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ビリヤードを通じた世代を超えた良きコミュケーション、その広がりと今後の展望

2025.11.16

NISHIKI BRAND presents 第4回Ful-Full杯@福岡・VECTOR

競技としての側面だけでなく、世代、性別を超えた良きコミュニケーションツールとしても機能するビリヤード。その特性を活かし、社会的な活動へと繋げる取り組みが各地で行われている。中でも『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)所属の辻田佳一プロと『一般社団法人ColorFul-HappyFull』が主催する『Ful-Full杯』は、不登校の子どもたちとその家族を対象に、ビリヤードを通じた居場所作りと社会との繋がりを提供することを目的としており、Billiard Web CUE’Sでもその活動を継続的に追ってきた。

11月2日(日)、その第4回となる『NISHIKI BRAND presents 第4回Ful-Full杯』が開催。回を重ねるごとに着実に支持を広げ、活動のステージを一つ上げたと言える今回のイベントについて、ここでは辻田プロによる終了報告をもとにリポートしてみたい。

まず第4回は、これまでの3回とは異なる大きな特徴があった。それは、初めて冠スポンサーを迎えての開催となった点で、タップを中心としてビリヤードアイテムを展開している『NISHIKI BRAND』がその意義に賛同し、大会をサポート。これに加え多くの協賛社、『公益社団法人日本ビリヤード協会(NBA)九州支部』、JPBA九州支部、『日本アマチュアポケットビリヤード連盟(JAPA)九州支部』といったビリヤード団体、さらに会場の『VECTOR』を始めとした手厚い協力もあり、イベントの継続性と社会的認知度がさらに高まった形となった。

会場となった『VECTOR』

Ful-Full杯は今回も数多くの協賛、協力のもとで開催された

この動きを後押ししたのが、開催に先立って行われたクラウドファンディング。目標額300,000円に対し、最終的に643,000円(達成率214%)の支援が集まったことは、この活動に対する関心の高さを物語っていると言えるだろう。寄せられたコメントには、活動への共感や子どもたちへの応援の言葉が並び、全国的な広がりを持つ支援の輪が形成されていることがわかる。

また、今回のクラウドファンディングでは、金銭的な支援に留まらない参加型の仕組みが取り入れられ、リターンとして用意された「ルール説明権」「始球式権」「プレゼンター権」などを通じて、支援者がイベント運営に直接参加。子どもたちと触れ合い、会場の空気を共有することで、支援者自身もイベントの一員となる構造が作られた。

支援者がイベントの一員として参加しイベントを盛り上げた

冠スポンサーであるNISHIKI BRANDの重田忠昭氏も会場を訪れ、「子ども達や親御さんが楽しそうにプレイされている姿を見て、活動に協力ができて良かった。今後も継続、発展させていただきたい」とコメントしており、支援が一方的なものではなく、相互の共感を生むサイクルに繋がっている様子がうかがえた。

大会優勝ペアと重田氏(写真右)

イベントの継続は、参加する子どもたちや家族にも良い影響を与えているようだ。辻田プロによれば、回を重ねるごとに子どもたちがスタッフや他の参加者に心を開き、積極的にコミュニケーションを取る姿が見られるようになったという。また、親子や兄弟で協力してプレーする場面も多く、ビリヤードが家族内のコミュニケーションを促進する一助となっていることも報告されている。Ful-Full杯がきっかけの1つとなり、他のビリヤード場へ親子で訪れるケースも出てきているということだ。

回を重ねるごとに、ビリヤードが世代を超えた良きコミュケーションを活性化させている

終了報告の辻田佳一プロによるまとめによれば、「今回も地域の方々やフリースクールなど、多くの方の協力でイベントを終えることができました。協賛企業や協力団体が増加していることからも、この活動の目的への賛同が広がっていると感じています。遠方からの見学者や、当日その場で協力を申し出てくださる方もおり、関わる人々が自然と笑顔になる空間が作れていると思います」とのこと。

今後の展望について辻田プロは「『笑顔』『楽しさ』『繋がり』『絆』というイベントの目的は今回も達成できたと考えています。今後は、この取り組みを他の地域でも開催することを具体的に計画していきたいです。ビリヤードが持つ世代を超えて繋がれるという特性や、多くの学びを与えてくれるツールであることを、より多くの子どもたちに伝えていきたいです」と語った。

その言葉通り、すでに次回の第5回は、こちらもタップをメインに様々なアイテムを提供している『ZAN PLUS』が冠スポンサーとなることが決定しており、『ZAN presents 第5回Ful-Full杯(仮)』として準備が進められている。
一つのビリヤードイベントが着実に地域に根差し、その輪を広げている。ビリヤードが持つ社会的な可能性を示す一つのモデルケースとして、Billiard Web CUE’Sでは、今後もこの活動の推移を見守っていきたい。

辻田佳一プロと一般社団法人ColorFul-HappyFull代表の永野マミさん

Ful-Full杯に関する問い合わせは『一般社団法人ColorFulーHappyFull-カラフルハピフル-』まで

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