松村浩史が全日本初優勝!

左から準優勝・須藤圭一、優勝・松村浩史
北海道オープンの決勝日が行われていた5月26日(日)、関東では『第18回全日本スヌーカー選手権大会<竹田杯>』の準決勝・決勝が開催された。会場は東京都・池袋の『ビリヤード・ロサ』。フォーマットはベストオブ7。
前日の25日(土)は群馬県・高崎市にある『G-SPeC』と、神奈川県・座間市にある『フルーク』で予選(ベストオブ5のシングルトーナメント)が行われ、ベスト4を決定した。

会場の『ビリヤード・ロサ』
ベスト4に勝ち上がったのは一昨年の同大会ファイナリストの松村浩史、ポケット・キャロム・スヌーカー各種目で実績を残している、オールラウンダーのジュリアン・セラディラ、全日本7度の優勝経験を持つ栗本高雄、3月に行われたスヌーカーの『東日本グランプリ』優勝や北海道・東北地区ランキング戦等で名を馳せている須藤圭一の4名。

3位タイ、ジュリアン・セラディラ。種目問わず今後の戦いに注目だ
組み合わせは松村vsセラディラ、栗本vs須藤となった。まず、松村vsセラディラは、松村がフレームカウント3-0と圧倒し決勝進出にリーチをかけた。しかし、セラディラがここから息を吹き返し、3フレームを取り返して3-3。試合はディサイディングフレームへと突入した。追いついたセラディラに流れがあったかに思えたが、松村はその流れを断ち切るかのように、フレーム開始序盤から積極果敢なプレーを見せる。その結果、序盤に獲得したリードを保ったままポイントカウント57-20で終了。松村が決勝進出を果たした。

3位タイ、栗本高雄。最多優勝記録更新とはならず
もう一方の栗本vs須藤はフレームカウント3-2須藤リードだったが、栗本が粘りを見せて3-3となり、こちらもディサイディングフレームへ。テーブルを変更して臨んだこのフレームでも両者一歩も譲らず、ポイントカウント48-48の同点となり、勝負の行方はブラックボールゲームに委ねられた。何度かの攻防の後、最終的にラッキーな形ではあったが須藤がブラックボールをポットし、試合時間7時間を超える激闘に終止符を打った。

須藤は準決勝で過去に類を見ないほどの長期戦を戦った
決勝戦は時間の都合により、異例のベストオブ3で行われた。決勝のステージに上がったのは互いに初優勝を狙う松村vs須藤。松村にとっては3時間以上も待ち時間があり、須藤にとっては7時間超えの試合をした直後ということで、体力的にも精神的にも対照的な両者となった。結果は松村がセーフティをする配置と攻めにいく配置をしっかりと見極め、フレームカウント2-0で勝利となった。

松村は1日通して安定したプレーで着実にポイントを重ねていき、悲願の初優勝を飾った
スコアだけを見れば松村の2-0で完勝だったが、須藤は第2フレームで一時は30点も離されていた点差を逆転するなど、疲れを感じさせない強靭なメンタルを見せて戦っていた。優勝の松村には、以降1年間に開催されるIBSF(International Billards & Snooker Federation)とACBS(Asian Confederation of Billiard Sports)主催の国際大会出場の権利が付与される。松村の今後の活躍に期待したい。