西日本のスピード・スター、山川英樹が優勝!
JPBA YouTube Liveイベント@大阪・タツミ
久々に大阪で行われたJPBAプロによるトーナメントを制したのは山川英樹
10月17日の日曜日。大阪の『タツミ』において『JPBA YouTube Liveイベント』が開催された。これはコロナ禍で試合開催を控える期間が長く続いたため、「移動距離や人数を少なくしたリスクを抑えたイベントの開催を」(大江明西日本ブロック長)という主旨の下で企画されたもの。出場資格は、JPBA会員で関西支部と中国支部所属であること。結果、関西支部から16名のプロが出場した。
会場となった『タツミ』
フォーマットは海外戦を参考にテンボール4ラック先取の2セット先取り。セットカウントが1-1になった場合はシュートアウトを採用し、その頻度は高くなかったものの、シュートアウトになると歓喜や悲哀の声が漏れ聞こえて盛り上がりを感じさせた。
3位タイ・浜田翔介
抽選はランキング上位4人のみ振り分けて、残る12枠を完全抽選にしたところ、奇しくも2名の女子プロ(河原千尋、元廣麗子)が1回戦で対戦に。ここは河原が不動のランキング1位の貫録を見せた。河原は2回戦でトップシードの竹中寛と対戦。実は昨夏にJPBAが企画した『JPBA on-line POOL』の決勝戦と同一のカードで、今回も競り合う好ゲームとなったが、竹中が踏ん張って1年越しのリベンジを果たした。竹中以外の四強入りは、シード枠から山川英樹と斎藤慎太郎が残り、あと一枠には2017年に西日本グランプリで優勝経験を持つ浜田翔介が入った。
3位タイ・竹中寛
また当日はイベントのタイトル通りにYouTube配信が行われ、実況にはJPBA女子ブロック長を務める光岡純子プロを起用。回転毎に解説担当を代えながら、バリエーションに富んだ番組構成作りに臨んだことが窺えた。また本イベント開催に際し「協賛を募ったところ輝電工、土岩建装、ZAN PLUS、A.clever(順不同・敬称略)の4社が主旨に賛同して下さいました。厚く御礼を申し上げます」(大江ブロック長)と、後方支援も得られて再開イベントとして態勢が整っていたことも示された。
この日の実況は光岡純子が務めた
さて、試合の方は公式戦で優勝経験がない山川と斎藤のファイナルに。山川は軽快なテンポのランナウトを武器に、2018年の北海道オープンを含んで過去2度の準優勝。対する斎藤も昨年に唯一開催された西日本グランプリで3位タイにつけるなど、揃って初優勝が近いと目されるポジションにいる注目のカード。そしてフルゲーム(3-3)で迎えた第1セットの最終ラックで、斎藤がきれいに取り切ったと思われた10番でまさかのミス。第2セットもフルゲームとなり、アドバンテージを持つ山川が難しい取り出しをこなすと、尻上がりにスピードを上げマスワリで優勝を飾った。1セット目の10番を斎藤が決めていたら。「たら」「れば」は禁物だが、第2セットがどのような展開になっていたのか興味深いところ。
準優勝・斎藤慎太郎
優勝した山川は「嬉しいです。でも、やっぱり公式戦で優勝したいですね」と、サバサバとした表情でコメント。西日本では12月に愛知県で今年2戦目となる西日本グランプリ』の開催を予定している。また大江ブロック長によると「来年は関西オープンを皮切りに、通常の年間スケジュールで試合を開催できるよう準備を進めています。新型ウイルスの影響で思うように試合を開催できない期間が続きましたが、変わらず応援して下さるファンの皆様のご期待に応えられるよう、団体も選手も備えていきます」とのこと。ここに来て感染拡大が収まってきた感のあるコロナウイルス。山川が見せた高速取り切りのようなスピード決着に期待したい。
Akira TAKATA