2021年は喜島安広がアマチュアタイトル3勝を飾る!
2021年アマチュアビリヤードプレーバック
『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)並びに『日本アマチュアポケットビリヤード連盟』(JAPA)が主催として開催されたアマチュア公式戦。全国各地、老若男女問わずビリヤードに魅了されたアマチュアプレイヤー達が熱い戦いを繰り広げられた2021年を一挙振り返る。
嬉しい初のアマチュア全国タイトルを獲得した梶原愛
アマチュア主要タイトルの内、1年で最も早く開催されるのが『球聖・女流球聖戦』。通年であれば、4月頃に開催される本大会。新型コロナウイルスの影響でスケジュール変更を余儀なくされ、2019年4月7日(日)に開催された『第11期女流球聖位決定戦』から「第12期」が開催されたのは2020年11月29日(日)で、2021年度は開催されていない。その大会で、第11期女流球聖位・丸岡文子を退けて第12期女流球聖に就いたのは、梶原愛だった。ナインボール7ラック・4セット先取というロングフォーマットの中、第1、第2セットとヒルヒルで互いにセットを取り合う展開から、梶原が第3セットを7?0、第4セットを7?3と取りリーチ。最終セットは1?5からの6連取でセットを奪い、戴冠となった。
現名人位でもある喜島が強さを見せつけての4連覇
コロナ禍の影響で『球聖戦』は延期、特設会場で開催される『第56回全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権』は中止となり、次にアマチュアタイトル戦が開催されたのは、2021年9月11日?12日(土・日)の『第22回マスターズ』。大会4連覇を懸けた喜島安広と磯朋如の決勝戦。記録を積み重ねるプレッシャーをはね除けて喜島が見事優勝を飾った。
喜島安広が2期連続防衛
2021年はスケジュール変更もあり、秋に主要タイトル戦が密集する恰好となった。9月26日(日)には埼玉の『セスパ東大宮』で『第60期 名人位決定戦』が開催。59期名人の喜島安広が挑戦者の木村善広をセットカウント5-2で撃破。喜島は第58期の名人位奪取から2期連続での防衛に成功し、通算獲得期数を「4」に伸ばした。
初挑戦でタイトルを獲得した小宮鐘之介
10月10日(日)、東京の『AZ.Place』で『第29期 球聖位決定戦』が行われた。前日の「挑戦者決定戦」で挑戦権を得た小宮鐘之介がこの日も躍動。第1セットを奪われるも、そこから5セット連取で第28期球聖・小笠原晋吾を倒し、小宮が初挑戦にしてJAPAタイトル獲得となった。
左からA級優勝・喜島安広、女子旧優勝・坂田夕紀、B級優勝・宮本琉成
11月6日?7日(土・日)、の愛知県の『名東スポーツセンター』の特設会場で『第68回全日本アマチュアポケットビリヤード選手権大会』(通称:アマローテ)が開催。コロナ禍以降、ビリヤード業界全体で見ても特設会場で大会が再開されたのはこのアマローテが初めて。ローテーションゲームでA、B、女子級の3部門、A級は180点、B級・女子級は120点ゲームによって争われるフォーマット。
会場となった『名東スポーツセンター』
まずB級では、宮本琉成が一度は敗者側に回るも、そこから11連勝で公式戦優勝を飾った。女子級、神奈川の坂田夕紀と女流球聖戦挑戦者決定戦まです進んだ大阪の増田真紀子との一戦は、一進一退の攻防から坂田がフィニッシュを決め、嬉しいアマチュアタイトル初優勝を飾った。A級では、今年タイトル2冠の喜島安広がベスト8で敗戦を喫し、敗者側へ。しかしここから、9月に名人位決定戦を戦った愛知の木村善広との接戦を制し、勝者側で敗戦した秋本真吾にリベンジを果たし、敗者最終では現球聖位、小宮鐘之介を抑え込んで決勝へ。決勝は2015年から国体記念大会3連覇という記録を持つ島田隆嗣を下して10年ぶりの大会2勝目を飾った。
2021年のアマチュアビリヤード界は、球聖、女流球聖と新たな王者が誕生した一方で、今秋のマスターズ、名人位、アマローテとタイトル3勝を挙げた喜島が際立つ1年となった。また、緊急事態宣言が解除された秋以降の連戦によって、ビリヤード業界が盛り上がるトピックスとなったことは間違いない。2022年は、今年開催されなかった大会も含め、さらに盛り上がりを見せるアマチュアビリヤードに期待だ。