子が優勝
第31回東海グランプリ&第26回東海レディースグランプリ@愛知・岐阜
内垣(写真右)は9年振り、丸岡は4年振りのランキング対象公式戦優勝となった
夏休み目前にした7月の週末、今年も「第31回 東海グランプリ & 第26回 東海レディースグランプリ」が開催された。今年は岐阜市郊外の大型商業施設、カラフルタウンが決勝会場。商業施設での特設といえば、筆者にとっては2015年までニッケパークタウンで開催されていた兵庫オープンが懐かしい思い出だ。
今回は吹き抜けのある屋内スペースにテーブルが6台設置され、2階の手すり越しにフロアを見下ろせば全テーブルが見渡せる絶好の観戦環境だった。買い物に訪れた一般のお客さんが甲高い音を響かせる非日常空間に驚いて、思わず脚を止めてプレーに見入ってしまうのも商業施設特設ならではの光景だ。また、写真を見て頂ければ一目瞭然なのだが、ポケットはかなり渋い。新羅紗で滑るとはいえ、前日までの店舗コンディションとは雲泥の差があるから、技術と共に対応力が試されるのも特設の舞台の特徴と言えるだろう。
決勝の舞台となった『カラフルタウン』特設会場
写真上がコーナーポケット、下がサイドポケット
今回は男子が192名、女子が64名のエントリーが集まっての開催。男子はフルエントリーに届かなかったが、女子はいつものようにキャンセル待ちが続出だった。男女合わせた予選会場は実に12ヶ所。そのうち、特設テーブルで撞く権利を得られるのはわずか24名に過ぎないのだ。
最近の女子はランキング上位を独占する「MEZZ 四天王」が入れ替わりで優勝する傾向が強いのだが、東海に関していえば、一昨年が青木知枝の優勝で準優勝が谷みいな、去年が奥田玲生優勝で準優勝が府川真理と、MEZZ勢以外の活躍が目立つ大会となっている。そして、その傾向は今年も続いていたようだ。
まずベスト32で第2シードの小西さみあが女流球聖西日本代表経験のある地元の吉見佳世に苦杯を喫し、第3シードの栗林美幸も丸岡文子に1点も取れずに敗れてしまう。ベスト16ではベスト8最後の一枠を決める戦いで、第1シードの河原千尋が神奈川のアマチュア、小出静香に4点に抑えこまれてしまった。そして唯一決勝日に進んだ平口結貴も、初戦のベスト8で梶谷景美に敗れてしまい、3年連続でMEZZ勢がいない決勝が確定してしまう。
ベスト4は梶谷景美 vs 黒澤杏、丸岡文子 vs 府川真理という顔合わせとなり、ランキング最上位は14位の丸岡だった。23年12月にプロ入りした黒澤は今回が初めての決勝日残り。同期は小田崎愛子と谷みいなで、ここまでは二人に結果で黒澤だったが、初の決勝日特設というプレッシャーのかかる状況ながら、ベスト8でも小出静香に勝って初の表彰台を確定させたのはお見事の一言。勢いのままにファイナルまで駆け上りたかった黒澤だが、百戦錬磨の梶谷の壁は厚かった。梶谷が6-4で黒澤を倒し、23年ジャパンオープン以来の決勝進出を決めた。
3位タイ:府川真理
3位タイ:黒澤杏
もう一つのベスト4は丸岡が府川とのヒルヒルを制して、優勝した22年全日本女子プロツアー第1戦以来の決勝へ。ちなみにその時のベスト4でヒルヒル勝ちした相手が梶谷だった。共に久々となった決勝の舞台。試合は最初のラックで丸岡が⑨をとばしてビハインドとなるも、ミスを引きずることなくすぐに逆転してリードを拡げ、6-3で4年ぶりの優勝を掴み取った。前週のアジア選手権でもベスト16入りした丸岡、これからのブレイクに期待したい。梶谷は勝っていれば実に10年ぶりのツアー優勝だったが、あと一歩及ばず。
準優勝:梶谷景美
丸岡は海外戦での経験を活かしプロ通算2勝目
女子に劣らず、男子も波乱の予選結果となった今回。第1シードの土方隼斗から第9シードの杉原匡までで、決勝日ベスト16に残ったのはなんと第2シードの羅立文のみ。また、東海に強いフィリピン勢、昨年の覇者ポール・ジョン・オルテガはベスト64で浅野正人に、一昨年の覇者アントニオ・リニングはベスト32で木原弘貴にそれぞれ敗れてしまった。
そんな混戦模様の決勝日、世代の離れた二人が決勝に駒を進める。第11シード、地元愛知の神箸渓心は数日前のアジア選手権9ボールで5位タイ。ベスト8では柯秉逸に対して一時は5-1とリードしていただけに悔しい敗戦だった。その鬱憤を晴らすように、ベスト16では同世代の林武志を競り落とし、ベスト8では栗林達を倒した北谷英貴を撃破。ベスト4では全国オープンで抜群の安定感を誇る羅立文に逆転勝ちしてみせた。
3位タイ:羅立文
3位タイ:飯間智也
神箸のファイナル進出は優勝した24年GPイースト第4戦以来になる。もう一人のファイナリストは予選最終で第7シードの北谷好宏をヒルヒルで倒した内垣建一だ。内垣はベスト16で今年の関東オープンファイナリストの木原を倒し、ベスト8では昨年のジャパンオープンベスト16のラファエル・ダブレオに勝ってベスト4入り。そこで待っていたのが内垣にとって忘れられない対戦相手、あの時の飯間智也だ。そう、2022年ジャパンオープン決勝で二人は激突。特設の10ボールという同じ条件でヒルヒルの死闘となったが、わずかの差でG1優勝を手にしたのは飯間だった。それ以来となる二人の対戦は内垣が先行。飯間も追い上げたが届かず、JOのリベンジを果たした内垣が決勝へ進む。
準優勝:神箸渓心
神箸と内垣、年齢は親子ほど違う両者だが、共に先週はベトナムに渡ってアジア選手権を戦っている。過去の対戦では神箸が3連勝と分が良かったのだが、決勝はまず3-0と内垣がリードを奪う。すぐに2点返した神箸だったが、今回は内垣が気迫のこもったプレーで神箸を圧倒。上がり4連取で初の東海GP優勝をもぎ取ってみせた。内垣の公式戦優勝は2017年の関東オープン以来、実に9年ぶりだったとは驚くしかない。
今年も国内外を問わずトーナメントに挑むベテランが嬉しい今季初勝利
男女共に久々の優勝という歓喜に沸いた今年の東海グランプリ。だが、暑い夏はまだまだこれから。そして、その暑さが落ち着いてくる9月の5連休に開催されるのが、次の全国オープン、G1ジャパンオープンだ。それまでちょうどあと2ヶ月。そう、体調を崩しやすい夏をどう過ごして自分をレベルアップ出来るかが勝敗を分けることになるだろう。2026年シーズンも既に折り返し地点を回ったところだが、11月の全日本選手権まで、プロ達の熱い戦いはまだまだ続いていく。
Text & Photo by On the hill!
大会アーカイブ撞画:JPBA YouTube
大会ライブスコア:Tokai Grandprix and Tokai Ladies Grandprix 2026/a>













