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過去のニュース(2016年)

2016.08.24 トーナメント

小倉の活火山、大阪で地力を示す

西日本グランプリ第4戦

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北谷好宏が今季初勝利


今年と同じ申年の2004年。プロデビューから5年目を迎えた九州の若者が、日本ランキングで3位につけた。1位は川端聡、2位は高橋邦彦。この左右の両エースが海外でもその名を馳せている時だった。

9月21日の日曜日。大阪府大阪市の『玉出ビリヤードACE』(予選は他複数店舗併用)において、『西日本グランプリ第4戦』が開催された。前戦のファイナリスト2人(竹中寛大井直幸)は台湾で開かれた『アジア選手権』に参戦のため不出場。シード枠なしの予選16枠で予選が行われた。フォーマットはナインボール8ゲーム先取の勝者ブレイク(ナインオンフット)。

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会場となった『玉出ビリヤードACE』


まず本戦(ベスト16)で注目を集めたのは河原千尋。今年の『九州オープン』でも5位タイの戦績を残すなど、近年は男子に交じっても互角以上に渡り合っており、今回の予選通過もその安定感を示した。抽選の結果、杉原匡との対戦に。ここは河原にややらしくないミスも出て、8-5で杉原が面目を保つ勝利を収めた。

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3位タイ・原口俊行


今回、準決勝に駒を進めたのは枠順に北谷英貴田中雅明北谷好宏原口俊行。北谷兄弟が公式戦で揃って準決勝進出は初とあって自然と注目が集まる。そんな中、兄の好宏は先行逃げ切りで原口を退け(8-6)、弟・英貴は田中を相手に猛追も見せるも、あと1歩及ばず(8-7)兄弟ファイナルはお預けとなった。

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3位タイ・北谷英貴


決勝戦は北谷がまず4-1と序盤を制した。ここから流れは田中に向いたが、4-4に並ぶシーンでマスワリの9番を「(コンディション的に)やや持っていかれる(スロウが出ている)イメージがあった」(田中)ためにこれを薄く外してしまう。すると次ラックでも、チャンスを得て取り切り体勢に入った田中の9番へのポジションがあわやスクラッチ。何とか最悪の事態は免れるもポケットの角に噛んで、空クッションから当てにいくことに。そしてセーフは取るが、残り球をきっちり北谷が決めて6-3に。

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準優勝・田中雅明


次ラックでは田中がスーパショットからのランアウトで1つ返す。だが「最近イメージがよくて、今日も全体的に悪くはなかった」という状態の北谷が、田中の取り出し1番で決めたセーフティをジャンプショットからの取り切りでリーチ。そのまま逃げ切り1年5ヶ月ぶり、プロ通算7度目となる公式戦優勝を飾った。

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この勝利が後半戦の起爆剤となるか


12年前の勢力図の中で川端、高橋に次ぐポイントを上げた北谷が、格段に知識もスキルも高め、今まさに自身のキャリアハイの域にある。ナインオンフットのナインボールに向かおうとしている流れも彼にとって追い風になるだろう。気は優しくて力持ち。チームジャパンを牽引するエースプレイヤーの1人として、今後さらなる爆発に期待したい。

※決勝戦の様子は後日CBNTで配信予定です。どうぞお楽しみに!

Akira TAKATA