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A級は林秀忠、女子級は増田真紀子が3連覇達成、B級は14歳の藤田万葉が優勝

2026.06.29

全日本アマチュアナインボール選手権@尼崎・あましんアルカイックホールオクト

各級優勝者、左からB級:藤田、女子級:増田、A級:林

2つの台風が同時にやって来た6月最終週の週末、兵庫県尼崎市の「アルカイックホールオクト」を会場に、「全日本アマチュア9ボール選手権」が開催された。最初に始まったA級が今年で50回を数える今大会。42回のB級と27回の女子級と3カテゴリーでの開催は例年通りだ。

今年はフォーマット的にはほぼ昨年通りとなったが、台風による湿気の影響から全体的に進行が遅くなってしまった。例年だと速ければ230試合は初日で消化するのだが、今年は10試合近く少なり、会場閉館時間の関係で翌日持ち越しとなった試合が3試合も出ることに。また、湿気のせいかラックが立たない台も多く、これも進行を遅らせる一因となってしまった。特設の新羅紗に強い湿気という慣れないコンディションに選手はさぞ苦労したことだろう。

会場となったアルカイックホールオクトには320名のプレイヤーが集結

昨年から7ラック先取となった女子級。主役はもちろん今大会二連覇中の現女流球聖位、増田真紀子だ。初戦から危なげない戦いぶりでベスト4に進んだ増田。抽選で隣に入ってきたのが、今年の女流球聖位決定戦で戦った広島の鳥谷奈央だ。ちなみにその鳥谷と挑戦者決定戦を戦った東京の小宮千彩は初戦で北海道の中田みさきとヒルヒルになり、ゲームボールをミス。それをサイドバンクで決められて初戦敗退となってしまった。

女子級3位タイ:鳥谷奈央(広島)

女子級3位タイ:河内恵理(兵庫)

4月のリベンジの機会が訪れた鳥谷だったが、序盤で4-1とリードされる苦しい展開。そこから4-4まで戻すも最後は増田に突き放されてしまった。そして反対の山から決勝に上がって来たのも2023年の女流球聖位挑戦者、井上直美。

女子級準優勝:井上直美(東京)

当時の女流球聖位は梶原愛で、翌年、増田がタイトルを獲り、現在に到る。記録に残る限りで初対戦となった両者だが、増田が徐々にリードを拡げて押し切ってしまった。鳥谷と井上はどちらも元JPBAプロだが、井上は公式戦優勝経験者でもある。その井上をもってしても接戦にすらならないあたり、今の女子アマ界では増田が頭2つは抜けているということなのだろう。増田、これでA級も含めて大会初となる三連覇達成だ。

当代最強女子アマの実力を遺憾なく発揮した

昨年から1つ少なくなって6先となったB級。このB級と女子級のラック数の変更は、主に女子からの強い要望の結果だというが、運営関係者によると減らされたB級からも不満の声は上がって来ないそうだ。

B級3位タイ:嶺田颯(山口)

B級3位タイ:アルバニア・ジム(静岡)

そして今年は新星誕生の年となった。滋賀の中学生、14歳の藤田万葉が見事B級最年少優勝を果たしたのだ。ちなみに、A級では2022年に織田賢人が同じ14歳で優勝している。藤田は今年の全日本ジュニアでは決勝シングルに進めなかったが、スヌーカースタイルのフォームを見てもまだまだ伸びしろがありそう。決勝ではお隣の奈良の吉川真司との対戦となったが、2点に抑えこんでの勝利。今後の活躍に期待したい。

B級準優勝:吉川真司(奈良)

藤田は織田と並ぶ最年少優勝

A級は昨年優勝の金澤蒼生、2024&2022年に勝った織田賢人の二人が揃ってプロ入り。2023年の優勝者である現球聖位、小宮鐘之介も出場していないので、コロナ明け以降の大会チャンピオンが一人も出場していないという本命不在の大会となった。

A級からすればポケット設定はかなり甘いから、一昨年の準優勝者である福岡の重田寛之が初戦で姿を消すなど、小波乱が続出するのがこの大会の特徴。去年の準優勝、奈良の増成亮太は、初日最終回転のベスト64で7ー6とリードしたところで中断となり、翌朝、神奈川の安部隼史に逆転負けを喫してしまった。

そんな中、昨年のマスターズを制し、ジャパンオープンでも準優勝だった東京の中野雅之が着実に勝ち上がる。ベスト4では滋賀の林秀忠との対戦となったが、林は元名人位挑戦者でもあり、昨年のグランプリウェストにも勝っているから実績は互角。最後は中野を7点に抑えた林が決勝進出を決める。

A級3位タイ:中野雅之(東京)

A級3位タイ:野上純平(大阪)

反対の山からは大阪の野上純平とのヒルヒルを制した神奈川の田方明が上がって来た。9ボールクラシックで準優勝するなど、関東では名前の通ったSAである田方だが、全国大会での上位進出は今回が初めてか。

A級準優勝:田方明(神奈川)

決勝はバンキングこそ田方が取ったものの、大舞台での経験値と地の利による応援を味方に付けた林が序盤から突っ走り、田方を座らせたまま、上がり4連マスを含む計マスワリ6発の9-0で初アマタイトル奪取を決めて見せた。若干遅れ気味だった大会進行を一気に取り戻す見事な勝利だった。

林は圧巻のプレーで初優勝

今年は3クラス全てで関西勢が勝ち、更にいえばA級とB級は滋賀のダブル優勝だった。第50回という区切りの年を迎えた今大会だが、アマチュアの秋の陣、全国アマチュアビリヤード都道府県選手権(旧国スポ)は昨年で終了となってしまったので、アマチュア9ボール頂上決戦としての今大会の価値は更に上がったことになる。

大会会場には、オーストリア遠征を終えたばかりの平口結貴も駆けつけた

次のアマチュアのビッグイベントは、11月末に開催される全日本アマローテだ。林の連覇、そして増田の四連覇がかかる来年の大会が今から待ち遠しい。

Text & Photo by On the hill!
大会アーカイブ動画:mathilda onthehill

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