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2014.09.23 その他

藤間一男の仕事紀行 in イラン・テヘラン(後編)

藤間レポート テヘランの街とイラン・ビリヤード事情

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講習会場となった連盟のトレーニングセンター。他にも施設があるらしい

前日にお伝えした前編に続き、後編では藤間一男氏が現地で見て実際に体感したイランのビリヤード事情、そしてテヘランの街についてのリポートを伝える。

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テヘランは4000メートル級の峰々が連なるアルポルス山脈の麓から南に広がる広大な大都市で、人口が1000万人を超えている。古くからシルクロードの中継点として栄え、イランのバザールはイランの魅力そのものである。美しいペルシア絨毯や伝統工芸品が所狭しと並ぶ。チャーイハーネ(お茶の家)。つまり喫茶店、酒場のないイランではくつろぎの場であり、社交の場。殆どがチャーイ(お茶)を飲んでおり、ペルシャンコーヒーやソフトドリンクで楽しんでいる。アルコールはご法度だからノンアルコールのビールが多種あるが、飲んでみて旨いとは思わなかった。また、水タバコも欠かせない。中東で広く伝わるタバコの吸い方だが、イランでは男性のみの嗜好品。チャーイを飲んで水タバコをたしなむのが彼ら庶民の憩いである。

道路網が発達して網の目のようにフリーウエイが縦横無尽に複雑に入り交った大都会テヘランだが車の運転はめちゃめちゃで大胆だ。交差点近辺は喧騒そのもの、中には交差点の中を悠然と歩く者もいる。主な道路にはバス専用の路線が設けられているが、自転車やバイクが時々走っているのはどういうことか。聞いてみたら許可証を持っていれば走れると言う。車線変更も平気で車の間を縫うようにしてスピードを出している。都市は北部から南にかけてほとんどが坂道で、平坦なダウンタウンに向かって長いスロープの道路が続く。日本車は5割くらい、その他は韓国製、中国製、フランス製、イラン製である。ドーハのように高級車を見ることはほとんどなかった。また、ミキサーカーや工事用、建築用の大型車は夜9時以降しか市内で走れない。毎日ホテルから指導会場まで車で送迎されるがヒヤッとすることが度々あるが運転手は平気な様子、当たり前のようである。タクシーには通常のタクシーと相乗りするタクシーの2種類がある。古びた感じのタクシーや一般車でもウインドウを開けて走行する。エアコンは装備していない。

イランは日本と同様で四季があり、現在は夏で36〜37度あるが湿度が低いために汗をかかない。男性はスーツや長袖シャツを、女性はイラン固有の黒いハーフコートでロングパンツやジーンズで、髪を隠すスカーフのみが黒やプリント柄を着用している。日本で言えば春か秋の服装である。私はいろいろな大都会を体験しているがやはりイランは何かに付けて違いを感じる。分かりやすく言えばまだまだ自由が束縛されている。インターネットも接続できないサイトが多い。フェイスブックも制限されている。日本はなんと幸せだろうと思わざるを得ない。

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講座を受けたコーチ達

ドーハに滞在して8年、アラブの生活を見てきた私はペルシアとの違いを感じた。イスラムのイランはアラブにあらずと言われていることが理解できる。言葉や文字も異なる。カタールのように1日5回の礼拝は同じイスラムのイランではほとんど見かけられなかった。0~9の数字も4と6が異なることを車のナンバーで知った。紙幣が10万、50万、100万と金額が多いので面食らう。1ドルが約33000イランリアルの為替相場であるためレストランのメニューが0ばかりで戸惑うことも多い。日本レストランも殆どないらしく、私が知っているのはこの大都会で1軒だけ。私には長期の滞在としては向かない都会である。

日本の4.5倍の広さがあるイラン全土でビリヤード場は約1100、広大な首都・テヘランで約150あるらしい。スヌーカーがやはり7割を占めている。最大で25台、平均が12~13台。料金は高級なところで1時間1台約10ドル、大半が3~4ドルくらい。イスラムの戒律により、あるセンターでは女性は朝10時から午後1時までに限定され、以後の時間は男性との入場も許されず、男女間の戒律が厳しいから同伴で楽しむことができない。どのセンターも夕方からは忙しいそうである。ビジネスとして儲かると言っていた。客層はヤング層が殆どで、年配グループはピラミッドゲーム(ロシアで普及している)に興じるそうだ。閉店が12時とされていて、営業許可はスポーツ大臣の認可が必要で、開業条件も厳しいらしく、年間のライセンス料金が1台200ドルとされ、毎年契約を更新するが年度中に芳しくない状況があったならば更新は認められないらしい。国際試合経験者もプールでは10人もいない。大会に出場して自分を試したいと選手たちは言っていた。

そして、私は5日間の講習を終えて27日夜テヘランを出発、ドーハで乗り換える。28日夕方に関西国際空港に到着し、帰路についたのだった。