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手球のアーティスト健在

2023.06.01

2023 西日本グランプリ第2戦

5月28日(日)に愛知県東海市の『ダマデノッチェ』(予選は県内複数店舗併用)において、『西日本グランプリ(西GP)第2戦』が開催された。
今年の西GPは全5戦を予定していて、開催県の内訳は愛知県が3回、佐賀県が2回と、地域的に東西へ大きく振れた状態。
3月に行われた西GP2023シーズン開幕戦の佐賀では、浅野正人が本シリーズ5大会ぶり2度目の優勝を飾り、今回は決勝ベスト16からのシード参戦に。
また開催店シードとして兼子光友が同様に予選免除での参戦となった。なお今回はナインボールのコールショット、交互ブレイクというフォーマットが採用された。

会場『ダマデノッチェ』

全14組に分かれて行われた予選はダマデノッチェ予選の全4組のみトップシードが揃って勝ち抜けたが、他会場ではやや荒れた展開に。
『Be Cool』会場では3組中2組がトップ抜け、『JIN』会場では3組中1組のみ、そして『MARCY』会場の4組はトップシード4名全員が姿を消した。
トータルで14組中でトップシードが勝ち抜けたのは7組で、トップシードの通過率50%というのは、おそらく近年でもっとも低い数字だろう。
この『下剋上』は新勢力の台頭というよりは、不参加等でランキングを下げていた実力者という傾向が強かったように感じる。その筆頭が田中雅明で、過去に西GPで二桁優勝を飾ったプロがセカンドシードの位置にいては波乱も起こるというものだ。

3位タイ:有田秀彰

こうして出揃った決勝ベスト16は夕方にスタート。この第一関門を突破してベスト8へ進出したのは、枠順に浅野、松尾武司、竹中寛、杉原匡、北谷英貴、有田秀彰、田中、山岡修二という面々。
ここで浅野と竹中は揃って7-2のスコアで松尾、杉原を下して早々に準決勝行きを決めた。一方で混戦となった田中ー山岡戦は田中が終盤に3連取を決めて7-5。
さらにヒルヒルの大熱戦へともつれ込んだ北谷ー有田は終盤で追い上げた北谷が最終ラックでまさかのミスキューが出て万事休す。有田が西日本移籍後初となる表彰台を決めた。

3位タイ:竹中寛

続く準決勝では高校の先輩後輩(1学年違い)に当たり普段から仲がよい浅野と竹中、もう一つの山では公式戦での対戦は5年以上ぶりとなる有田と田中の対戦に。
先行した浅野は先輩・竹中にリードを許すことなく7-4のスコアで2戦連続優勝まであと1つとする。有田と田中の試合は中盤まで五分で進むが、終盤で田中が3連取を決めて7-3として、浅野ー田中の初ファイナルカードが実現した。

田中の公式戦決勝進出は2019年の西GP第5戦以来。浅野との前回の対決は一昨年の西GP第1戦で、その時は浅野が勝利を収めてそのまま公式戦初優勝を飾っている。

準優勝:浅野正人

田中のブレイクで始まったファイナルは、田中にらしくないシュートミスも出たものの2-0と先行。続く第3ラックはブレイク直後の出番から浅野が取り切って2-1。
しかし第4ラックでは浅野のプッシュアウトをパスした田中が①から取り切って3-1とリードを広げ、第5ラックでももつれた配置から②でチャンスを得た田中が取り切り4-1とリードして試合を折り返した。
さらに第6ラックで浅野がブレイクスクラッチを喫すると田中が逃さずランナウトを決めて5-1、さらにマスワリで6-1。第8ラックは浅野のブレイク後に取り出しの②でセーフティ戦を含む攻防、さらに⑤のセーフティ戦を経て、最後のチャンスを得た田中が取り切り自身5年ぶり14度目となる西GP優勝を飾った。

優勝:田中雅明

表彰式後に安堵の表情でインタビューに応じた田中は、「今日は1日を通して優勝できるイメージはなかったです」と、この日の出来については満足のいくものではなかったことをほのめかした。
しかし決勝戦終盤の精緻な手球のコントロールは流石の一言。近年、大会参加も限定的で戦績への執着が薄れていたことも追い風となったかもしれないし、もしかすると自身初の大会2連覇を狙った浅野の方が重圧を背負ったかもしれない。
いずれにしても2戦連続でファイナリストになった浅野が、現時点で西GPの主役の座にいると見て間違いないだろう。残る3戦で西のランキングはどう動いていくのか?
今回は目立たなかったプロの中にも実力者は大勢隠れている。もちろん表彰台に立った竹中、有田も「次こそは」と思っていることだろう。
ここから夏には再び佐賀で、以降は秋、冬と愛知を舞台に2戦行われる予定。隠れスターが多い西GPにもぜひ注目していただきたい。

左から3位タイ:有田秀彰、優勝:田中雅明、準優勝:浅野正人、3位タイ:竹中寛

写真・文/Akira TAKATA

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