日本初開催の「ゴールデンナイン」をリポート〜その①〜
2025 Duya Legend Golden Nine international Tour -Japan Station@横浜・DUYA CLUB 関内店
第1回大会優勝は今シーズン積極的に海外戦にもチャレンジしている杉山功起
11月1日〜2日(土・日)の2日間にわたり、神奈川県横浜市の『DUYA CLUB関内店』を会場に、日本初となるゴールデンナインを種目としたトーナメント『2025 Duya Legend Golden Nine international Tour -Japan Station』(DLT日本代表選考トーナメント)が開催された。
ゴールデンナイン(中式九球)とは中国・河北省秦皇島市に本拠を持つ、テーブルメーカーの『DUYA(独牙)』が全面的にプロデュースする、チャイニーズプールテーブルを使用した新たなルールのナインボールで、現在は中国国内を中心にメインツアーが展開されており、2025-2026年シーズンはこれまで優勝賞金200万元(約4,000万円)の試合を2戦を消化し、最終戦となる2026年5月の『Duya Legends Tour Golden Nine Global Finals』(DLTグローバルファイナル)を含め残り3試合が開催されることとなっている(ゴールデンナインの基本情報、ルールなどは下記から)。
●中式九球、ゴールデンナインボールって何?〜前編〜
●中式九球、ゴールデンナインボールって何?〜後編〜
Web CUE’Sが取材に訪れた2日(日)は、前日に行われた出場者16名による予選リーグを勝ち上がった8名による準々決勝から決勝戦までが行われ、決勝戦で谷みいな(FR:681)を下した杉山功起(FR:802)が栄えある第1回大会の優勝者となった。
会場となった『DUYA CLUB関内店』
この日の第1回転、準々決勝はDUYA CLUB関内店に設置された中国の本戦でも使用されるオフィシャルテーブル4台全てを使用して11時30分にスタート。今回は8名のJPBAプロのうち6名が決勝トーナメントに進出し、ここからベスト4に進んだのは、いずれも本場中国のチャイニーズプールトーナメントでプレー経験のある杉山、谷、奥田玲生(FR:674)、そして福田豊アマ(FR:不明)の4名となった。
今回は初開催のため、レフェリーを含め得点を確認しながら進行
杉山 vs 奥田、谷 vs 福田の組み合わせとなった準決勝では、まずテーブルの特徴とラックの取り方によって得点が変わる(※下記参照)独特なゴールデンナインのルールを把握したプレーを見せた杉山が、今年はおよそ1ヵ月に1回のペースで積極的に中国遠征を行っている奥田に勝利。そして、女子プレイヤーのボールハンデ⑧(⑧を入れた時点でラック獲得)があったとはいえ、1回戦では9月末時点のJPBA男子ランキング1位で、今大会の主催者でもある羅立文を下して勝ち上がった谷が、チャイニーズプールテーブルでのプレー経験が国内で最も豊富な、元JPBAプロでもある福田アマを倒して決勝に進出した。
3位タイ・奥田玲生
3位タイ・福田豊アマ
●ゴールデンナインのポイント
・大金:10点(マスワリ)
・小金:7点(ブレイク側がコンビ、キャノン等で⑨を入れる・ブレイク時以外で①、⑨がテーブルに残った状態でいずれかのプレイヤーがランアウト・ブレイクエース)
・通常勝ち:4点(大金、小金以外のプレーで⑨を入れる)
・ファウルを奪う:1点
・1ラックで3回目のファウルを奪う:2点(その時点でラックは終了)
今大会のためにDUYAから派遣された、中国国内で絶大な人気を誇る王鐘瑶(ワン・ジョンヤオ)女史のレフェリングによってスタートした20ラック(120分打ち切り)の決勝戦。まず先行したのはジュニア時代からスヌーカーの日本代表としても数々のインターナショナルトーナメントに出場してきた谷が、セーフティを駆使し杉山からファウルを奪いながら、スローペースなラックを3連続で取って12-1とリード。
決勝戦を裁いたのはもちろん王鐘瑶(ワン・ジョンヤオ)女史
しかし、パワーブレイクが必要となるゴールデンナインのブレイクルール「四球過線」は、条件を満たさない場合、相手プレイヤーがそのまま続行するか「リブレイク」するかを選択できるため、今回のトーナメントでも、特に女子プレイヤーが苦戦。
準優勝:谷みいな
第4ラックでも谷のブレイクがイリーガルとなり、杉山がリブレイク。するとここから①をジャンプショットで決め、⑤から⑥で手球を隠してしまったものの、キックショットでリカバリーしながら、2日間を通じて杉山にとって初の大金で一気に11-12とする。通常のナインボールであればスコアが1-3となるだけだが、ゴールデンナインならではの展開となり、その後の2ラックの通常勝ちで8点を加えた杉山が、獲得ラック数は3-3ながら19-12と逆転してリードを広げる。
大会2日目の杉山はショット、戦略ともにゴールデンナインにかなりアジャストしていた
ここから試合は完全に杉山ペースとなり、14ラックを終えた時点で3回のファウルで終了したラックを除いて獲得ラックでは8-4、得点は46-23。杉山のブレイクでスタートした第15ラックの序盤で試合時間120分を迎え、10秒前からのカウントダウンとともに残り時間が0となった時点で試合終了となった。
今回優勝の杉山、準優勝の谷は、それぞれ賞金2,000ドル、1,000ドルとともに、12月1日〜13日に開催される中国での第3戦シード出場権と日本-中国の往復航空券補助を獲得。閉会式では今大会を主催した羅プロから、第1回大会の参加者とギャラリーに対する感謝の言葉、そして2026年3月には中国での本戦・第4戦の出場権をかけた第2回大会が開催予定であることが発表された。
DLTの2025-2026シーズン第4戦は4月3日〜15日、こちらも優勝賞金は約4,000万円となっている
これまでのプールともチャイニーズエイトとも一線を画したゴールデンナイン、次回は参加プレイヤー、そして王女史のコメントも交えながら、その特徴、日本での広がりや日本人プレイヤーの可能性などについて詳しく紹介する。
大会アーカイブ動画:POOL LABO












