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河原千尋、3年4ヵ月ぶりの公式戦優勝!

2023.05.29

第34回大阪クイーンズオープン

「初優勝の時より嬉しかったかもしれません」 激闘を制した勝者はそう歓喜の瞬間を振り返ってくれた。
『第34回大阪クイーンズオープン』は、マグスミノエを会場に、プロ30名とアマ25名の計55名が集って、5月27、28日(土・日)に開催された。JPBA女子ツアーとしては今期5戦目となる。フォーマットはナインボールの勝者ブレイクで予選ダブルイリミが6先、ベスト16からのシングルが7先だ。

会場『マグスミノエ』

『マグスミノエ』は今期初戦となった関西レディーオープンでも決勝会場として使われていたが、そこで久々の勝利を飾ったのが小西さみあ。2週間前の『全日本女子プロツアー第2戦』千葉では決勝で平口結貴に敗れて準優勝だったが、今回は初戦でマグスミノエ専属プロの浜西由希子に敗れて裏に回り、敗者3回戦では高木まき子に逆転ヒルヒル勝ちしたものの、敗者最終で奥田玲生に敗れてシングルに進めず。

3位タイ:奥田玲生

3月の『全日本女子プロツアー第1戦』大阪で初めて決勝を撞いた奥田は3戦ぶりの決勝日残り。ベスト8ではその大阪決勝で涙を飲まされた栗林美幸にリベンジしたものの、ベスト4で平口に敗れて2度目の決勝進出はならなかった。

3位タイ:高田奈実

ツアー連勝を目指す平口の対戦相手に名乗りを挙げたのは第1シードの河原千尋だ。河原は予選勝者最終で髙田奈実にヒルヒル惜敗したものの敗者側からシングル入り。ベスト8の久保田知子、ベスト4の髙田を連続完封で決勝に上がって来た。リベンジに遭った髙田は「ライブ配信テーブルだったのに、マスワリを5発も出されてほとんど映りませんでした」と嘆く。しかしランキング1位を一度は倒して自身初となる3位タイフィニッシュと結果を出したことは次回以降への自信になっただろう。

決勝でも河原の勢いは止まらない。第3ラックまでで、ベスト16から通算19連取を記録して3-1リード。そこから更に3連取で一気にリーチをかけたが、取り切りにかかった2番入れラッチで流れが変わってしまう。平口は逆転勝ちを目指して4連取で6-5とするも無念のブレイクスクラッチ。トラブルもなく、万事休すかと思われたがちょっと薄くした⑤を河原がミス。

準優勝:平口結貴

平口はこの日3度目のヒルヒル突入だ。河原が凌ぐか、平口が捲るのか、注目のブレイクは……。まさかまさかのブレイクスクラッチ。河原、今度は意地をみせて取り切り。河原のツアー優勝は何と3年4ヵ月前の2020年1月におこなわれた『関西レディースオープン』以来、実に11戦ぶりだという事実には驚かされる。

優勝:河原千尋

冒頭のように喜びを露わにした河原は、「ヒルヒルの平口ブレイクの時は本当に何も考えてなかったですね。回って来なかったとしても最後まで自分の気持ちを切らさないようにと、それだけでした」。連勝まであと一歩だった平口は、「やっぱり緊張もあったのか、ブレイクをコントロールできなかったことでスクラッチになってしまいました。まだまだ練習不足なんだなと思います」と激戦を振り返ってくれた。

左から3位タイ:高田奈実、優勝:河原千尋、準優勝:平口結貴、3位タイ:奥田玲生

ツアー5戦で優勝者は4名。果たして混戦を抜け出して年末にトップに立つのは誰なのか。次回ツアーは6月半ばの名古屋での全日本女子プロツアー第3戦だ。

写真・文/On the hill!

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