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過去のニュース(2015年)

2015.09.21 トーナメント

田中雅明、栗林美幸が東海制覇!

第20回東海グランプリ&第15回東海レディースグランプリ

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田中雅明が14年振りに東海制覇


東海グランプリ2日目は9月20日(日)、名古屋市内の『マーシー』にて男女の決勝シングルが行われた。男子はテンボール8ゲーム先取のベスト16から。女子がナインボール7ゲーム先取でベスト8からだ。

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男子準優勝・井上浩平


男子の予選勝ち上がりは15名がJPBA勢で、残る1人はフィリピンのラミル・ガレゴ。ガレゴは'05年と'12年の2度今大会を制していて、今回勝てば最多勝となる。当日組合せ抽選の結果、ガレゴの入った方の山はオープン戦優勝経験者が5名集まる混戦状態に。ガレゴは初戦で早瀬優治を8-5、ベスト8では浦岡隆志を倒した北谷好宏を8-4と有力JPBA勢に勝ち、準決勝では田中雅明と対戦した。田中はベスト16で今年の北海道OP準優勝の佐藤正行を8-5、ベスト8で福本宇太郎を8-2で倒しての勝ち上がり。

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男子3位タイ・青木亮二


もう一つの対戦は井上浩平青木亮二。ガレゴ vs 田中は試合巧者同士の好勝負となり、どちらも抜け出せないまま終盤戦へ。6-6となって会場内の興奮も一気に高まってきた。先にリーチをかけたのは田中。しかし続く第14ラックでは4番で痛恨の出しミス。田中はここでサイドへの空クッションからのバンクをコール。出しの力加減も申し分ないショットだったのだが、わずかに外れてオープン。もちろんガレゴが取りきってヒルヒル突入だ。最終ラック、ガレゴが1-10キャノンをコールしたところがこの日の男子のハイライトだったか。見ていた某プロが「かなり入りそう」と漏らしたショット、10番はスルスルとコーナー転がっていく。しかし、わずかに角を噛んで穴前で止まってしまう。ギャラリーからは何とも言えないため息が。田中、1-4キャノンから3-10コンビまで持って行き、これを見事に決めて決勝進出だ。

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男子3位タイ・ラミル・ガレゴ


井上 vs 青木戦は井上6-2リードから青木が奮起、ダイナミックなアクションで次々にナイスショットを放ち、こちらも6-6と試合を振り出しに戻す。その第13ラック、青木の9番セーフティを井上が空クッションから決めるもこれはノーコールイン。ロングの嫌らしい配置が青木に回って来たが、惜しくもポケットならず。残り球もロングのカットだったのだが、井上が綺麗にこれを決めてギャラリーからは歓声が上がる。井上マスワリフィニッシュでプロ入り初のオープン戦決勝進出だ。ところで、今年1月の関西オープンが今回とかなり似たシチュエーションだったことにお気づきだろうか? 田中は準決勝を羅立文との3時間に及ぶ激闘の末に勝ち上がったものの、決勝では嶋野聖大に敗れてプロ入り初オープン戦優勝を献上してしまったのだ。今回、井上に敗れれば、まさに8ヶ月前のリピートになってしまう。そして、試合は4-1と井上がリードする展開に。しかし、この日の田中にはまだ巻き返す余力があった。

5-3、6-4とじりじりと追い上げ、井上のブレイクスクラッチから取り切りマスワリで6-6。第13ラックは先球を敢えて前クッションから入れて、計3クッションで出すスーパーショットを披露。第14ラックもセーフティ戦から取り切って、実に01年以来14年ぶりとなる東海優勝を果たした。この日の田中、実に良い笑顔で優勝を噛み締めていた。ビール好きの田中、勝利の美酒はさぞ美味かったことだろう。

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女子優勝・栗林美幸


ベスト8戦からとなった女子は、男子のベスト8と揃ってのスタートとなった。ランキング上位勢では、6月の関東オープン優勝、7月のジャパンオープンで準優勝した曽根恭子が決勝シングルに残れない波乱があったが、8名全てJPBA勢が勝ち上がって来た。

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女子準優勝・梶谷景美


前半戦を引っ張ってきた曽根不在で混戦が予想されたが、終わってみれば栗林美幸の独壇場。栗林はなんと、ベスト8の夕川景子(ランキング4位)、準決勝の河原千尋(同1位)に連続で7-0のストレート勝ちを収めて決勝進出!

 
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女子3位タイ・河原千尋


この日の栗林、集中力と静かな闘志が見事にかみ合っていたように感じられた。言い方は悪いが、前回筆者が試合を観た時とは明らかに雰囲気が違っていた。栗林の勢いは決勝の梶谷景美戦でも止まらない。一体、どこまで連取が続くのか? スコアは4-0まで行き、3戦連続のストレート勝ちが見えてきた。しかし、試合後に「さすがに意識してしまいました」と語ってくれたように、第5ラックは取り切れた7番をミスして、連取は「18」で途切れてしまった。

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女子3位タイ・久保田知子


対戦相手は絶対女王の梶谷だけに、こういった記録が途切れてしまうと勝利への意識も薄れてしまいがちなものだが、栗林はきっちり踏みとどまった。6-2リーチから6-5まで追い上げられたもの、次を取りきって7-5で勝利。11年以来4年ぶり2度目となる優勝を飾った。男女共ドラマがあった今年の東海グランプリ。次回全国オープンは10月第一週の北陸オープンだ。

On the hill!