河原千尋は9位タイ、小西さみあは17位タイ
Poison Saigon International Women 9-Ball Open@ベトナム・ホーチミン

韓雨との激闘に敗れ、今大会は9位タイフィニッシュとなった
9月20日(土)にスタートしたWPAランキングイベントで賞金総額75,000ドル、優勝賞金22,500ドルの『Poison Saigon International Women 9-Ball Open』(サイゴン女子ナインボールオープン)。24日(水)の大会5日目は日本時間15時から決勝トーナメント1回戦(ベスト16戦)が行われ、JPBA女子勢で唯一ここに勝ち残っていた河原千尋(FR:752)は韓雨(中国/FR:775)との激闘に敗れ9位タイで今大会を終えた。

赤帯が勝者、※は信頼性不足
河原のブレイクでスタートしたこの試合、ノーインから続く長い攻防を制した韓雨がまずは先制するが、河原もすかさず韓の②ミスの残り球を捌いて1-1とする。第3ラックは河原のブレイクはまたもノーインとなり、②でのセーフティが見えたところから、韓が難球を沈めてランアウトを果たして2-1。しかし第4ラックは韓にポジションミスが出て、そこを足がかりに河原が取って2-2。
ジリジリした展開の第1セットが動いたのはここから。第5ラック、河原のブレイクは3度目のノーインとなり韓にチャンスを与えたが、韓が④から⑤でのポジションをミスし⑤でセーフティ。これは上手く隠れたが、河原の2クッションのキックショットで手球が⑥の裏にピタリと止まり韓がファウル。フリーボールを得た河原がそのままランアウトかと思われたが、ここでサイドへのシュートをまさかのミス。しかしここから取り切っていった韓が⑧から⑨でコーナースクラッチし、このラックを奪った河原が第1セット初のリードでリーチをかける。

河原が韓雨のミスに乗じて第1セットを奪う
第6ラック、河原のブレイクはようやく1個インし、マスワリも狙えるオープンな配置となる。このまま第1セットを奪うかと思われたが、河原がハードに撞いた④がコーナーポケットに嫌われターンは韓へ。ここで追いつきたかった韓だったが、④から⑤にポジションできず、さらに⑤のセーフティも甘くなりここから河原が取り切って、調子の上がらない韓のミスにも乗じて第1セットを奪取した。
続く第2セット、残り2球となった⑧がポケットに届かずファーストラックを落とした河原は、次ラックでも⑧のハードショットを外して0-2スタート。さらに第3ラックの韓のブレイクはノーインとなり、オープンな配置を取り切っていった河原が⑦から⑧でスクラッチを犯して0-3とされる。
第4ラック、韓が①セーフティからチャンスを得てそのまま取り切るかに見えたが、今度は韓が⑧をシュートミス。ここでようやく1点を返した河原は、次ラックでも韓のポジションミスからのスクラッチに助けられて2-3とすると、次ラックでようやくブレイクが決まりこの試合初のマスワリで3-3に追いつく。
そして最終となった第7ラック、河原のブレイクがノーインとなり韓にラストチャンスが回ってくるが、スローでサイドに狙った③をミス。しかしここで上がりたかった河原も⑥へのポジションをミスし⑦をミス。ここから韓が渾身のコーナーバンクで⑨を沈めてセットカウントは1-1となる。

韓雨は外せば負けの場面でスーパーショットを見せた
その他全ての試合に決着がつき、決勝トーナメント1回戦の最終となった第3セットは河原のブレイクノーインでスタートし、河原の①ミスから韓の1-0。続くラックは河原の③サイドバンクミス後の手球が隠れて韓が当てきれず、ここから取り切った河原が1-1とする。
第3ラックは河原のブレイクがまたもノーインとなり、ここから②での素晴らしいバンクを絡めながらランアウトを果たした韓が再びリード。しかし次ラックの韓のブレイクもノーインとなり、もつれた展開を⑤セーフティで打開した河原が2-2とする。
河原のノーインスタートとなった第5セットは、韓が①から②でポジションをミスしたがここを素晴らしいセーフティでリカバーし、最後は③-⑨コンビを決めてリーチ。迎えた第6セット、韓のブレイクが決まりマスワリまで残り3球の場面でポジションを誤り⑧でセーフティ。ここでこの試合最高の⑧ジャンプバンクを決めた河原が3-3として、試合は遂にシュートアウトに突入(シュートアウトのルールはこちら)。そして先攻の韓、後攻の河原ともに4本を決めた5ショット目、韓が4本目よりワンポイント分遠くなった難しいショットを決めたが、河原がこのショットをミスしてゲームセット。
互いにミスの多い試合ではあったが、勝機を逃す形となった河原に対して、勝負どころでスーパーショットを決め、シュートアウトでもノーミスという「強さ」を見せた韓が準々決勝に進み、河原は9位タイでフィールドを後にすることとなった。
なお、大会4日目に行われた敗者側最終戦で、ベスト16進出をかけて洪欣妤(台湾/FR:687)と対戦した小西さみあは、シュートアウトにもつれ込む大激戦の末に1-2で敗れ17位タイで大会を終えている。

17位タイ:小西さみあ
写真提供:WPA、PBS、Box Billiards Pool Vietnam
大会ライブ配信:Pro Billiard TV、Box Billiards Pool Vietnam
大会情報:2025 PREDATOR WPA MEN’S 10-BALL WORLD CHAMPIONSHIP
、2025 POISON SAIGON WOMEN’S 9-BALL OPEN