アメリカが3勝2敗でトータル5-5のタイに!
現地時間25日(月)よりアメリカ・ラスベガスの『マンダレイ・ベイ リゾート&カジノ』にて行われている『partypoker Mosconi Cup XXVI』の2日目が終了した。結果はアメリカがエース、シェーン・バン・ボーニングの活躍もあり、トータルスコアを5-5のタイとした。
ファン投票によって1対戦目に出場したヨシュア・フィラー(ドイツ)はボーニングを5-1で破り、その期待に応えた
2日目の初戦に行われたシングルスマッチは恒例のファン投票によって対戦カードを決定した。その結果、アメリカはエースのボーニング、ヨーロッパは現ナインボール世界王者のヨシュア・フィラー(ドイツ)という豪華なマッチが実現。試合はボーニングのブレイクで始まったがスクラッチによりフィラーにターンが移ると、1日目同様テンポ良く全球を取り切り1-0。第2ラックもマスワリで取り、第3ラックは完璧なセーフティでボーニングのミスを誘い、瞬く間に3-0とリードを広げた。
第4ラックはフィラーブレイクだったがノーインとなり、ボーニングが順調に?から取っていったが、距離のあった?で痛恨のシュートミスとなり、ラッキーな形でフィラーが4-0と王手をかけた。第5ラックはボーニングが獲得したものの、第6ラックでは再びシュートミスが出てしまい万事休す。5-1でフィラーが勝利しヨーロッパがトータル4-2とリードを広げた。
アメリカが優勝するにはこの男の活躍が不可欠だ
続く第2対戦目はダブルスが行われ、アメリカはジャスティン・バーグマンと、初戦に出場したボーニングがペアを組んだ。対するヨーロッパはジェイソン・ショウ(スコットランド)とこちらも初戦に登場したフィラーがダブルスでも登場し、ボーニングとフィラーは2試合連続のマッチアップとなった。試合は第1ラックこそヨーロッパが取ったが、その後はバーグマン・ボーニングともに落ち着いて試合を進め、ペアにミスがあっても見事にリカバリーしていき5ラック連取で試合終了。チームの年長2人がアメリカを勇気付ける1勝をもぎ取った。
試合後のインタビューでボーニングは「フィラーが連続で出場したので、なんとしても彼を止める必要がありました」とコメント。また、バーグマンは「負けたら2-5となっていたのでどうしても勝たなければいけませんでした。シェーンは今日、3回出場しますが彼と対戦したいと思う選手はいないでしょう」と語り、自チームの大エースに全幅の信頼を寄せていた。
エクレント・カチ(アルバニア)
続く3対戦目のシングルスはタイラー・スタイヤーとエクレント・カチ(アルバニア)の対戦に。これは5-1でカチが勝利した。彼の母国アルバニアでは現地時間26日に約50年ぶりとなるマグニチュード6越えの地震が起こり、彼の家族も被災した。そのことについてカチは試合後「アルバニアでは大きな地震が起こり、多くの建物が破壊され、たくさんの方が亡くなりました。私の家族は全員大丈夫だったということを聞き、非常にうれしく思っています。アルバニアの全ての人の無事を祈っています。」とインタビューで語っていた。
ビリー・ソープ(左)とスカイラー・ウッドワード(右)
続く第4対戦。アメリカはビリー・ソープ&スカイラー・ウッドワード、ヨーロッパはアレキサンダー・カザキス(ギリシャ)&ニールス・フェイエン(オランダ)が登場。これ以上離される訳にはいかないアメリカは、この試合何度もセーフティ合戦となったが落ち着いてこなして試合を優位に進めると、反対に過去4度の大会MVPを受賞しているフェイエンはらしくない手球のポジショニングミスを犯し、カザキスにもシュートミスやセーフティ合戦で相手にチャンスを渡してしまうなど、歯車が噛み合わないままこの試合も5-1でアメリカが勝利。トータルスコアは4-5に。
試合後には観衆から『S-V-B』コールが巻き起こった。これもボーニングがエースたる所以だ
点差を埋めて2日目を終わらせたいアメリカは、最終戦(シングルス)にエース、ボーニングを送り込む。対してヨーロッパは前対戦に出場したカザキスが出場。第1ラックはカザキスが巧みなセーフティでボーニングを追いつめて獲得すると、第2ラックはボーニングブレイク。1対戦目と同様、手球は的球に蹴られてポケットへ。これでよりカザキスが有利になるかに思われたが、途中の?をシュートミスしてしまいボーニングが残りの球を取り切って1-1。その後もボーニングが高い集中力とショット精度でカザキスを攻守共に圧倒し5-1で終了。試合後はギャラリーから『S-V-B!』(シェーン・バン・ボーニングの頭文字)コールが起こり、ボーニングの名前が会場中に響き渡った。
今年はどちらが勝つのか非常に予想が難しい大会となっており、満員の会場はいつになく盛り上がりを見せている。アメリカの2年連続優勝”リピート”となるのか、それともヨーロッパのタイトル奪還”リベンジ”となるのか。明日もぜひ注目して頂きたい。日本ではDAZNで視聴することが可能だ。
Photo by JP Parmentier/Matchroom Multi Sport