羅立文が10年ぶりの日本一に向け好発進!
第31回関西オープン@大阪・玉出ビリヤードACE
幸先良いスタートを切った羅立文
1月25日~26日(土・日)の両日、JPBAの2020年シーズン開幕戦となる『関西オープン』が、大阪の『玉出ビリヤードACE』(予選は他複数会場併用)において開催された。男女共催で行われるこの大会。今日はプロアマ合わせて189人がエントリーをした男子の部のレポートをお届けする。
決勝会場となった『玉出ビリヤードACE』
16の組に分かれて行われる初日の予選を通過できるのは各組1名のみ。昨年の日本ランキング1位である吉岡正登や同じく9位の小川徳郎を欠いたものの、他の上位陣はほぼ揃って決勝日に進出を果たしてその力を見せつける格好に。なお大井直幸(同6位)は『ダービーシティクラシック』出場のために渡米して不出場となった。
3位タイ・川端聡
朝一番の回転を終えてベスト8へ進出を果たしたのは、枠順に栗林達、アントニオ・リニング、赤狩山幸男、飯間智也、早瀬優治、羅立文、川端聡、竹中寛という面々。この中で本大会優勝経験があるのは栗林、羅、川端の3人のみ。最年長はリニングの56歳、最年少は飯間で31歳で、平均年齢は43.5歳。
3位タイ・栗林達
ここで最年長のリニングは37歳の栗林が、最年少の飯間は44歳の赤狩山がそれぞれ壁となる格好で敗れる。また早瀬は羅との東日本対決に、竹中は川端との西日本対決に敗れて終了となり、準決勝は栗林vs赤狩山、羅vs川端のカードとなった。この4人は全員が昨年トップテン入りを果たしていて、表彰台に上がった回数を4人合計すると325回に及び、まさに優勝候補が出揃った印象だ。
ともに2011年に東日本へ移籍した西日本出身者という共通点を持つ栗林と赤狩山の対戦は、序盤で7-2と大きくリードを奪った赤狩山が逃げ切り勝利を収める。一方の羅と川端のゲームは中盤で6連続ポイントを挙げた羅がアドバンテージを守る格好で決勝戦へ駒を進めた。どちらも交互ブレイクのセーフティリードを守り切る展開に。
準優勝・赤狩山幸男
世界チャンピオンの赤狩山とアジア選手権3連覇の羅が決勝戦で対戦するのは今回が初。赤狩山のブレイクでスタートしたファイナルは、ともに5連続ポイントが出るという、交互ブレイクで両者のレベルでは珍しい流れを経て終盤に。5連取で6-7と迫る赤狩山の反撃ムードが強まっていたが、第14ラック目のブレイクは取り出しの1番が攻められずプッシュアウトを選択。これを「お客さんのためにスピーディーなプレーをしたかったが、納得のできるまで構え直しができたことも収穫のひとつだった」と羅が約3分を使って見事なシュート&ポジションを決め、これを取り切って王手をかけた。
そんな勝負の一球を決めた羅。次ラックのブレイクで取り出しの1番はセーフティを余儀なくされるも、白熱したセーフティ戦を制するとランアウトを決めて、本大会10年ぶり2度目の優勝を飾り、同時に10年ぶり2度目の日本ランキング1位奪取へも好スタートを切った。
大会入賞者。左から栗林、赤狩山、羅、川端、ベストアマ:林秀忠(プールステーション)
「この大会では10年前に優勝をしてから5回の3位タイを経験していたので本当に嬉しい優勝です。最近は教える中で新しいメソッドの気づきもあり自分自身も成長を感じています。開幕戦に勝てたことは大きいので日本一に向けて頑張りますので皆さん応援をよろしくお願いします」と爽やかな笑顔で語った羅。一方、準優勝の赤狩山は「例年通りコツコツやります」と穏やかに短くにまとめた。
2人のファイナリストに限らずプレーもキャラクターにも個性が光るスタープレイヤーを多く擁するJPBAの
2020年ランキングレースの行方が楽しみだ。
Akira TAKATA