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死闘を制した小宮鐘之介が連続防衛!

2023.04.24

第31期球聖戦 球聖位決定戦@千葉・Anything

これで3期連続でタイトル保持となった小宮鐘之介

4月23日(日)、千葉県の『Anything』でおこなわれた『第31期球聖位決定戦』は稀に見る大激戦となった。タイトル防衛に成功した小宮鐘之介はこれで第29期から3期連続で球聖位を保持することになった。
10年ぶりの球聖位挑戦となった持永隼史だったが、今回も戴冠はあと一歩で叶わなかった。

大激戦の会場となった『Anything』

熱戦が決着したのはJAPA公式記録によれば21時40分。YouTube Live の同時視聴者数は最終ラックの段階で実に2900人を突破。二人は計101ラックでキューを交え、それぞれのマスワリ数は小宮が22の持永が18。実に全ラックの4割でマスワリを出した計算になる。

この日も素晴らしいプレーを見せた持永隼史

球聖位決定戦でフルセットの最終ラックまで縺れ込むことなどそうそうないと思われるかもしれないが、筆者が経験しただけでも第23期、第26期に続いてこれが3回目。会場内が静まり返った23期、まさかのフロックイン決着で拍子抜けした26期、そして今期の心地良い歓喜に包まれた熱狂……。

小宮もホームの応援団をバックに最後まで渾身のプレーを続けた

ライブ観戦していて違和感を持たれた方もいたかもしれないが、会場内の雰囲気はとても良いものだった。もちろん小宮のホームというアドヴァンテージはあったにせよ、大勢の小宮応援団は持永のスーパーショットにも持永応援団に負けず劣らずの歓喜の声を上げ、熱い拍手を送っていた。筆者のように毎週末大会の会場にいる者からすれば、むしろ毎回こうであって欲しいと思うくらいの素晴らしい応援だった。

試合を振り返ると、まず第1セットのヒルヒルを制し、第2セットも取った持永が2-0でリード。持永はこの2セットで実にマスワリ8発を記録している。しかし5セット先取はロングゲーム。小宮が2セット連取して追い付いてからは、もう取っては取り返すの大接戦となった。

互いに譲らぬ2人の戦いは12時間近くに及んだ

それまですいすい進んでいた展開が一気に重くなったのが、持永が4-3とリーチをかけた第8セット。リードした持永、後がない小宮、どちらにもプレッシャーがかかってなかなか撞けない。そう、これが本来のタイトル戦。マスワリ率4割の頂上決戦が異常、いや素晴らし過ぎるのだ。

最終セットは持永が6-4でタイトルに片手を掛ける。しかし小宮がマスワリで6-5。続く持永のブレイクは取り出し①が隠れ、ジャンプでいくもファウルとなり6-6。最終ラックの小宮ブレイクも取り出しが隠れる。小宮の①セーフティは見えた。持永サイドバンク……決まらずオープン。小宮取り切って、球聖位連続防衛に成功!

試合後、「自分がタイトル戦のフルセット最終ラックを撞くことになるなんて想像もしなかったです!」と興奮気味に話してくれた小宮。両者のコメントなどは次号のキューズ本誌でまとめてお伝えします。
JAPAの年間イベント、次は6月10~11日(土・日)におこなわれる都道府県対抗。今年は計40チームの出場が既にアナウンスされている。残念ながら球聖位の参戦はないが、今年も「連盟員の甲子園」は熱く盛り上がることだろう。

上から、持永応援団、小宮応援団、小宮の応援旗

On the hill!

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