柯秉中が6年ぶり2度目のテンボール世界王者に
2025 PREDATOR WPA MEN’S 10-BALL WORLD CHAMPIONSHIP@ベトナム・ホーチミン

柯は2019年以来のタイトル獲得
9月20日(土)にスタートしたWPAベトナム3連戦のメインイベント『2025 PREDATOR WPA MEN’S 10-BALL WORLD CHAMPIONSHIP』(男子テンボール世界選手権)が28日(日)に大会最終日を迎え、決勝戦でアレックス・カザキス(ギリシャ/FR:822)を下した柯秉中(台湾/FR:844)が、2019年以来6年ぶりに2度目のテンボール世界王者となった。
日本時間18時からスタートした3セット先取の試合、バンキングに勝ったカザキスのブレイクはノーインに終わったが攻めの形がなく、柯がジャンプショットを誘うプッシュアウト。これに応じたカザキスは①ジャンプで穴前に残っていた②を沈めるとそのままランアウト態勢に入ったが、⑩を厚く外す痛いミスを犯し大事なファーストセットの第1ラックは柯が奪う。
第2ラック、柯のブレイクもノーインで①を巡るセーフティ戦となり、オープンな配置を得た柯が難しい配置をきれいに取り切って2-0。第3ラックは柯のノーインでチャンスをもらったカザキス、①を入れてトラブルとなっていた②⑩を処理したが、②をサイドポケット入れた手球がそのままコーナーポケットへ。これで3-0とした柯は、ブレイク1個インの第4ラックで②をミスするものの、カザキスも残ったサイドへの②をミス。これで柯が第1セットを4-0でものにした。

ゲームは序盤から柯のペースで進む
柯のブレイクでスタートした続く第2セットは、ワールドトップの技術を存分に発揮した柯が2連続マスワリで2-0として主導権を握る。しかしカザキスが第3ラックでこの試合初の得点を挙げると、互いのミスもありもつれた展開となった第4ラックも⑤でのナイスセーフティからチャンスを得て2-2に追いつく。
ここから一気に行きたいカザキスだったが、第5ラックのブレイクはノーインに終わり配置もオープンとなってしまう。ここを逃さなかった柯がランアウトで3-2とリーチをかけると、第6ラックではブレイク1個インから取り出しの①ジャンプショットできっちり②へポジションしそのままマスワリとして4-2でセットを連取した。
第3セット、後がなくなったカザキスの第1ラックのブレイクはノーイン。しかし柯のサイドへの②ジャンプショットが外れたところからランアウトを果たしたカザキスがこの試合初めて先制点を挙げる。次ラックでは柯がサイド越しのレール際の④を外し、ここからカザキスがセーフティにいったがこれがオープンとなり1-1。

第3セットでようやくチャンスをものにしたカザキス
第3ラックは柯のブレイクノーインからカザキスが①-③、②-⑧とサイドへの2度のコンビネーションショットを決めながらランナウトを果たし、この試合初めてのリードを奪う。これでセットの流れを掴んだカザキス、第4ラックでは一度柯にターンを譲ったが、柯の③から④へのポジションミスからチャンスを得て3-1。さらに第5ラックは、ブレイク1個インからこの日一番の素晴らしいキックショットで①を入れ、③でもセーフティを決めてオープンな配置を奪ったカザキスが取り、セットカウントを1-2とした。
これでようやく反撃態勢に入ったカザキスだったが、第4セットは柯の連続マスワリでスタート。さらに第3ラックではカザキスの②ジャンプショットで②が場外に飛び出すファウルでフリーボールを得た柯がランアウト態勢に入る。しかしここで柯がまさかの⑩ミスを犯しカザキスが1点を返して息を吹き返すと、渾身の連続マスワリで3-2と逆転してリーチをかける。
迎えた第6ラック、カザキスのブレイクは①がサイドに入ったものの取り出しの②が難しい形となり、セーフティを選択したが②は隠れず。しかしサイドバンクで攻めた柯のショットも外れカザキスにチャンスが訪れる。ここからランアウトに向かったカザキスだったが、③から④への引き球でのポジションをショートし、難しくしてしまった④をミス。

全てにおいてハイレベルな技術と安定したメンタルで第4セットを逆転で制した
このチャンスをしっかりとものにして3-3に追いついた柯、最終となった第7ラックではブレイク1個インからハイプレッシャーをものともしないプレーでカザキスにターンを渡すことなくマスワリでフィニッシュ。全てにおいて完成度の高い台湾が誇るワールドトップスターが見事に優勝を果たし、優勝賞金70,000ドルを手にした。
ジョシュア(ドイツ/FR:858) & ピア(ドイツ/FR:718)のフィラー夫妻が戴冠を果たした『Box Billiards Mixed Doubles』(ミックスダブルス)、現在WPAランキングトップの魏子茜(台湾/FR:755)がルビレン・アミット(フィリピン/FR:773)を下してタイトルを獲得した『Poison Saigon International Women 9-Ball Open』(サイゴン女子オープン)を含め、これでWPA公認のベトナム3連戦は全て終了。この後は引き続きベトナムを舞台としたwnt.ランキングイベント2連戦がダナン、ハノイを舞台に展開される。

ミックスダブルス優勝はフィラー夫妻

サイゴン女子オープン優勝の魏子茜(右)と準優勝のルビレン・アミット
写真提供:WPA、PBS
大会アーカイブ動画:Pro Billiard TV、Box Billiards Pool Vietnam
大会情報:2025 PREDATOR WPA MEN’S 10-BALL WORLD CHAMPIONSHIP
、2025 POISON SAIGON WOMEN’S 9-BALL OPEN