GPE初のブレイクBOXフォーマット、J・セラディラが制す
グランプリイースト第5戦@埼玉・WIND
セラディラは今シーズンのランキング対象公式戦初勝利
10月18日〜19日(土・日)、埼玉県志木市の『ビリヤードWIND』で『グランプリイースト第5戦(GPE5)』が行われた。今回の注目は、ナインボール8ラック先取(ベスト4から7ラック)・勝者ブレイク・ナインオンフットのフォーマットに、『wnt.』のナインボールトーナメントでスタンダードとなっているブレイクBOXがGPEで採用されたことだ。
会場となった『WIND』
ブレイクBOXは下写真の通り、テーブル上の黒線の枠内からブレイクショットしなければならないというルール。ブレイクインの難度を上げることはもちろんだが、サイド(レール)ブレイクでウイングボールをポケットインさせ、①をコントロールして取り出しを容易にするのを防ぐことに大きな意味がある。
今回初めて採用となったwnt.仕様のブレイクボックス
実際19日の決勝日では、ブレイクイン率は概ね高かったものの、①がサイドポケットに入ることが多く②以降はランダムラックによって毎回異なる配置になる。加えてテーブル上にトラブルも起きやすく、マスワリ率が大きく下がった印象だ。
試合の方はというと、GPEランキングトップ2の土方隼斗と羅立文が初戦で姿を消す波乱の幕開けとなる。この2人は今年のGPE全4戦においてベスト4に残り続けており、ベスト16敗退は今大会が初。代わって神箸渓心(24)林武志(24)杉山功起(25)J・セラディラ(30)とベスト8の半数が30歳以下と世代交代を感じさせる顔ぶれになった。
3位タイ:小川徳郎
このうち、セラディラは初戦の土方戦を8-6の逆転勝利。以降は鈴木淳(8-2)、鈴木清司(7-2)と海外戦で培ったブレイクとゲームコントロールで危なげなく決勝に進出。一方反対の山からは、杉山がベスト8で松田渉に8-6、ベスト4で小川徳郎に7-5と苦しみながらも要所を締めて決勝進出を果たす。
3位タイ:鈴木清司
決勝戦、立ち上がりは互いにミスもありながらも得点し合ってセラディラ2−1。そこからセラディラが⑨のキャノン、コンビショットを立て続けに決め、杉山のジャンプファウルから取り切りあっという間に5−1に突き放す。「流れを変えたかった」と杉山もジャンプショット、バンクと立て続けにスーパーショットを決めるも最後はロングに残った⑦を強く弾いて球場外で自滅。6-1でリーチをかけたセラディラが最終ラックをマスワリで優勝を決めた。
準優勝:杉山功起
特筆すべきは、この決勝戦でセラディラはブレイクノーインがゼロ、またプッシュアウトもゼロで、ブレイクした全てのラックでオープンな配置を確保していること。大会を通して優位にゲーム運びしていたことが如実にわかる試合となった。
セラディラは海外戦での経験を十分に活かして勝利を挙げた
次回のGPEは11月8日〜9日(土・日)、『バグース川崎店』にて今季最終戦『GPE6』が開催される。今年は第1戦から第3戦の3連勝で首位を独走している土方が920pt、第4戦優勝で現在2位の羅が760pt、今回の優勝で3位に浮上したセラディラが700ptと、土方の優勢ではあるが年間MVPの座は最後までわからない。GPEランキングはこちら(第4戦終了時)。2025年の有終の美を飾るのは誰か、注目していきたい。
大会アーカイブ動画:JPBA YouTube
大会ライブスコア:Grand Prix East 2025 5th











