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過去のニュース(2015年)

2015.05.26 トーナメント

河原千尋がクイーンレース単独首位に!

第26回大阪クイーンズオープン

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河原千尋、開幕戦の関西レディースに続き今期2勝目


5月23日〜24日(土・日)の両日、『マグスミノエ』(大阪市住之江区)において『第26回大阪クイーンズオープン』が開催された。初日の予選はナインボール6ゲーム先取のダブル・イリミネーションで行われ、そこで勝ち残った16名が決勝日を7ゲーム先取のシングル・イリミネーションで競い合った。

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会場となった『マグスミノエ』


正午過ぎにはベスト8が出揃う。そのメンバーは河原千尋青木絵美野内麻聖美栗林美幸夕川景子久保田知子梶谷景美工藤孝代。(枠順)この中で、この大会(前身である全日本女子ナインボールオープン時代含む)のファイナルを撞いたことがないのは、青木、久保田、工藤の3名。青木が前戦の女子ツアーで初優勝なら、久保田は今年の開幕戦で準優勝。そして工藤は昨年の日本ランキング7位にして、いよいよプロ初タイトルを狙う存在。

この3人を新鋭組と位置付けると、残る5名は昨年の日本ランキングトップ5にして、全員がビッグタイトルを含む複数のタイトルを保持するベテラン組。ここで河原、野内、久保田、梶谷が勝利を収めて準決勝へ駒を進めた。

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3位タイ・久保田知子


準決勝の前には、この大会恒例となったギャラリーとプロによるペアマッチイベントを開催。今回は女子プロがマイクを順番に握って盛り上げ、交互に飛び出す好プレーと珍プレーに大きな拍手と笑い声が場内に湧き上がった。

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ペアマッチイベントは今回も大きな盛り上がりをみせた


準決勝では河原と梶谷がともに先行逃げ切りの展開に持ち込み、揃って失点を3に抑えて野内と久保田を下して決勝戦進出を決めた。この2人の決勝戦での対戦は通算10回目。決勝戦へ進出した回数でも10回を数えるプロが少ない中、同一カードで10度もファイナルを撞いている2人の突出ぶりには驚くばかり。

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3位タイ・野内麻聖美


ファイナルはファーストラックは梶谷がポイント。しかし河原がマスワリを含む3連続ポイントで逆転すると、梶谷も負けじと取り切りからのマスワリで3-3の同点に。さらに4-4、5-5と互いにポイントを挙げて並走。そして梶谷が技アリの取り切りで先にリーチをかける。しかし次ゲームは梶谷のセーフティが甘く残ったところを河原がすかさず取り切ってヒルヒルに突入した。

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梶谷vs河原の決勝戦は通算10度目


決して甘くないポケットを巧みに攻略する2人のプレーに釘づけとなった場内。彼女達がこれまで繰り広げてきた激闘の中でベストバウトを更新するほどの好ゲーム。プロ仲間も熱く見守る最終ラック。河原のブレイクは2個イン。取り出しの1番と3番、そして8番と9番がそれぞれトラブルになっている。

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決勝戦は互いに譲らぬ白熱の展開となった


とても楽しそうな様子の河原は、配置を吟味した後にメカニカルブリッジを使った1-3キャノンショットを選択し成功させる。ここから8番までたどり着くと、ほぼ構想通りのセーフティを決める。これに対して梶谷もじっくりとクッションからの角度を測り、キックショットから「入ったか!」と思わせるショットで会場をどよめかせる。そして残った2球はオープンだが、距離のある微妙な配置に。

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準優勝・梶谷景美


しかし順番が回って来たことに喜びの声を上げ、慎重に8番を沈める河原。「全然引けてないし!」。9番もまだ安心できる球ではない。だがこれもきっちり沈めて、2人のクイーン決戦にふさわしい引き締まったゲームのラストを飾った。これで河原は本大会通算4勝目で単独首位の座につき、また梶谷との決勝戦戦績を5勝5敗のイーブンに戻した。

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河原はこれまでにない新たな一面を魅せながらの勝利


そして最後に。「今年はちょっと......。新しい自分になるつもりです」。こう語ったのは表彰式後の河原で、この日1日でもすでにこれまでの河原とは異なる表情や言葉を随所で見せていた。リニューアルが進むクイーン河原は、国内女子戦線に鮮やかな色付けをしてくれそうだ。

※過去の対戦成績データはビリヤードウォーカーから引用

Akira TAKATA