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小宮鐘之介に挑むのは増渕享士、球聖位決定戦は10時スタート

2024.04.21

第32期球聖戦 挑戦者決定戦@千葉・Anything

挑戦者として自身初のタイトル戦に挑む増渕享士

関東の桜は盛りを過ぎ、葉桜ばかりが目に付くようになった4月20日、千葉県松戸市の『Anything』にて、第32期球聖位決定戦の最終章が幕を開けた。明日21日の頂上決戦に先駆け、土曜日には東西代表による挑戦者決定戦がおこなわれた。

会場となっている千葉県松戸市の『Anything』

東の代表はA級戦決勝で昨年の挑戦者、持永隼史を競り落とした東京の増渕享士。増渕の戦歴を振り返ると、ちょうど10年前、2014年の『全日本アマチュアナインボール選手権』(全日本アマナイン)では決勝まで進むも、惜しくもヒルヒルで涙。2018年の『第1回東日本静岡9ボール』では優勝を果たしている。増渕はその後で東京のアマ連であるTPA入りし、翌年の第2回では2年連続優勝まであと一歩だった。増渕は関東ではその名の知れた強豪だが、JAPAタイトル戦に挑むのは初めてとなる。

対する西の代表は京都の西拓也。西はA級決勝で第29期の西代表、昨年のアマローテを制した石川の杉本優太を倒して東上を決めた。戦歴は、2006年の『京都オープン』で現プロの飯間智也を決勝で倒して優勝。2009年には京都チームのメンバーとして『全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権』連覇に貢献したが、その後に京都KRCは退会。昨年は『KANSAI 14-1』で優勝を果たしている。西も挑戦者決定戦に登場するのは初めてだ。フォーマットは例年と同じく、ナインボール7ラック先取の3セット先取。

西日本代表は西拓也

球歴20年を超えるベテラン同士の一戦。増渕のブレイクでスタートした第1セットは、増渕が5-4とリードしたが、西が逆転して最後は縦バンク一閃からの土手撞きロング⑨インという派手な決め手で先制。第2セット西がもすいすいとリードを拡げ、7-3で決めてセットカウントでリーチをかけた。

挑戦者決定戦はベテラン対決に

この後30分ほどの昼休憩が入ったのだが、この時点では明らかに勢いに乗っているのは西。滑るコンディションもあって、どちらもポジションには苦労していたが、第2セットで②カットを入れた手球が不思議な動きでスクラッチした増渕の方が修正し切れていなかったか。

西応援団と応援旗

しかし、簡単には結末が見えないのがタイトル戦だ。第3セットは冒頭からTPAを中心とした増渕応援団が躍動。熱い応援に後押しされて増渕も奮起して5-1とリードを奪う。西もマスワリ2発で6-4まで差を詰めたが、増渕がこのセットを取ってセットカウントは1-2に。第4セットは逃げる増渕、追う西という競る展開となり、西が5-5に追い付くも次がブレイクスクラッチで増渕がリーチ。第12ラックは西の⑤ミスから増渕が取り切り、西のこのセット3発のマスワリも実らずセットカウントはタイに。ちなみに第4セットまでのマスワリ数は西8の増渕2と西が圧倒していた。

増渕応援団と応援旗

2年連続でフルセットに突入した挑戦者決定戦、西が凌ぐか、増渕が捲るか。注目の第5セットオープニングは、西のブレイクスクラッチから増渕が3-0とリードする展開に。疲れの見える両者だが負けたくないのはどちらも同じ。西が4-3まで詰めれば、増渕も6-3とゴールに片手をかける。ここから増渕2回のファールで6-5。フルセットか? しかし、追い詰められる前に増渕が腹をくくり、気合いの縦バンクと腹切りバンクを決めて西の追撃を振り切ってみせた。激闘の結果、今期の球聖位決定戦は昨年に引き続き「東京決戦」となった。

 ホームで戦う小宮鐘之介を盤石の応援団が支える姿は昨年大きな話題にもなった。そして今年の増渕応援団も大いに盛り上がっている。日曜日のAnything、両応援団がどれくらい詰めかけるのか、ちょっと想像がつかない。決戦のスタートは10時だ。

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