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2014.10.03 その他

カスタムキューの世界・前編

「カスタムキュー」とは

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プレイヤーはそれぞれの求める「カスタム」がきっとある

ビリヤードをプレーする中で、「自分だけのキューを使いたい」、「他人より優れた道具を使いたい」という願望は、おそらく誰にでもあるだろう。初心者の頃はキューの違いなどを意識することはなかったのに、プレーが上達するにつれ、「こんなキューが欲しい」という具体的な気持ちが湧いてくる。もちろん、キューに求める具体的な「何か」はプレイヤーで異なるから、そこに他にはない特徴、つまり個性を持つ「カスタムキュー」と呼ばれるキューが求められる理由があるのだ。

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1本1本がそれぞれまったく異なるキューだ

ところで「カスタムキュー」とはどのようなキューを指すのだろうか? 明確な定義はないが、デザインや仕様を指定して注文したものや、もともと年間数本~数百本程度しか製作しない少量生産メーカーのキュー、あるいは、年間一万本以上生産する量産メーカーであっても、ごく少数限定生産されるキューが当てはまるだろう。

更に「既製品のキューに不満を持ち、自作するようになった」ことから始まったキューメーカーが、メーカー名を「~カスタムキューズ」と自称するケースもある。それは「他のメーカーとは違う」キューという意味をこめているからだ。車やバイクのように、オーナーが自分好みに手を加えてもそれを「カスタム」とは呼ばないため、少々わかりづらい言葉かもしれない。

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ICCS(International Cue Collectors Show)の会場。多くの人々が自分のカスタムを求めて集まる

キューの特性やデザインは本来、全体のバランスを考慮して設計され、製作されているものだ。しかし最近はタップとシャフトに関する違いについて、様々な考えや感想を聞くことは多い。ではキューそのもの、特に「カスタムキュー」についてそれ以上に熱く語るプレイヤーはどれだけいると想像できるだろうか。

確かに手玉と接触するキュー先端部に近ければ近いほど、その違いが手球のアクションに及ぼす影響は大きくなるのでタップやシャフトの違いは撞いてみればよく分かる。しかしながら、バットやキュー全体に関してはどうだろうか。全てのプレイヤーが色もデザインも同じキューを使っていたら、ビリヤードそのものが今とは異なる風景、異なる考え方でプレーされているのではないだろうか? キューは、一本一本異なるデザインが施されていることでプレーする道具「以上」の存在となっているのだ。そんなキュー、カスタムキューの魅力を本日より3日間に渡って解説していこう。

さて、明日発売の『CUE'S11月号』より、新連載「私のカスタムキュー物語(ストーリー)」が登場する。毎回「カスタムキュー」に対して熱い思いを持つプレイヤーやコレクターが、自慢の一本、愛用する一本について語り、そのキューを私、K.Kagomiyaが解説するコラムだ。自薦・他薦を問わず、キューオーナーとその相棒であるキューについてお話していただける方を募集中。ぜひ「カスタムキュー」に対する思い入れを語ってほしい。ご興味のある方はcues@bab.co.jpまで。

文・写真/K.Kagomiya