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2017.06.05 トーナメント

西嶋大策が目覚める季節、東日本グランプリ第4戦

東日本グランプリ第4戦

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左から小川徳郎アマ、松村学、西嶋大策、土方隼斗


6月3日〜4日(土・日)に『東日本グランプリ第4戦』が東京・大森にある『キャノンボール大森』で行われた。優勝は西嶋大策、準優勝は松村学、3位タイに土方隼斗と小川徳郎アマが入賞した。

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会場のキャノンボール大森


前日予選のナインボール10ラック先取、そして決勝日の8ラック先取を連勝し決勝戦に這い上がって来たのは大病を患いながらも昨年のGPE第2戦で優勝を果たしカムバックした西嶋大策と、自身初の決勝戦となった松村学。まず両者の決勝戦までの軌跡を振り返る。

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決勝前に行われたギャラリーのスピードガンコンテスト。今回の賞品は『パワーブレイク魁』


西嶋は初戦で2年振りの本戦進出を果たした大西想を8-3で破ると、次戦で北海道代表の矢後満を8-5で倒し、準決勝へ進出。そこに待ち受けていたのはGPランキング1位の土方隼斗。この土方戦の命運を分けたのは第12ラック、5-6のビハインドで西嶋がまさかの9番シュートミス。しかしやや遠く残った9番を土方もミス。このラックを拾った西嶋は、その後ヒルヒルになり回って来たブレイク番で、バンク・コンビを絡めた会心のマスワリを出し、決勝進出を決めた。

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ベスト8からは試合毎に異なるプロが実況生解説した


一方の松村は1回戦で津堅翔をヒルヒルで倒すと、2回戦の相手は『アジア選手権』3連覇『全日本14-1オープン選手権大会』4勝目と、続けざまに記録を打ち立てた羅立文。試合は羅立文がリードをすると松村がすかさず追い付くという息のつけない展開。試合はヒルヒルにもつれ、松村がブレイクしたあとに、取り出しの2番をセーフティ。やや甘く残った2番を、羅が長考の後、きっちりシュート。しかしナイスプレーと思われたのも束の間、手球は無情にもコーナーポケットへ。残りをしっかり取り切った松村が準決勝に駒を進めた。

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今大会のベストアマ・小川徳郎選手


松村の準決勝の相手は、アマチュアタイトルを総なめにしているトップアマ、小川徳郎選手。この日は高橋邦彦赤狩山幸男のナインボール世界チャンピオン2人を倒してきた。試合は松村が4-1とリードするも小川選手が4-4のイーブンに戻し、接戦を予感させたが、その後は松村がテンポ良くランを重ね、8-4で勝利。取り切りにスピード感のある、シュートミスの少ない内容で、松村が勢いを持ったまま決勝進出。

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初の決勝戦進出となった松村学


迎えた西嶋vs松村の決勝戦は互いにブレイクが決まらず、マスワリがあまり出ない展開。しかし互いのナイスプレーが随所に飛び出し、4-4で試合は後半戦へ突入。次ラックで西嶋のブレイクがイリーガル、これを取り切った松村だが、続くブレイク番の取り出しで、痛恨のスクラッチ。5-5。松村はその後もチャンスが回ってくるも、これをものにできず。最後は松村のスクラッチから取り切った西嶋が8-5で優勝を手にした。松村は初の決勝戦で堂々の立ち振る舞いを見せたが、再三の勝機を逃し、惜しくも初優勝を逃した。

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西嶋大策が昨年の第2戦以来の優勝!!


急性大動脈解離と大動脈弁輪拡張症を患い、一時は引退も覚悟するような体調だった西嶋は、そこからリハビリを続け、今は自分の身体と向き合いながらプロ活動を続けている。決勝後のインタビューで「冬場は全く練習ができず、最近暖かくなってきたのでようやく球が撞けるようになりました。ブレイクはすごい練習しましたね、決勝戦では当たらなかったですけど(笑)」と穏やかに語った西嶋。これから彼の季節がやってくる。

この日の決勝戦の様子は『CBNT』で配信予定です。フォトギャラリーはこちらから。