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過去のニュース(2015年)

2015.01.31 プレイヤー

日本のエース、今なお進化中

Player Pick Up 河原千尋

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JPBA女子ランキングで4度の年間1位に輝いた実績や、昨年台湾修行に行っていたという事実がそう感じさせるのか。30歳になった今なお、まだまだ進化中という印象を受けた。関西オープンで3勝目を挙げた河原千尋のことだ。

敬愛する「女王」梶谷景美らと頻繁に世界大会に赴き、アジア圏ではメダル争いを繰り広げる域に成長し......と、日本のエースと呼ばれる存在になって久しいが、完成の域に近付いたというよりは、未だ「底知れぬ力を秘めている」と評したくなるポテンシャルの高さを感じる。

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2015年も幸先良く優勝でスタート


もっともプレースタイルやキューイングそのものは、プロ入り当時から基本に充実で無駄も無理も少なく、教科書的には完成の域に近かった。そこに膨大の経験な裏付けが加わり、今の河原は表層的にやっていることは以前と同じでも、違う意味の球を撞いているようにさえ感じられる。一球に重みと説得力が宿り、隙の生まれる余地が減っていて、それがそのまま「エースの迫力」として他プレイヤーに無言でプレッシャーを掛けている状態ではないだろうか。国内で彼女を止めるには、今回の関西オープンの予選での大谷晃央がそうだったように、朝イチの試合など、河原が暖まる前に自分の球で行き切るのが得策だと思える。

「大谷さんに負けた以外は、平常心で撞けました。少し無理やりそう持っていたところもあるかな」となんのてらいもなく開幕戦Vを振り返る河原。プロ入りして10年が経ち、勝ち鞍は20を越えた。さらりと「今年の目標は半分以上優勝すること」と付け加える。近年、女子の試合は1年に10戦ほど。つまり、「年間5勝」というのが一つの目標だ。河原自身、これまでは年間4勝が最高である(2014年と2011年)。

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昨年は自己最高の年間4勝(写真は関東レディースオープン)


ポケットビリヤード、特にナインボールというゲームの特性上、同一人物が何勝もするのは難しい。しかし、それもわかった上で河原が「半分は勝ちたい」と言うのも、「まだ力を伸ばせる」と自らが確信し、練習量に自信を持っているからだろう。そもそも、30歳を目前にして、台湾という異国に飛び込んで鍛え直すという発想自体、強烈な向上心の持ち主でなければ出てこないはずだ。以前、彼女はこんなことを言っていた。

「特に女子の世界では練習量がそのまま結果に現れやすいんじゃないかと思います。練習量プラス要領の良さ。それが成績に関わってくる」

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昨年のアムウエイチャンピオンシップでは自身最高の5位タイとなった


これは台湾へ行く前年の言葉だが、ポケットビリヤード強国である彼の地はまさに「練習量と要領の良さ」を求めるのには最適な土地だ。そして、実際に河原はより強くなって、より安定感を増して帰って来た。いや、正確には「より器を大きくして帰って来た」と言うべきか。関西オープンでのプレー姿からは世界規格の風格や余裕さえ漂っていた。

今年も台湾修行に行くかどうかは未定だということだが、4月に台湾で行われる世界最高峰の国際大会『アムウェイチャンピオンシップ』に参戦することは決っている。これまでの自身最高は5位タイ。今の河原であれば、「4強入り」は決して遠くないだろう。

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