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北谷好宏が西日本グランプリ二桁勝利に王手!

2023.12.12

グランプリウエスト第5戦@愛知・ダマデノッチェ、MARCY、JIN

北谷好宏は2023年グランプリ2勝目

12月10日の日曜日。愛知県東海市の『ダマデノッチェ』(予選は『MARCY』、『JIN』併用)において『西日本グランプリ(西GP)第5戦』が開催された。今年の西GPは『sesSion』、『ダマデノッチェ』、『sesSion』、『春岡クラブⅡ』と愛知、佐賀、愛知、佐賀と、西日本エリアを東西に大きく移動を交互に重ねての最終戦。

決勝会場となった『ダマデノッチェ』

開催店の意向で『引き球コンテスト』や『スピードガンコンテスト』なども行われ、北谷英貴プロを筆頭とするプロたちの軽妙なトークやパフォーマンスも手伝って、場内は爆笑の渦に包まれていた。またライブ配信には前回の同店開催時にも用いたアップルウォッチによる「心拍数表示」をさせて関心を集めていた。

結論から先に入ると、北谷好宏がファイナルで黒田祐介を封じてシリーズ2大会ぶり9度目の優勝を飾った(西日本プロツアー時代を含む)。

予選は14枠に分かれてテンボールの8ラック先取。今回はトップシード14名中、順当にベスト16に残ったのは、前出の北谷好、飯間智也、川端聡、山岡修二の4名のみという波乱が生じた。
これは「下剋上」の一面と「試合参加が限定的でランキングが(実力に対して)低い」ゲリラ軍的存在という二面に由来すると感じた。また高校生アマチュアである金澤蒼生の予選通過も特筆。

3位タイ・田中雅明

そして前回シードの原口俊行とスポンサーシードの森村雅一が加わった16名で決勝シングルがスタート。フォーマットはテンボールの3先を2回。1-1の場合は1先で決着というスリリングなものだ。

ベスト8に名を連ねたのは、枠順に森村、田中雅明、黒田祐介、曽我部光貴、飯間、山川英樹、松尾武司、北谷好という布陣。ここで、田中と黒田と北谷が2-0のセットカウントで快勝し、飯間と山川は1-1のフルセットから1ラック先取りのゲームを飯間が制して準決勝へ駒を進めた。

3位タイ・飯間智也

準決勝では田中と黒田が熱戦を繰り広げて1先勝負に及び、超のつくドラマティックな結末は黒田に軍配が上がる。一方、飯間と北谷の一戦は北谷が各セットを捲り勝つ形で2-0と押し切った。

黒田と北谷のファイナルは仕上がったハードブレイカー同士の対決とあって、どちらかがワンサイドで押し切る展開が予想された。蓋を開けてみると、北谷が主導権を握り、黒田も巻き返しを懸けた好ショットを随所に見せるも形勢をひっくり返すには至らず。

準優勝・黒田祐介

この北谷ペースが崩れなかった要因としては、北谷のリスクヘッジが奏功していたと窺えた。自身も試合後に「このフォーマット、ゲーム性は僕に向いていると感じた」と口にしたように、
「ワンミスで負けるかもしれない」緊張感が良い集中と判断につながっていた様子だった。

北谷はこれで西GP通算9勝目

「嬉しいの一言」と笑顔を見せた北谷。近年は「決勝戦で負けなくなってきた」と自身も感じる強さも増してきた。その様には元来持ち合わせるポテンシャルの高さが戦績に比例してきた印象も受ける。

西GPでは通算9勝目。東西で開催数は異なるものの、グランプリにおいては10勝を『名球会』的な目安にして良いのではないだろうか。また東西間で移籍をした選手の合算もしかりか。また決勝戦では惜しくも敗れたが、西GPの元祖・シューター的存在の黒田は、準決勝の田中戦でもココイチの超絶シュートを披露していた。これで今年の西GP、全5戦のファイナリストは全員が40代以上というベテラン王国。2024年シーズンは勢力図にどのような動きがあるのかにも要注目だ。

Akira TAKATA

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