【訃報】日本キャロム界の巨星、小林伸明氏、逝去
小林伸明氏
日本人初のスリークッション世界チャンピオンであり、『ビリヤード小林』・『Kobby’s Billiards』の創設者として国内のキャロム発展に多大な功績を残された小林伸明氏が11月25日に逝去されました、享年77歳。
2002年アジア競技大会に出場された時の小林氏(当時60歳)
小林氏は1962年に当時20歳の若さでプロ入りを果たすと、7年後の69年には『全日本スリークッション選手権大会』で初優勝。以降、71年~74年に同大会4連覇、82年~83年に連覇、93年~94年に3連覇を果たすなど、計13回、全日本のタイトルを獲得。また、その活躍は国内だけに留まらず、74年、84年に『世界スリークッション選手権』で優勝(準優勝9回)。特に74年は決勝で『キャロムビリヤードの神様』として名高いレイモンド・クールマンス(ベルギー)を破っての初戴冠でした。その他にも81年・85年・92年に『世界スリークッション選手権 国別対抗戦』で優勝、02年には『アジア競技大会』で銅メダルを獲得。こうした功績を讃え、12年には『BCJ Hall of Fame』に選出され、当時5人目となる日本撞球殿堂入りを果たしました。
エムルーラ・バシュエメス選手とのエキシビジョンマッチに登場した小林氏
近年ではキューを握ることが少なくなっていましたが、10月7日(月)に東京・新大久保の『ビリヤード小林』で行われた『エムルーラ・バシュエメス(トルコ)来日記念イベント』ではエキシビジョンマッチに参加。イベント終了後、バシュエメス選手は「小林伸明さんのような世界を代表する選手と試合をできたことは非常に光栄で、私にとって特別な日となりました」とコメントを残しました。
また、上記イベントの1週間後に行われた『第18回全日本シニアスリークッション選手権大会』で09年以来10年ぶりに公式戦に出場されると、11月16日には『第30回全日本プロスリークッション選手権大会 ADAM JAPAN杯』を会場で観戦され、選手を鼓舞・激励されていました。
歴代世界選手権者達による豪華な1枚。左から、梅田竜二プロ、小林伸明氏、ダニエル・サンチェス選手(スペイン)
故人の意思により、ご葬儀は家族葬にて執り行われ、後にご家族が偲ぶ会の開催を予定されているとのこと。情報はJPBFのホームページにてご確認ください。小林氏のご冥福を心からお祈りいたします。
写真提供:JPBF