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2018.11.15 トーナメント

【第51回全日本 Vol.6】女子トップランカーNo.3 平口結貴

RANKING #3 平口結貴

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11月19日(月)から開催される『第51回 全日本選手権大会「寬仁親王牌」』。ポケットビリヤードにおいて国内最高峰とされる「全日本」は、国内外の強豪選手が集まり毎年注目を集める。今回はそんな「全日本」で活躍が期待されるJPBAランキングトップ5を紹介したい。

東海レディースグランプリではマスワリラッシュを見せて河原千尋に勝ち切った


11月現在ランキング3位は、2290ptを獲得している平口結貴。4位の梶谷景美に300pt以上の差を付けている。北海道、苫小牧出身。アマチュア時代の2013年からJPBAプロの鳴海大蔵に師事し、「ジュニア世界選手権」銀メダル、アマナインL級優勝、プロ転向直前の女流球聖位など実績を積んできた。18歳の2016年7月1日付けでプロ入り。プロ人生3日目の「関東レディースオープン」で青木知枝とのヒルヒルを制してプロ初優勝を果たした。18歳での公式戦優勝は、国内女子プロの最年少記録である。今年の2月には、北海道予選を勝ち抜き、女子プロとして初の東日本グランプリ本戦出場を果たし、現在も国内最年少の女子プロとして活躍を続けている。

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2016年の関東レディースオープン。デビュー戦初優勝の瞬間


現在も鳴海との師弟関係は続いており、鳴海が札幌でオーナーを務める『Vivapool』に所属し、日夜練習に励む。2016年のプロランキングは半年間のプロ活動にして19位。上々の滑り出しを見せた。翌年'17年には国内最高峰のトップトーナメントである「ジャパンオープン」を制覇。プロとして年間を通して公式戦に出場したこの年はプロランキング4位につけた。

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JO決勝最終ラックの8番、あわやスクラッチの局面で思わず手を合わせた


そのJOの表彰式で平口は、「安心した」と優勝の感想を表現していた。20歳でJO制覇。普通に考えれば「すごい」の一言だが平口の考えは違った。JO優勝後、本誌インタビューに答えてくれた平口は、「結果を残さないと、1年空いてもうやばい」と、周囲ばかり気にして試合に集中できていなかった、とそれまでについて振り返っていた。確かに、デビュー戦の関東レディースオープン後、'16年は9月の東海レディースグランプリと11月の全日本選手権でのベスト8、'17年は女子プロツアー第1戦、第2戦でのベスト4が最高成績で決勝まで勝ち進んだ大会はなかった。

「デビュー戦で優勝して、天狗になっていた部分もあったんだと思います――だけどトップの人達の凄さも今になって改めて分かり始めたんです。」そんな気づきもあり、JOでは「優勝したい」という前のめりな気持ちを抑えることができた。そうして試合に集中できたからこその表彰台だった。

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JO優勝を決め大きなピース


今年は決勝の舞台3度上がった。1月の全日本女子プロツアー第1戦、そして、その2週間後の関西レディースオープン。この2つの大会は、それぞれ夕川景子河原千尋に敗れ準優勝だった。その後の6月の「女子プロツアー第3戦」や7月「JO」の頃は「気持ちが整わず、練習量も足りていないという状況で――ずるずると来てしまっていた、もったいない時期を過ごしていたと思う」と振り返る。

3度目の決勝は9月の「東海レディースオープン」。関西OPで敗北を喫した河原と対決した。立ち上がり、河原の2連マスに対し、回って来たチャンスを逃さず4連続マスワリを含む6点連取。その後は河原の追撃を振り切るレベルの高い内容で優勝を果たした。8月の「チャイナオープン」を通して気持ちが変わり、持ち直せたことが大きかったと平口。「とにかくメンタル面が整っていたんだと感じます。鳴海さんからーー要所でアドバイスを頂いたりして、最後まで気持ちを維持し、落ち着いて戦えた結果優勝できたのだと思います。」

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「1勝できてほっとした、という気持ちも正直言ってありますが、全く気は緩めていません!  今の気持ちの状態で練習を続けていけばまだまだ伸びていけると感じています。ーーどんどん自分自身を高めていって、11月の『全日本選手権』で皆さんに最高のプレーをお見せしたいと思っています!!」プロデビュー当時、目標は世界の大会で良い成績を残すこと、世界チャンピオンになること、と語っていた平口。最近では「25歳までに世界チャンピオン」と目標をより明確にする。北の大地で着々と成長を続ける21歳はプロ3度目の全日本に挑む。