日本初、FargoRateハンデによる「JCLシングルス」開催
クラスの垣根を超えた勝率50%の真剣勝負と、数値が導く日本の未来
Billiard Web CUE’Sでもプールプレイヤーの強さを示す指標として記事内にデータとして採用している『FargoRate』(FR)。今年3月には登録プレイヤーが50万人、登録ゲーム数が6,400万に達したとの発表もあり、今後さらに世界的な普及が進んでいくと予想される。
そんな中、日本でいち早くFRを導入したアマチュアリーグ戦をスタートさせた『Japan CSI Pool League』(JCL)が、通常のリーグ戦とは別にFRをハンデに利用したビリヤードトーナメントを開催。代表の関浩一氏からその模様とFRの有用性や日本での普及に関する課題などを含めたリポートが届いたので、今回はその興味深い内容を以下で紹介してみたい。
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●FRでハンデを最適化した初の個人戦
4月12日(日)、日本初となるFargoRate完全準拠のハンデ戦「JCLシングルス」が開催された。参加者は58名。本大会の最大の特徴は、従来の自己申告によるクラス分けを撤廃し、世界標準のレーティングシステム「FargoRate」に基づき、両者の勝率が理論上50%ずつになるようセット数を算出する点にある。
その結果、決勝トーナメントに進出した16名の内訳は、FR500以上(Aクラス相当)が4名、FR400台(Bクラス相当)が9名、FR400未満(Cクラス相当)が3名となった。特筆すべきは、厚いハンデに慣れていない上位層が苦戦を強いられた点だろう。数値に基づいた適正なハンデ設定により、どのクラスにも等しくチャンスがあることが証明される形となった。
優勝のToriyama選手(左)と準優勝のFude選手
激戦を勝ち抜き決勝に駒を進めたのは、Nobuo Fude選手(ikebukuro8Div/FR409)とYuto Toriyama選手(asakusa8/FR443)。Bクラス中間層同士の対決となったが、試合はToriyama選手が圧倒。なんと試合では初となるマスワリを出すなど、勝負どころで見事な集中力を発揮したToriyama選手が優勝を飾り、賞典として星野リゾート宿泊券10万円分が贈られた。また、今大会はKAMUI、Ize、NAVIGATORといったスポンサー陣の協賛により、エントリーフィーを上回る価値の参加賞を手にするプレイヤーも散見されるなど、ホスピタリティの面でも大きな盛り上がりを見せた。
●課題と「ロバストネス」の重要性
初の試みゆえの課題も見えた。今回は数値の信頼度を示す「ロバストネス」を50以上に設定したが、まだ正確な数値が出きっていないプレイヤーも散見され、一部で理論上の50%を乖離したハンデ差が生じたことは否めない。
ロバストネスとは1ラック消化ごとに1ずつ加算される指標だ。最初の通過点である200に達してようやくレベルが概成され、本来は500、1000と積み上げることで真に安定したレーティングが確立される。この精度を高めることこそが、今後の普及のカギとなるだろう。
●日本のビリヤードシーンを再定義する
JCLでは来月、リーグ未加入の一般プレイヤーもFargoRateを体験できる新イベント「The Compass(コンパス)」を開催する。日本中のプレイヤーが正確なレーティングを保持できるようになれば、現状のクラス分けやハンデ設定に埋もれていた層も、心から競技を楽しめるようになるはずだ。
現在、女子プロを起用したCMでJCLはこう発信している。
「みんなが楽しめる場所作ります」
「みんなが楽しめる場所ここにあります」
と。
FargoRateという共通言語を通じて、実力が可視化され、誰もが対等に競い合える環境を整えること。それこそが、私たちが理想とする「みんなが楽しめる場所」の正体だ。












