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羅立文、曽根恭子が戴冠

2023.10.23

第34回北陸オープン@富山・石川

羅立文は北陸初制覇、曽根恭子は26年ぶり2度目の優勝

10月22日(日)は『第34回北陸オープン』の決勝日。朝一の第1回転で「ネッツトヨタ富山」本社敷地内にある「スカイドーム」に集まったのは女子ベスト8のプレイヤー達。女子のフォーマットはナインボール7ラック先取だ。

決勝会場となった『ネッツスカイドーム』

前回優勝の河原千尋と平口結貴が女子テンボール世界選手権参加のため不在となった今回、優勝候補最右翼と目されたのは今期3勝の栗林美幸。しかし栗林はベスト8で山内公子にヒルヒルに追い付かれ、最後は綺麗なマスワリを出されて5位タイ。またジャパンオープンの覇者、青木知枝はベスト16で溝口清美に敗れて決勝日に進めず。今期2勝の小西さみあもベスト16で曽根恭子に敗退。

3位タイ・山内公子

3位タイ・奥田玲生

ベスト4に残ったのは、大会初優勝を目指す山内公子、奥田玲生、村松さくらと、勝てば2勝目となる曽根。準決勝は曽根が山内を下して2014年以来の決勝進出を決め、公式戦初優勝を狙う若手の対決は村松に軍配が上がった。村松は公式戦初ファイナルだ。

初優勝出来るかどうかには運も大きく関係する。今回の曽根のように相手が豊富な優勝経験を持つ場合、チャレンジャーには厳しいことになるのだが、決勝の村松は1-1から4連取と大量リードを奪うことに成功。しかし6-1にする薄くなった⑧を穴前に残したところから流れが変わってしまう。

準優勝・村松さくら

何度も村松に手番が回ったのだが村松が決めきれないまま曽根が得点を重ね、遂に6-5と逆転。そしてブレイクがなんと①-⑤-⑨コンビ配置。曽根、実に26年ぶりとなる大会2勝目を飾った。実はその初優勝が1997年の北陸オープン女子の第1回大会。コロナ明けの節目を祝うにふさわしい優勝だったと言えるだろう。

決勝日一回転目のベスト16が『フィレンツェネオ』『ANTS』の両店舗での開催となった男子のフォーマットはナインボール8ラック先取。男子は大井直幸と土方隼斗がエイトボール世界選手権参戦で不在。前回優勝の赤狩山幸男はベスト16でジュリアン・セラディラに敗れて決勝会場に辿り着けなかった。

3位タイ・小川徳郎

3位タイ・林武志

そのセラディラはベスト8で羅立文とヒルヒルになり、最後のブレイクは取り切り配置に見えたのだが取り切れず、今期3勝目ならず。勝った羅立文はベスト4でこの冬のプロ入りを目指す林武志を倒して2014年以来の決勝進出を果たす。

反対の山を上がってきたのはベスト8で杉原匡、ベスト4で小川徳郎に勝った吉岡正登。吉岡の公式戦決勝進出は2021年3月のグランプリウェスト以来となる。決勝は出だしで2-0とリードを奪った羅がそのままリードを守り切って大会初優勝。吉岡も勝てば初優勝だったのだが、流れを変えられなかった。

準優勝・吉岡正登

羅が北陸に勝ってなかったのも正直驚いたが、羅にとってこれが今年の初優勝というのにもびっくり。今期これまで、14-1とグランプリイーストで計4回準優勝と悔しい思いを重ねてきただけに、優勝の喜びも大きかったに違いない。

それぞれのオープン戦にはその地方の特色が色濃く出る。コロナ前、北陸オープンを際立たせていたのは北陸3県のプロとアマの団結力だった。そして素晴らしいことに、4年ぶりの開催となった今回もそれが全く変わらなかった。特設で大会を開催するためには様々な問題をクリアしなければならないのだが、さすが北陸、全く不備を感じさせない見事な大会運営をやってみせた。関係者の尽力には本当に頭が下がる思いだ。また来年、宜しくお願いします。

さあ、次なるJPBA公式戦はこちらも4年ぶりの開催となる全日本選手権。2023年を締め括る熱戦に期待したい。

On the hill!

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