ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

8名のルーキープロが誕生!〜その①〜

2023.12.07

実録! JPBA第58期 前期プロテスト@池袋・ビリヤード・ロサ

12月6日(水)、東京、大阪、愛知の3会場で、日本プロポケットビリヤード連盟(JPBA)の第58期 前期プロテストが行われました。

JPBAは現在、『日本オリンピック委員会』(JOC)の正加盟団体で日本の競技ビリヤードを統括する『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)の加盟競技団体として、日本で唯一ポケットビリヤード(プール)のプロプレイヤー資格を認定している、世界のビリヤード界とも繋がっている組織です。

JPBAプロには、トーナメントプロ、レッスンプロの2つがありますが、現在のトーナメントプロ数は男子191名、女子60名の計251名(11月20日時点)で、今回のプロテストを受験し合格した8名は2024年1月1日に正式なJPBAトーナメントプロの一員となり、国内公式戦や国際試合を戦っていくことになります。

ここでは、2回に渡って、JPBAのプロテストがどのようなもので、実際にどのように行われているかを見ていきながら、今回合格した8名のルーキーを紹介していきます。

プロテストは実技と筆記の2科目

JPBAは例年、6月と12月の年に2回プロテストを行っています。会場となるのはJPBAの各地方支部指定のビリヤード場(変更の場合もあり)で、6日は東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』(関東支部)、愛知県・豊田市の『ハスラー』、大阪府・大阪市の『タツミビリヤード』(関西支部)が会場となりました。

受験科目は実技と筆記に分かれていて、まず受験者は実技試験として、プールのプレーレベルが端的に数字でわかるボウラード(詳しいルールはこちら)を3ゲームプレーし、規定の合格点数に達することが求められます。男子トーナメントプロの合格点数は630点以上(1ゲームのアベレージ210点)、女子トーナメントプロは420点以上(アベレージ140点)となっており、ここで合格点に達しなければ即不合格となり、筆記試験に進むことはできません。

また、この実技試験については、アマチュアプレイヤーとして高い技量があることを証明する実績を持っている場合は免除となり、筆記試験のみに合格すれば晴れてプロ資格を取得することができます。

JPBAオフシャルサイトより

関東支部では5名が受験も実技試験は1人

この日のビリヤード・ロサでの受験者は、男子の岡部真作さん、渡部孝一さん、女子の黒沢杏さんの3名。この内、岡部さんと渡部さんは実技免除の実績を持っていたためにボウラードは免除。

左から岡部さん、渡部さん、黒澤さん

本来関東支部の受験者はもう2人いたのですが、6日が海外遠征に当たっていたため、1週前の11月29日に筆記を受験済み。そのため実技試験は黒澤さん1人が、試験官であるJPBA副理事長、本部事務局長、東日本ブロック長、関東支部長を兼任する岡田將輝プロが見守る中で長丁場の戦いに挑みました。

ハイプレッシャーの中での実技試験

編集部が現場に到着した13時、黒澤さんのボウラードは2ゲーム目が終了したところで、合計点は359点。3ゲーム目に61点以上のスコアを出せば実技合格という良いペースでした。過去の取材では、3ゲーム目終盤のワンショットで合否が分かれる場面も目にしましたが、今回は問題なさそうです。黒澤さんは休憩を取った後、3ゲーム目を192点で締めくくり、合計551点で見事実技試験合格となりました。

意外に頭を悩ませる筆記

実技試験の終了に合わせて、筆記のみの岡部さんと渡部さんが会場に到着。合格後の写真撮影に備えて2人ともスーツ姿です。

筆記試験の内容は部外秘なので公開することはできませんが、選択式、筆記式の両方がある試験問題は、用具やビリヤード界の様々な事象、プレーに関することなど、様々なビリヤードの基礎知識から一般常識問題までで構成されています。

制限時間60分で100点満点の筆記は80点以上が合格ライン。事前に予習をしてきた3名は、回答終了時間に差はあったものの、全員が合格し、事前受験の2人と合わせて、5名全員が晴れてJPBAプロとなる資格を手にしました。

JPBAプロとしての心構え

試験終了後は、新たにプロとしてのプレイヤー人生に踏み出す3名に対して、岡田副理事長から真新しいエンブレム、試合ではマストで装着しなければならないワッペンなどが手渡され、事務手続きから、JPBAプロとしての心構えまでの説明が丁寧になされました。

こうして関東支部でのプロテストは午後4時に終了。東海支部、関西支部での結果も入り、以下8名のルーキーが、早速JPBAオフィシャルサイト上で発表されたのでした。

左上から、林武志(関東支部/実技免除【2023年国スポ記念大会A級優勝】)、谷みいな(女子支部/実技免除【2023年国スポ記念大会女子級優勝】)、田代亮太(東海支部/実技免除【2023年ジャパンオープンベスト16】)、佐藤正行(関西支部/1度退会後の復帰】。左下から小田崎愛子(女子支部/実技テスト567点)、渡部孝一(関東支部/実技免除【2023年ジャパンオープンベスト128】)、黒澤杏(女子支部/実技テスト551点)、岡部真作(関東支部/実技免除【2023年ジャパンオープンベスト128】)

次回のその②では、2024年シーズンでデビューを飾る第58期ルーキーにもう少し詳しく迫っていきます。

ページトップへ