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過去のニュース(2015年)

2015.10.22 トーナメント

直近5年33回の完全データで見る東GP

東日本グランプリ第7戦

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会場は『バグース六本木店』


今週末は今年の『東日本グランプリ』の最終戦が『バグース六本木店』にて開催される。年間グランプリMVPも決定するこの最終戦だが、その座は既に2名に絞られている。前戦優勝でランキングトップを走る土方隼斗とその後ろに付ける栗林達だ。土方はベスト8まで勝ち進んだ時点でMVPが決まり、栗林は自らが優勝し、なおかつ土方がベスト16で敗退となってようやくMVPの座に着けることになる。さて、このそれぞれの条件が満たされる確率を過去のデータから考察してみよう。今回は今年を含む直近5年、全33戦の東GPのデータをもとにする。

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MVP候補の筆頭は土方隼斗!


まず、既に前戦優勝者シードによりベスト16以上を確定させている土方のデータを見よう。土方が東GP決勝日に残った回数は全33戦中28回(85%)。東日本の猛者が集う関東予選を突破していることを考えるとこれだけで驚異的な数字。そして優勝回数は8回(通算13回)で、今回のMVP条件であるベスト8以上に残っている回数は24回。つまり、既にベスト16以上を決めている今、過去からのデータで言うと栗林の結果に関わらず自力でMVPを決める確率は85.71%だ。加えて、六本木開催の東GPで過去4勝と会場との相性も良い。

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栗林は優勝することが大前提と厳しいMVP条件


それに対して栗林のデータを見る。栗林の決勝日進出回数は26回(79%)。海外戦などとの日程重複による欠場も複数あることを考えるとやはり高い確率で予選を突破している。今回のMVP条件である優勝回数は10回で、決勝日に残った場合の優勝確率はなんと39%にもなる。このデータ集計期間における優勝回数はもちろんトップだ。

この2つのデータを合わせると、まず土方がベスト16で敗退し、なおかつ栗林が優勝する確率は5.50%だ。つまり、土方のMVP確率は94.50%で圧倒的な土方優位のほどがわかる。

この期間、33戦に行われた495試合の全データを集計するとこれまた興味深い数字が出てくる。まず栗林の戦績が55勝16敗(0.7746)で集計期間のGPで10勝以上している選手の中で勝率トップとなる。勝率で続くのはやはり土方で63勝20敗(0.7590)。勝率で7割を越えるのは唯一この2人だけだ。東GPのMVP争いを続けて争っていることが如実に数字で表れているのだ。

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土方、栗林と東GP3強の一角、羅立文


それに続く数字を出すのが羅立文。47勝23敗(0.6714)で優勝回数も5回(通算9回)でやはり3位に着ける。お気付きだろうか、この5年33戦のうち23戦で優勝トロフィーを手にしているのが栗林、土方、羅のいずれかなのだ。また、2回優勝しているのが赤狩山幸男(30勝20敗)、内垣建一(8勝5敗)、水下広之(22勝13敗)。そして鈴木清司(23勝22敗)、井上浩平(8勝13敗)、菅谷慎太郎(4勝2敗)、林研字(6勝8敗)が単発で優勝している他には優勝者はいない。これまた飛び抜けた存在であることをまざまざと示す数字となっている。

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トップ3の牙城を崩し得る選手となると、まずは赤狩山幸男だろう


もちろん、昨週には『西日本グランプリ』で稲川雄一が初優勝を果たしたこともあり、虎視眈々とトップ3を追い抜こうかと狙う選手も多数。ファイナル進出経験のある永松宣明(10勝8敗)や照屋勝司(16勝16敗)などが控えている。決して3強独占の状況だと一概には言えないだろう。

今戦は土方の他、北海道代表の小山峰紀、東北代表の鈴木淳、スポンサーシードの西尾祐の出場が決まっている。今回のフォーマットはテンボール、交互ブレイク、8ゲーム先取となっている。今年最後のグランプリ、土方と栗林が起こすドラマを見届けるとともに、過去のデータを越えて、トップへ登り詰めようという選手が出てくるのかどうか、よく注目してほしい。

データベース参考:ビリヤードウォーカー(ビリヲカ)