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北の大地のナインボールバトルを制したのは杉山功起

2025.07.07

第2回SAPPORO オープン@北海道・みんぽけ & キャノン札幌

昨年準優勝の杉山が決勝でジュリアン・セラディラを下して優勝

全国的に暑さが話題になった週末の7月6日(日)、札幌市内で『2025 SAPPORO オープン』が開催された。昨年12月に引き続いて第2回となる本大会は、2019年の第31回大会を最後に現在休止中の『北海道オープン』の復活を目指すべく、道内ビリヤード関係の有志を中心にスタートした。

メイン会場となった『みんぽけ』

今回は開催日程の告知が遅れたこともあってか、フルエントリー96名に対して、81名の参加にとどまった。国内の人気観光地同様、札幌もホテル代が高騰していること、また前週に『全日本アマナイン』があったことなどが影響したかもしれない。ただ、道外からの参加者のほとんどは「観光とビリヤード」を両立させたこの大会に対して好意的。やはり、札幌開催のビリヤードイベントへのニーズは根強いものがあるのだ。

余談だが、今大会の服装規定は「サンダルのみ不可」というもの。松川慎之介はずっとキャップを被って試合をしていたし、杉山功起は水色のジャージに黄色いスニーカー、ジュリアン・セラディラは短パンだった。キチンとした服装規定のある大会も美しいが、黒のスラックス姿には食傷気味だった筆者にはラフな格好も新鮮で、彼らの球撞きにより「スポーツらしさ」を感じてしまった。

5位タイ:松川慎之介

この日、杉山はスポーティなスタイルで戦った

昨年同様、予選会場は『みんぽけ』と「キャノン」の2会場。ナインボール、シングルイリミネーション、交互ブレイク、8ラック先取というフォーマットで、8組に分かれた予選がおこなわれ、各組の勝ち上がりが『みんぽけ』に集まって再抽選の上、ベスト8がスタートだ。

昨年アマチュアながら青木亮二、羅立文、杉山功起に勝って優勝したのが三重の織田賢人だ。先週の全日本アマナインでのA級連覇はならなかったが、第1シードとして大会連覇を目指して北の大地にやって来た。

連覇を狙った織田だったが、今回は9位タイでフィニッシュ

しかし今回は1組最終(ベスト16)で北海道のSA、山﨑洋平の前に屈してベスト8入り出来なかった。ベスト8に残ったアマチュアはその山崎一人で、残る7枠はJPBA勢という結果となった。

5位タイ:山崎洋平アマ

セラディラの隣を引いた山崎は一時6-4とリードしたが逆転を許し、ベスト4入りはならず。ベスト4はセラディラ vs 杉原匡、杉山功起 vs 吉岡正登と、2つの東西対決が実現することになった。そしてこの2つのカードが奇しくも同じ展開から同じ結末を迎えることになる。

3位タイ:杉原匡

3位タイ:吉岡正登

序盤は東の二人がリードを奪い、杉山は5-0まで突っ走った。しかしそこからどちらも西の反撃が始まり、ヒルヒルに突入。そして最後のブレイクはどちらも東。2つのマスワリで決勝進出者が決まった。

杉山はこの4月の関東オープンで公式戦初優勝を飾ったばかり。セラディラは23年の関西オープンに勝ってグランプリは2勝。最新JPBAランキングでは杉山が4位でセラディラが7位だ。どちらも今年これからの結果次第ではランキング1位も夢ではない位置にいる、JPBA期待の次世代プレイヤーだ。

準優勝:ジュリアン・セラディラ

実績的にも互角と言っていい両者だったが、今回は思い入れの分だけ杉山が上回ったか。昨年決勝で織田に完敗を喫してしまったのが杉山だ。公式戦でも決勝まで行きながら勝ちきれない試合が続いていたが、4月に遂に悲願を達成。

杉山はこの試合の後、インドネシアに遠征する

今回の決勝は昨年の忘れ物を取り戻すべく、序盤からキューを伸ばして5-1とリード。セラディラの反撃を3点に抑えてリベンジ大成功だ。杉山とセラディラはこの後、『インドネシア・オープン』に参戦して、とんぼ返りで東海グランプリにも出場するそうだ。北に南に試合が続くが、今は若さが二人を突き進ませてくれるだろう。

さて、最後にこれからのSAPPORO オープンだが、当面来年の4~5月あたりを目処に日程調整を進めていくとのこと。現時点では、来年から北海道オープンが復活! という流れにはないようだが、この大会から感じる熱意はどこにも負けていないと思う。今後の大会実行委員会の尽力に期待したい。

大会上位入賞者。左端がベストBの蓑和田仁アマ、右端がベストLの中田みさきアマ 

On the hill!
大会オフィシャルサイト:札幌OPEN2025
大会アーカイブ動画:mathilda onthehill

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