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2017.01.14 トピックス

ビリヤードの輪を広げるために

それぞれの楽しみを繋げていく和歌山での試み

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県外からも多くが参加して大いに盛り上がったWWカップ


1月9日(月・祝)、和歌山県において、一つのビリヤードトーナメントが開催された。大会名は『WW(わらわら)カップ』。重ねられた「W」の一つは日本アマチュアポケット連盟(JAPA)の和歌山県支部である『WRC(和歌山ローテーションクラブ)』で、もう一つが『WBFC(通称:和歌山B級ファイトクラブ)』を意味する。

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会場となったのは和歌山市内の『オーシャンドリーム』


WBFCは「和歌山県内のビリヤード愛好家同士が交流を深めることで楽しさを持続し、球離れを防ぐこと」を目的に、JPBAの中野正美プロが起ち上げメンバーの1人となって2012年にスタートし、これまで5年に渡って、主に県内のBC級のプレイヤーを集め、肩肘を張らず、それぞれのビリヤードの楽しみ方を見付ける機会を提供してきた。

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大会にはJPBAプロ6名も参加。前列左から中野正美プロ、元廣麗子プロ、久保田知子プロ。後列左から大島知幸JAPA事務局長、浅野正人プロ、児玉利洋プロ、川端聡プロ

WWカップは、昨年で一区切りをつけ活動を休止することとなったWBFCと、県内のアマチュア競技ビリヤードの先端にあるWRCが、「ビギナー、BC級、A級、クラブ員、プロという様々な立場からビリヤードの楽しむ人が集まり、各々のプレースタイルを受け入れて、人の輪を広げる大会」として共同で企画したもの。

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トーナメントは上級者に厳しくBC級にやさしいルール設定で行われた


このような主旨の下、大会はBC級の出場者にやさしいルール設定で行われ、アダムキューなど数多くのスポンサーから提供された豪華な賞品が当たるビンゴ大会や優勝者予想など、参加者の全てが楽しめる工夫が凝らされて進行。決勝戦はWRCの末岡選手とWBFCの酒井選手の戦いとなって酒井選手が勝利し、優勝者予想の開票が全員がハズレとなり急遽、観戦者全員のジャンケン大会が始まるなど最後の最後まで大いに盛り上がった。

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豪華賞品が当たるビンゴ大会も大盛り上がりだった


中野プロによれば、WWカップは「WBFCの活動が今回の大会で活動休止ということもあり、お世話になった方への感謝の気持ちも込めた『ありがとう企画』でもあり、WBFC、WRC、プロが自分のできることをそれぞれに協力し合って、みんなで盛り上げることができた大会となりました。価値観の違う者が一つになることは本当に難しいことですが、きっかけと引っ張ってくれる人がいれば、同じ方向を向くことができるということが証明できた大会となりました」とのことで、今後も引き続き、和歌山を中心にビリヤードの啓発活動を行っていくとのことだ。

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大会ベスト4。優勝はWFBCの酒井選手(右2)


WBFCのこれまでの活動、そしてWWカップのようなイベントは、即効性こそ少ないかも知れないが、間違いなくビリヤード活性化のための重要な要素の一つだ。そして、競技だけではなく、幅広い方向性でアマチュアプレイヤーがビリヤードを楽しめる機会を作っていく地道なアプローチとその継続は、大都市圏、地方に関わらず、ビリヤードがさらに多様でポジティブなイメージで認知され、ビリヤード場に多くの人が足を運ぶ将来を築くことに繋がっていくことだろう。

写真提供:WBFC