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平口結貴が1年半ぶりの国内公式戦優勝

2025.06.02

全日本女子プロツアー第2戦@神奈川・POOL LABO & アロウズ

平口は2023年の全日本選手権初制覇以来の優勝

6月1日(日)、競馬の「日本ダービー」に数万人が集まる府中競馬場から南へ約40キロの横浜で、今年の第2戦となる全日本女子プロツアーが開催された。決勝会場は関内駅近くの『POOL LABO』。同店での開催は2023年8月以来二度目で、前日の5月31日(土)には鶴見駅の『アロウズ』と二店舗で予選がおこなわれ、決勝日には16名が勝ち残った。64名フルエントリーの内訳はプロ33名、アマチュア31名。フォーマットは通常通りの9ボール7ラック先取だが、女子ツアーには珍しく交互ブレイクが採用された。

今期の女子ツアーはこれまでに3戦おこなわれたが、ここまで準優勝、優勝、優勝と勝ち続けているのが現ランキング1位の河原千尋だ。第1シードの河原は今回も勝者側から勝ち上がって決勝日入り。ベスト16で夕川景子、ベスト8で丸岡文子を突き放してベスト4進出を決めたが、そこで待っていたのが今年やはり3位タイ、3位タイ、5位タイと結果を出している栗林美幸だ。

決勝会場となった『POOL LABO』

第4シードから勝ち上がった栗林は、この日、佐原弘子と久保田知子を倒して勝ち上がって来たがどちらもヒルヒル。河原 vs 栗林はこれまで幾多の激闘を繰り広げてきたが、この日は栗林が5-0と突っ走り、6-1でリーチ。しかし、ここから河原が巻き返して遂にヒルヒル。勝者ブレイクならもちろん最終ラックのブレイクは河原なのだが、この日は交互ブレイク。栗林、渾身のマスワリを決めて、優勝した昨年7月の全日本女子プロツアー以来の決勝進出だ。河原は今年初めて日本人に負けたわけだが、それはそれで凄いことだ。

5位タイ・久保田知子


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5位タイ・丸岡文子

5位タイ・髙田奈実

5位タイ・佐藤麻子

もう一つの山を勝ち上がって来たのは2023年全日本選手権覇者、平口結貴。平口は昨年海外参戦優先のスケジュールを組んだことでランキングが一気に下がっていて、今大会抽選時点でのランキングが31位。予選日に第6シードの谷みいなに勝って決勝日入りした平口は、ベスト16でアマチュアの久高木綿子を7-1で一蹴し、ベスト8では髙田奈実をホワイトウォッシュと絶好調。ちなみに、前日の予選最終で第7シードの村松さくらにヒルヒル勝ちしてプロ公式戦初の決勝日入りを果たした久高はベストアマを獲得だ。

ベストアマ・久高木綿子(9位タイ)

平口は谷との再戦となったベスト4でも谷を4点に抑えて、全日本女子プロツアー第1戦に続く今期2度目の決勝進出を決めた。余談だが、前回『POOL LABO』開催のベスト4でも平口と谷は対戦していて、その時は平口が準優勝だったが、谷はまだアマチュア。その秋、谷は佐賀国スポと全日本アマローテに連勝してプロ入りしている。更に言えば、優勝したのは河原だったから、奇しくもベスト4のうち3人までが前回開催と同じメンバーだったわけだ。

3位タイ・河原千尋

3位タイ・谷みいな

2月の第1戦ベスト4でも顔を合わせた栗林と平口だったが、その時はヒルヒルで平口の勝ち。履歴を辿ると、この決勝前までで平口が7連勝中。ただし、決勝に限れば2019年の『CPBAオープン』で栗林が勝っている。それにしても、この日の決勝前までで平口が失点5なのに対して、栗林は3戦全てヒルヒル。調子や相性を考える前に、疲労度という面で栗林は大きなハンデを背負ってしまっていたかもしれない。

準優勝・栗林美幸

平口のブレイクでスタートした決勝は1-1から平口のマスワリで2-1、次の栗林ブレイクでは取り切りの⑧でミスが出て3-1に。このあたりから平口がペースを掴み、5-1とした第7ラックでは⑨ラッキーインでリーチ。ここでギリギリ凌いでいきたかった栗林だが、次の第8ラックで無念のブレイクスクラッチ。平口、フリーボールの①から②への絶妙なポジショニングから取り切り。2023年の全日本選手権以来、約1年半ぶりとなる国内公式戦優勝を圧巻の強さで決めて見せた。

今年は海外戦を戦いながら国内戦にも復帰した平口、今後のプレーにも要注目だ

2025年のJPBA女子ツアーは4戦を終えて、日程的にはほぼ中間点に差し掛かった形だが、河原のぶっちぎりかと思われたランキング争いも平口の台頭でまだまだ先が読めなくなってきた。次の公式戦は3週間後、河原が二連覇中の京都レディースオープンだ。

On the hill!

大会アーカイブ配信:JPBA YouTube
大会スコア:Women’s professional tour 2025 2nd

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