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過去のニュース(2017年)

2017.12.27 トピックス

ジャパンスヌーカーの夜明けが見える

新進気鋭・神箸渓心

2017年のジャパンスヌーカー界は一つの転換期を迎えた。時代の変化がより、明らかなものとして捉えられる一年となったのだ。

国内で行われるスヌーカーのビッグタイトル戦は年間で2つある。1つが「竹田杯」を冠する『全日本スヌーカー選手権大会』。そしてもう1つが『スヌーカージャパンオープン』だ。共に過去には福田豊を始め、桑田哲也、水下広之、栗本高雄などの日本スヌーカー界を牽引してきたプレイヤー達が獲得してきたタイトル戦である。

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左から栗本高雄、福田豊、桑田哲也、水下広之


その2大会のなんと両方で16歳の神箸渓心が初優勝を果たしたのだ。しかも、他のプレイヤーとは大きく差を広げたブレイクも記録して、国内では1段も2段も上をいくものであることも、試合の中で明らかにしている。

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今年の全日本スヌーカー選手権大会の神箸渓心


父である神箸久貴プロの指導のもの、小学6年生の時からポケット、キャロムも含めたビリヤード競技に取り組み、研鑽を重ね続けてきた。近年、スヌーカーを専門競技として定めて以降は観戦者達をその成長ぶりで毎度驚かせて次代のエースとして目され続けてきたが、ついにビッグタイトル戦を共に制するという形でそのレベルの高さを証明したのだ。

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今年のジャパンオープン。決勝は親子対決となった


しかも海外戦においても、着実に成績を上げつつある。世代別の世界大会では着実に入賞しており、同世代の世界トップクラスと言えるはずだと海外遠征にも帯同してきた神箸久貴プロも評価している。そして自身も、年齢別の国際大会での優勝を明確な目標として定めてきた。

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父・久貴との対談も含めた特別企画は来年2月3日(土)発売のCUE'S3月号でお届けします


今年は神箸渓心がこれまでのスヌーカー界から考えると圧倒的規格外のスタープレイヤーとして成長しつつあることを改めて示した1年だったのではないだろうか。世界で戦いうるスターが生まれることは日本のキュースポーツ界の未来を明るく照らすものだ。

テーブル数もプレイヤー数も多くない日本はスヌーカーにおいて決して先進国とは言えない。その現状を神箸の存在がいつか大きく変えるのではないだろうか。だが同時に、今後再び先輩プレイヤー達が神箸の前に立ちはだかってスヌーカーシーンをさらに盛り上げてくれることも期待したい。そうすれば、スヌーカーを取り巻く環境はこの先数年で一新されるという確信も生まれることになるだろう。