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過去のニュース(2018年)

2018.04.16 トーナメント

喜島安広 球聖位6期目へ

『第27期球聖戦 球聖位決定戦』

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日本アマチュアポケットビリヤード連盟(JAPA)主催の、ナインボーラー日本一を決定する個人タイトル戦、『第27期球聖戦 球聖位決定戦』が15日(日)、埼玉県上尾市の『セスパ東大宮店』を会場に開催された。

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14日に引き続き会場となった『セスパ東大宮店』


この日、1セット7ラック先取、5セット先取(交互ブレイク)という長丁場の戦いを一対一で演じたのは、現球聖にして通算在位6期目の防衛戦に挑む、埼玉ポケットビリヤード連盟(SPA)所属の喜島安広と前日の挑戦者決定戦で神奈川の小宮裕樹を下して、自身2度目の決定戦進出となった広島県ポケットビリヤードクラブ(HPBC)所属の中野雅之。今年の球聖のクライマックスは、定刻をやや回った午前10時過ぎにスタートした。

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決戦は午前10過ぎに始まった


第1セットは、バンキングに勝った中野が立ち上がりから3連続マスワリの好スタートを切った。一方の喜島も自分のブレイクターンをしっかりと守りラックカウントは3-3とタイに。しかし、第7ラックで中野が犯した1番シュートミスをきっかけにアドバンテージを奪った喜島がリードを保ったままリーチ。追い上げたい中野だったが、4-6で迎えた第11ラック、取り出しの2番でキューミスファウルを犯し、残りを捌いた喜島がまずは先制した。

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喜島安広


続く第2セットは喜島のマスワリでスタート。序盤は双方にミスが出る展開で3-3。ここから喜島のショットミスをついた中野が4-3とリードを取ると、第8ラックでマスワリ、第9ラックでも喜島のスクラッチミスで6-3。一気にリードを広げた中野は第10ラックもマスワリでまとめてセットカウントをタイに戻した。

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中野雅之


第3セットも前の2セット同様、3-3までは互いにポイントを取り合う展開に。ゲームが動いたのは喜島の4-3で迎えた第8ラック、中野のジャンプショットファウルから5-3とすると次ラックでリーチ。中野もここから1ポイントを返すが、第11ラックをマスワリで取った喜島が7-4として再びセットカウント2-1でリードして、30分のインターバルに入った。

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休憩開けの第4セットは、リードはされているものの、挑戦者決定戦からさらに研ぎ澄まされてきた高い集中力でプレーを続ける中野がマスワリで先制すると、喜島のブレイクターンを破って2-0、さらにマスワリで3-0とロケットスタートに成功。このリードを保った中野が再びスコアを2-2のイーブンに戻す。

ここまで互角の展開を見せた試合は中盤へ。しかし、ここから勝負の流れは現球聖の喜島に徐々に傾き始める。第2ラックの8番。喜島がポジションミスをカバーしきれず、リードを奪うチャンスを得た中野だったが、レール際の9番がスキッド喜島がきっちりと沈め2-0とすると、その後5-0まで中野を引き離した。中野が1点返し、6-1で迎えた第7ラック、中野渾身の8番縦バンクは入れスクラッチに終わり、喜島がセットカウント3-2と三度目のリードを取った。

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第6セット、このセットがカギとなった。中野が喜島のブレイクターンを破って先制してからは、互いに譲らぬマスワリの応酬となり、第9ラックをマスワった喜島が5-4でこのセット初のリードを取った。次ラックは中野が痛恨の8番サイドスクラッチで、喜島がそのまま6-4でリーチへ。次のラックは喜島が真っ直ぐの2番を我慢し、3番ロングナイスインを見せたマスワリでセットカウント4-2とした。

第7セット。第1ラック、第2ラックともに中野が2番サイドに嫌われ喜島の2-0。中野、絶対に取りたい第3セットはセーフティ戦を制し初点を挙げる。次ラックも中野のマスワリが見えていたが、5番であわやスクラッチ、持ち堪えるも撞きづらの6番をミスして3-1。第5ラックでも1番をスクラッチし4-1に。ここ一発を入れきった喜島と、ほころびがでた中野の差がスコアにそのまま現れる形となってきた。第6ラック、中野がバンクに行きミスした6番を喜島が沈めるも、ポジションミスで7番が隠れジャンプミススクラッチ。中野が命拾いの4-2と1点返した。次のラックは中野が想定外の5番シュートミスで5-2。互いに思わぬミスが多い展開になってきた。ラックカウント6-3の喜島リーチで迎えた第10ラック、中野のブレイクはノーイン、穴前に残った1番から順等に喜島が取り切り、8番で塞がれた7番は、9裏当て出しからのスーパーキックイン。会場を大きく沸かせ、そのまま8番、9番と取り切って勝利を手にした。

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19時前まで及んだ試合を制した喜島はこれで史上最多の6期目となる球聖位の座に就いた。高い集中力で食らい付いていた中野を、喜島は球聖戦の経験値の高さと持ち前の勝負強さで退けた。「球聖位在位6期」は偉業と言っておかしくない。そんな伝説が生まれた第27期球聖戦だった。