ウェブキューズはビリヤードの全てがわかる総合情報サイトです。

船木耕司が大会初優勝

2023.11.27

第32回 3Cジャパンカップ@東京・ニュー文化

船木耕司はこれで公式戦3連勝

北日本を中心に寒波が襲来した週末、JPBF秋のビッグイベント、「第32回 3Cジャパンカップ」が東京は世田谷区の「ニュー文化」を会場にして開催され、25、26日の両日、韓国とベトナムからの出場を含む48名が4台のガブリエルテーブルでキューを交えた。

会場となった『ニュー文化』

ガブリエルには日本ではまだ珍しい世界戦仕様の黒羅紗が張られ、見た感じは非常に締まった印象だ。選手達に話を聞いたが、色による違和感はほとんどなくむしろ撞きやすいということだった。

ガブリエルテーブルに張られた黒羅紗

フォーマットは30点先取のスリークッションシングルイリミネーションで、シードは前回優勝者の宮下崇生を含む8名。上位4名がベスト16から、続く4名がベスト32に相当する2回戦からの出場になる。

初日に注目を集め、ライブ配信テーブルでの試合となったのが韓国女子ランキング1位のキム・ハウン、若干18歳の若手プレイヤーだ。正直なところ、十代の女子のキャロムプレイヤーというのは日本ではほぼ存在しないからその強さの想像がつかなかったのだが、今回に関しては初来日ということもあってかその実力を発揮することは出来なかったようだ。

キム・ハウン

アマチュアの福本圭祐に29キュー、19-Wで敗れて初戦敗退となってしまった。ちなみに同じ週末には関西でポケットの全日本選手権が開催されていたが、韓国女子のソウ・ソアが上位に勝ち残れなかったことが韓国チームの中では大きな話題になっていたそうだ。

また、決勝日のベスト8前にはNBAとJPBFによる報奨金の授与式がおこなわれた。森陽一郎は3月にベトナムでおこなわれたアジア選手権ワンクッションで優勝、西本優子は9月にトルコでおこなわれた女子3C世界選手権で準優勝と、両選手の世界大会での活躍が対象となった。

表彰を受けた森陽一郎(左2)と西本優子(左3)

シード勢の登場となった二日目、今年の全日本3C選手権覇者の梅田竜二がベスト16でベトナムのグエン・タン・リアムに苦杯を喫してしまう波乱もあり、ベスト8に残ったのは日本4人,韓国3人,ベトナム1人。

ベスト4は日日対決と韓韓対決になり、現在ランキングトップを快走する宮下崇生を倒した竹島欧と、現韓国14位のチャ・ミョンホンを競り落とした船木耕司が対戦。試合は船木が序盤から徐々にリードを拡げて押し切った。

3位タイ・竹島欧

もう一方は韓国ランキング6位と20位の対戦となり、中盤まで一進一退の接戦になったが、6位のチョン・イエソンが上がり10点を決めてチョン・ソンイルを撃破。10月にソウルでおこなわれたワールドカップで3位に入った21歳のチョン・イエソンは初来日で決勝進出だ。

3位タイ・チョン・ソンイル

決勝は序盤の競り合いから船木が6点ランで12-5とリードを奪う。チョンは今ひとつコンディションに合わせきれないのか惜しいショットが続く。反対に船木はリズミカルに加点を重ね、26-16と上がりにあと一歩まで迫った。

準優勝・チョン・イエソン

しかしやはり勝負所はここからだった。船木が足踏みする間にじりじりとチョンが差を詰めて27-26となればもう勝負はの行方は分からない。しかし最後は船木が踏ん張って、上がりでは箱玉を綺麗に決めてフィニッシュ。これで船木8月の「NIKKA 5 OPEN」から公式戦3連勝&ジャパンカップ初優勝だ。

今回の船木の勝利で今年のMVP争いはより激しくなった。トップの宮下、全日本に勝った梅田、そこに好調の船木が加わった三つ巴の戦いに注目だ。年度最終戦「アダム杯全日本プロ3C選手権」は12月23日~24日、ニュー文化で開催される。

ジャパンカップ入賞者。後列左から5位タイ宮下崇生、新井達雄、グエン・タン・リアム。前列左から3位タイ・チョン・ソンイル、準優勝・チョン・イエソン、優勝・船木耕司、3位タイ・竹島欧、5位タイ・チャ・ミョンホン

On the hill!

 

ページトップへ
×