土方隼斗が飯間智也を下し連覇 & 3度目の優勝
第53回全日本オープン14-1選手権@東京・池袋・ビリヤード・ロサ他

土方はハイラン賞(98点)も獲得しての優勝
関東の初夏の風物詩、『第53回全日本14-1オープン選手権』が5月17日〜18日(土〜日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』を決勝会場に開催された「(予選は『CUE』、『サンビリ荻窪西口店』、『Link西川口店』も使用)。今年のエントリーはプロ66名、アマ43名の109名。75点の予選ダブルイリミネーションでベスト64が絞り出され、90点のシングルイリミネーションを勝ち上がれば決勝日ベスト16入りだ。
プロ15名アマ1名の16名による組合せは完全抽選。その結果、昨年ベスト4で激突した土方隼斗と羅立文が初戦から対戦することに。連覇を目指す土方は大会2勝、羅は5勝もしているから、決勝でもおかしくない好カード。ちなみに両者の対戦成績は19勝19敗と全くの五分。プロ公式戦での決勝対決が13回もあるのだから恐れ入る。その中には2018年の全日本14-1決勝も含まれ、これに勝った土方が大会初優勝を遂げている。
そして試合も劇的なものとなった。47-2でターンが土方に回ると、そこからはまさに「隼斗劇場」となってしまう。土方、98点を撞き切って難敵を見事に撃破だ。同じベスト16では川端聡もハイラン90で竹中寛を倒している。

3位タイ:川端聡
土方は続くベスト8で昨年末にプロになったばかりの村松勇志と対戦し、ここでもハイラン69を叩き出して勝利。そして次の「14-1でのベスト4入りは初めて」という北谷好宏との対戦は2時間半を超える死闘になった。終盤、土方86-76でブレイクインも取り出しがない。土方、苦渋の選択でセーフティにいくも見えた。北谷取り切ったが、やはりブレイクインから手球が埋もれてしまい、87-89で選手交代。土方ロングを入れ、最後は30秒ショットクロックが入りながらもゲームボール到達だ。余談だが、試合中盤でサイドに入れた球が綺麗に出て来てしまった北谷は……運がなかった。

3位タイ:北谷好宏
連覇にリーチをかけた土方を決勝で待っていた(実際に30分以上待たされた)のは、同学年の飯間智也だ。共にジャパンオープン2勝を誇るトッププレイヤーながら、なんとこれがプロ公式戦では初の決勝対決となったのだ。対戦自体もここまで5回しかない一番の理由は、両者が東西に分かれているため、全国オープンでしか対戦機会がないからだ。

決勝はジュニア時代から競ってきた同学年対決となった
近年全国オープン自体も減少傾向にあり、二度準決勝で戦った北海道オープンも既にない。ちなみに、土方 vs 羅の13回の決勝のうち、10回がグランプリイーストなのだ。それにしても、テンボールで頂点を極めた二人の初決勝対決が14-1になるとは。
飯間は大会4勝の高橋邦彦、松川慎之介、大会2勝の川端聡を倒して勝ち上がってきた。決勝戦、この日4戦目ということでお互いに疲れもある中、ロングゲームを勝ち切った土方の勢いが止まらない。逆に飯間は待たされたことがマイナスに働いてしまったか。試合は中盤以降土方が主導権を離さずに最終盤を迎え、土方が90-20から入れがなくなり遠くに離すセーフティ。

準優勝:飯間智也
直接の入れは薄い⑧しかなく、入る入らないにかかわらず行けばクラスターは割れてしまう。飯間、勝負に行ったが無念。土方残りを取り切って、5イニングのハイラン54で大会連覇のゴールを切った。通算では2018年からの大会3勝目だ。ハイラン賞は98点で土方が獲り、新潟から初参戦で9位タイに入った松原貴生がベストアマ賞獲得となった。

この優勝でランキング1位も堅守
共に36歳の土方隼斗と飯間智也。正直、二人の対戦をもっと観たいというのが筆者の思いなのだが、年内で可能性があるのはもう、東海グランプリ、ジャパンオープン、北陸オープン、全日本選手権の4試合しかないのが現実だ。しかし一度当たれば不思議と対戦は続くもの。次の舞台はナインボールか、テンボールか? これから長く続くであろうライヴァル物語を楽しみにしたい。
大会アーカイブ動画:JPBA YouTube
大会ライブスコア:14-1 All Japan Open Championship 2025