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小西さみあが公式戦2連勝で国内最終戦を飾る

2025.12.08

全日本女子プロツアー第3戦@京都・POOL BLOW、Y's

小西さみあは今シーズン国内3勝目

にわかに寒さが厳しくなってきた12月の最初の週末、京都の「POOL BLOW」を決勝会場にして、今期のJPBA女子最終戦「全日本女子プロツアー第3戦」が開催された。例年なら全日本選手権でランキングが確定するのだが、今年はこの試合と来週アメリカでスタートする女子9ボール世界選手権があるので、年間MVP争いはまだ終わらない。一ヶ月前までならばチャイナオープン優勝で河原千尋の1位はほぼ確定だったのだが、全日本選手権を小西さみあが制したことで、歴史的な大逆転があるかもしれない状況なのだ。

今回は女子ツアーでは実に3年半ぶりとなる10ボールでの開催となった。前回は2022年7月におこなわれ、丸岡文子が嬉しい公式戦初優勝を果たしている。ちなみに会場も同じ「POOL BLOW」だった。今回のフォーマットは予選から決勝まで10ボール交互ブレイク6先。流石に師走のせいか関東アマの参戦は少なく、プロ36名、アマ16名の計52名での開催となった。参考までに書いておくと、2024年と今年の女子10ボール世界選手権では、共に河原の9位タイが日本勢最高位だった。

決勝会場となった『POOL BLOW』

さて、前回の10ボールチャンピオンの戦いぶりから見ていこう。第9シードに入った丸岡は初戦で土師理恵子に苦杯を喫して敗者側に回り、敗者最終で敗れて10ボール公式戦連覇はならなかった。前回優勝時より大きくランキングを上げていただけに、本人としても残念な結果だったことだろう。

現在、京都では光岡純子、夕川景子、小田崎愛子と3名の女子プロが活躍中。もちろん地元優勝となれば京都も大いに盛り上がるところだったのだが、3名共に敗者最終で敗退して決勝日には進めなかった。

そして、決勝日ベスト16にはプロ15名と現女流球聖位の増田真紀子が勝ち上がる。ちなみに、久保田知子、佐原弘子、平口結貴と、今回は沢山の元女流球聖がベスト16入り、もし丸岡が残っていれば、計5名もの女流球聖が揃っていたわけだ。増田はベスト16で府川真理にヒルヒル勝ちしたが、初代女流球聖位の久保田をヒルヒルで競り落とした小西に惜敗してしまう。

ベスト4では、ランキング1位の河原と小西が激突。この日の河原はベスト16の髙田奈実戦、ベスト8の曽根恭子戦と、共にビハインドから粘って逆転する苦しい試合が続いていたのだが、シーソーゲームとなった小西戦では4-4に追い付いたところから突き放されてしまった。小西、これで全日本選手権から連続での決勝進出だ。

3位タイ:河原千尋

そして、反対の山では昭和世代が大暴れしてみせた。平成世代の谷みいな、村松さくら、平口結貴をなで切りにして勝ち上がって来たのは最新ランキングで35位の谷山和子だ。圧巻だったのは平口とのベスト4。平口5-4リーチで残り4球。⑥-⑩コンビが有りそうだったのだが、平口は自重して⑩を手球と⑥で挟む。谷山、これを逆に空クッションから⑥-⑩コンビで仕留めてヒルヒル。最終ラックは谷山のブレイクから残り3球までいったが⑧が⑨で隠れてしまう。しかし谷山はこれを見事ロングジャンプで決めて逆転勝ち。谷山の魅せるプレーでギャラリーも盛り上がる。

3位タイ:平口結貴

そして平成のラスボス、小西との最終決戦だ。両者の対戦成績は2勝2敗だが、最後の対戦は2018年7月にまで遡る。だが小西曰く「私がアマ時代に最初に出た全日本選手権で谷山さんにボコボコにされたのを覚えています」とのことだった。谷山にとって実に13年ぶりの公式戦決勝進出。その関東レディースOPでは夕川景子に敗れているのだが、果たして今回は? 

準優勝:谷山和子

だが試合展開は谷山にとって苦しいものになってしまう。ワンミスで小西に回してしまうともうターンが戻って来ない……。あれよあれよという間に5-0で小西がリーチ。それでも小西のサイドスクラッチから1点を返し、次のラックでもジャンプを決めて反撃開始というところだったのだが、薄くなってしまった⑩をミス。残り球も決してイージーではなかったのだが、小西はこれをしっかり決めて、全日本選手権からの公式戦連勝達成だ。今期の小西は6月の京都レディースOPも含めて3勝をマークして、通算公式戦優勝回数を「9」とした。ちなみに小西の公式戦初優勝は2019年にここ「POOL BLOW」で開催された全日本女子プロツアーだった。

世界選手権に向け弾みがつく勝利となった

惜しくも優勝に手が届かなかった谷山だが、今日のような華麗なプレーが出来れば来年のツアーでは台風の目になっているかもしれない。ベテランが幅を利かせすぎても、若手ばかりが目立っても盛り上がらない。世代を跨いだ多士多彩が競い合ってこそツアーは面白くなるのだから。

前述のように、12月18日からは女子9ボール世界選手権がスタートする。日本からは河原千尋、小西さみあ、栗林美幸、谷みいな、平口結貴、村松さくらの6名が参戦する。河原のチャイナオープン優勝で、日本勢は良い流れに乗っているはず。アメリカからクリスマスに朗報が届きますように。

On the Hill!
大会アーカイブ動画:JPBA YouTube
大会ライブスコア:Women’s professional tour 2025 3rd

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