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CUE'S最新号


偶数月4日発売
ビリヤード・キューズ2022年9月号
2022年8月4日 発売

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再スタートに向かう『ONE』

2019.10.19

被災ビリヤード場の現況と支援の動き

始めに、この度の台風19号により亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまへ衷心よりお見舞い申し上げます。

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先週末、日本列島を襲った台風19号は各地で多大な被害を残していきました。静岡県田方郡にあるビリヤード場『ONE』も、大きな損害を負っています。店舗は大雨に飲まれ、店内には1メートル以上の浸水があったそうです。その被害の様子について伺うために、10月16日(水)に現地へと向かいました。

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オーナーの政二真琴さんによると、浸水した店内では浄水槽の水が逆流し、台風翌日の店内の様子は悲惨のものだったそうです。すっぽりと水をかぶってしまったテーブルは全て破棄することになり、テーブル上に避難させていたお客さんのキューやキューケースも当然被害に遭いました。デジタルダーツマシンなどの設備も大きく水をかぶってしまっています。壊滅的な被害となりました。

台風が通り過ぎた日曜日から政二さんとそのご家族で店舗の片付けを始めました。すると、被害の様子を聞きつけた常連客の皆さんも次々に集まり始め、日曜と月曜の2日間はそれぞれ20名以上の常連さんが駆けつけたそうです。

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「ありがたいですね。店内の清掃のために高圧洗浄機を持ってきてくれたり、差し入れをたくさん持ってきてくれたり、とても助かりました」(政二さん)

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火曜日にはテーブルの解体も完了し、汚れた壁紙も剥がし終わった店内は、筆者が到着した水曜日になると見た目にはかなり片付いた様子でした。しかし、ひどく汚損してしまった店内を繰り返し除菌・清掃したり、破棄しなくてはいけない備品を運び出したりなど、やるべき作業はまだまだ山積みという状況です。この日も夕方以降には続々とお客さんが集まって復旧作業を進めました。

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筆者も微力ながら片付けに加わりましたが、本当にハードな作業の連続です。日曜日から毎日、日付が変わるまで作業を進めていた皆さんの疲労が心身ともに大変なものであることは想像に難くありません。

しかしながら、常連さんたちも政二さんご家族も、嘆いていても始まらない、と再スタートに向けてもうすでに前を向いています。お店もほとんど一から作り直さなくてはいけません。いろいろな目処もまだまだ立っていません。ですが、この状況からでも動かなくては何も始まりません。

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営業中の様子を見たことがない筆者ですが、このONEというお店はきっと大勢のお客さんから愛されるお店だったのだろうと思います。だからこそ、台風直後のそれぞれ大変な状況であるにも関わらず、たくさんの人手が集まり、一体となって前を向くことができているのです。

そして、台風の被害に遭われたビリヤード場の支援に向けての動きもすでに始まっています。同じく台風の被害を受けた『キュースポーツ佐野』(栃木)の支援を目的としたトーナメントが群馬県太田市の『SALOON』で10月21日(月)に開催されます。河原千尋プロのお店『アンセーズ』では、11月4日(月)にチャリティ営業を行うことが告知されています。こうしたビリヤードを通した助け合いの輪が広がることも、大きな後押しとなることでしょう。

しかし、台風の被害に遭われたビリヤード場はONEやキュースポーツ佐野だけではないでしょう。ただ、その被害の全体像はまだ明らかになっていません。大変な苦難に直面し、ひとり、もう立ち直れないほどの絶望を感じているビリヤード場もあるかも知れません。そんなビリヤードを愛する仲間達の力となるために、支援の輪はさらに広がっていくはず。今がまさに、ビリヤード業界全体が一体となって力を合わせるべき時です。

Masato KITAMURA