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2017.11.15 イベント

【全日本特集 Vol.03】寛仁親王牌日本勢奪還のカギはココ!

『第50回全日本選手権大会』は今週末スタート!

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優勝者には寛仁親王牌が与えられる ※寛の字には点が付く


11月17日(金)のステージ1からスタートする全日本選手権。2002年に寛仁親王牌を拝戴して以来、男子ではフィリピン勢が6回、チーム台湾が5回、ヨーロッパ勢が3回と、この栄誉あるタイトルは海外遠征を続けている状況だ。ご存知の通り、日本勢としては2005年に奥村健(現JPBF)が手に入れた1度のみ。あの時から12年。ちょうど干支もひとまわりして再び酉年を迎えた今年、悲願の親王牌奪還はなるのか? チーム・ジャパンの布陣を紹介しながら、そのカギを探ってみたい。

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日本男子のスリートップ。左から大井直幸、羅立文、土方隼斗


ちょうど次号のCUE'Sに向けて、『データで振り返る過去12年間(2005-2016年)の全日本選手権』という記事を書いていた。男女別に表彰台に立った国別の回数や、決勝ラウンドにおける国別勝率など、かなり興味深い数字が出ている。その詳細は誌面でお届けすることとして、過去の全日本選手権と比較をしても、今年の男子は望みが高くなっている。まず国内外で群を抜く戦績を収めて不動の王者となっている大井直幸や、アジア選手権3連覇など更なる進化を遂げた羅立文、昨年の日本ランキング1位である土方隼斗というスリートップの存在はやはり大きい。

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次に続くのが竹中寛と栗林達(写真左から)


しかしタイトル奪還のカギとなる層は他にいる。上記の3人の戦闘値をMAXに発揮しても、台湾とフィリピンの連合軍には多勢に無勢。そこに中国チームとヨーロッパ勢、さらにシンガポールも上位争いに加わってくると予想される。では、日本チームのキーマンは誰なのか? それはランキング50位あたりまでの広い層の個々の『1勝』に懸かっている(以下、カッコ内の数字は10月末時点の日本ランキング)。

まず竹中寛(4)と栗林達(5)、北谷好宏(7)、赤狩山幸男(8)、そして川端聡(13)、高橋邦彦(18)、西尾祐(22)。彼らの共通点は過去の全日本選手権において『日本人最高位』という結果を残している点。それぞれがその戦績を収めた当時と比べて、技術的に見劣りするところはほぼ見当たらない。彼らのポテンシャルをもってすれば、海外強豪の一角を倒しても何ら不思議ではない。最終日、そこに彼らの雄姿があることに期待。

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左から北谷、赤狩山、川端、高橋、西尾


次に今年の国内オープン戦で結果を残しているグループ。北海道と北陸を制した飯間智也(6)を筆頭に、北海道と九州で表彰台に立った田中雅明(9)や同じく14-1と九州で爪痕を残す吉岡正登(9)らに期待が寄せられる。北陸で準優勝だった塙圭介(14)や 全日本ローテーションで3位入賞の浦岡隆志(13)、安定感がありながら多くの大会で「あと一歩」が続いた嶋野聖大(11)も、大きな可能性を秘める存在だ。津堅翔(16)も嶋野と同様に殻を破る機は熟している。

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今季3勝を挙げている飯間智也。久々の全日本選手権でも爆発するか


ここまでに挙がった名前を見て、「自分も」いや「自分が」と奮起しないプロはいないだろう。原口俊行(20)と和田敏幸(20)が牽引する東海勢、正崎洋行(27)と能勢勇作(29)、北谷英貴(30)といった福岡県組も目に見える成長を続けている。花の40期生・早瀬優治(18)や西日本ランキングを3位まで上げた杉原匡(19)も海外のトップを葬り去った実績を持つ。海外選手相手となれば青木亮二(15)も黙ってはいられない。アマチュアがGP-Eを制した東北勢もプロの発奮に期待だ。同じく若手女子プロが奮闘している北海道の男子も黙ってはいられないだろう。

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会場となる『アルカイックホール・オクト』


いかがだろうか。名前が挙がっていない選手にも海外の強豪と渡り合う能力を持ったプレイヤーはまだまだいる。頂点に立てるのは1人だけ。だが日本からは戦闘力を備えたプレイヤーが数多く出場する。個々のの一勝の積み重ねこそが、親王牌奪還への道。「我こそが」のプロ魂と、自身がチームジャパンの一員であるという意識を備えて、最善を尽くした先に待つ栄誉を手中に収めていただきたい。

そしてホーム・アドバンテージ。会場の空気はゲームの流れをも変える力を持っている。観客席にも悲願成就への想いが共有されること。ヒーロー誕生の瞬間、すべてが報われる。アルカイックホールが揺れた2005年の感動を再び。

ビリヤードネットTV『CBNT』では、2005年から2016年までの各ファイナルを含む全日本選手権の202試合を観ることができます。合わせて、ご堪能下さい!

Akira TAKATA